【サザエさん発案の地】福岡百地浜のサザエさん通りには何があるのか

九州

九州最大の都市、福岡市の西部に位置する西新地区から海岸沿いの百地浜地区は、通称「サザエさん通り」で繋がっていて、地元ではサザエさん発案の地」として知られています。

えっ?でもサザエさんって東京の世田谷に住んでいるんでしょう?福岡が発案の地ってどういうこと?

実は、サザエさんの作者である長谷川町子氏は佐賀県出身の九州人。

長谷川氏は、戦時中に福岡の西新地区に暮らしていて、自宅近くの百道浜の海岸を眺めながらサザエさんのストーリーや家族構成を考えていたとのこと。

 

今回の記事では、そんな西新、百道浜にあるサザエさんゆかりの地、「サザエさん通り」の周辺の見所を紹介していきます。

サザエさんが好きな方には特におすすめです。
お散歩にちょうど良い場所なので、楽しみながら散策してみましょう。

 

 

サザエさん通りへのアクセス方法

 

サザエさん通りへは、

  1. 地下鉄西新駅
  2. 福岡タワーバス停

と2ヵ所からアクセス可能です。
西新地区から行く場合は、福岡市営地下鉄空港線の西新駅で下車し、1番出口から出たすぐのところにサザエさん通りはあります。

ドンキホーテと、福岡の名門修猷館高校の間にある道で、案内広告が駅構内にもあるので迷うことはありません。

 

西新駅側の道には、西南学院大学のキャンパス入口のところに、サザエさんと長谷川町子先生が談笑している銅像があります。(すいません、写真を取り忘れました!)

 

福岡タワー側からサザエさん通りにアクセスする場合は、 JR博多駅から西鉄バス306番、312番に乗車して、終点の福岡タワーバス停で下車。
天神から行く場合は、6番、W1番、302番のバスに乗って福岡タワーへ行きます。

料金は共に240円。

福岡タワーまでのバスは、本数がとても多く、アクセスするのにとても便利です。

 

サザエさん通りについて

 

 

こちらが、福岡タワーの近くにあるサザエさん通りの看板です。

 

サザエさん通りは、2012年5月27日(長谷川町子先生の20回忌)にサザエさん発案の地を記念して完成した全長約1.3kmの通りです。

 

最初に書いたように、長谷川町子先生は一家揃って戦時中東京から福岡の百道に疎開していました。

その頃、百道の海岸を良く歩きながらアイディアを練っていた長谷川先生は、海岸を見ながらサザエ、カツオ、ワカメ、タラ、マスオ、波平、フネという磯野家のキャラクターの名前を思いついたのです。

やがてそれが「サザエさん」という漫画となり、現在まで50年近くに渡って国民的漫画として広く愛されています。

サザエさん通りというと、東京都世田谷区桜新町を思い浮かべる人も多いかと思いますが、あちらは作者が連載の途中で福岡から引っ越して晩年まで暮らしていたところです。

そういう意味でも、サザエさんのストーリーの骨組みが完成した場所ということで、福岡の方がサザエさんを語る上で重要な場所なのではないでしょうか?

サザエさん(フグタ家)も、設定が福岡出身で、連載初期の磯野家は長谷川家と同じく福岡に住んでいて、途中から現在の世田谷に引っ越しました。
百地浜側のサザエさん通りの入口は、福岡タワーやRKB毎日放送、テレビ西日本の建物の前にある市道池行百道線の道路沿いです。
市道池行百道線の交差点を渡ると、お洒落な石畳の道がありました。
ここが、サザエさん通りの入口になります。
というわけで、ここからはサザエさん通り沿いにある見所を紹介していきましょう。
散策ついでに訪れてみて下さい!

サザエさん通り沿いの見所 その1  福岡タワーとシーサイドももち海浜公園

 

 

西鉄バスを降りたら、巨大なガラス張りのタワーが目の前に飛び込んできます。
これが福岡タワーです。

 

1989年のアジア太平洋博覧会に合わせて建てられたこのタワーの高さは234m。

約8000枚ほどのハーフミラーで覆われた造りです。

地上123m地点には展望台があって、福岡市内と玄界灘が一望できます。

 

 

福岡タワーの裏側には人工の砂浜の海水浴場がありました。
夏場には大勢の海水浴客で賑わっています。

 

 

海水浴場の真ん中には、このようなお洒落な建物が。
ここからは、海の中道へアクセスする船「うみなかライン」が発着しています。

 

 

海岸からは、フェリーで10分ほどで行けるビーチや花畑が美しいことで知られる能古島(のこのしま)の姿がはっきりと見えました。

サザエさん通りを歩く前に、じっくり散策していきましょう!

 

 

サザエさん通りの見所 その2  福岡市総合図書館と福岡市美術館

 

 

サザエさん通り沿いには、大規模な図書館と博物館があります。

最初に紹介するのは福岡市総合図書館。

市内に12ヵ所ある福岡市立図書館の本館で、本はもちろん、ビデオ貸し出しや映像ホール、学習室やギャラリーも備わったかなり大規模な図書館です。

以前僕も訪れたことがありましたが、広い館内で読み物が豊富だったので、かなり居心地が良かったですね。

時間があったら、立ち寄ってみましょう。

 

 

図書館の向かい側にあるのが、福岡市博物館です。

1990年にオープンしたこの美術館は、1989年に開催されたアジア太平洋博覧会の展示場としてオープン前に使用されました。
館内には福岡の歴史や暮らしに関する展示や、筑前藩主だった黒田家にまつわる展示品が充実しています。

中でも、志賀島で偶然発見されて国宝に指定された「漢委奴国王」と印された金印の実物は必見です。

企画展も充実していて、外観から見ても非常に見応えのありそうな博物館でした。

 

訪れた日は休館日でしたが、企画展で静岡市の久能山にまつわる展示を開催してました。

 

サザエさん通りの見所 その3 サザエ、カツオ、ワカメ像

 

 

博物館前の道(よかトピア通り)を左に曲がって、真っ直ぐ進んで行くと、サザエ・カツオ・ワカメの銅像が立っていました。

これは長谷川町子先生の生誕100周年を記念して建てられた銅像です。

アニメの姿を模して造られた銅像ではなく、連載初期の作画の銅像というところがなんだかいいですね。

地元の商店街の人達がサザエさんで街を盛り上げたいのと、町子先生に対する感謝が込められているかのように、明るい気持ちになれる銅像でした。

 

サザエさん通りの見所 その4 磯野広場

 

 

地下鉄西新駅方面に向かう曲がり角の交差点に、西新1号緑地という小さい広場があります。

ここは別名、磯野広場と呼ばれていて、写真のような石に刻まれたモニュメントが飾られていました。

 

記事の最初にも紹介しましたが、作者の長谷川町子先生は戦時中に現在の西新3丁目あたりに住んでいて、サザエさんのキャラクターを思い浮かべた頃はこの交差点沿いは全て海岸線だったそうです。

写真右の石板に、そのことが描かれた「サザエさんうちあけ話」の漫画の一場面が紹介されていました。

今では日曜夕方6時30分のアニメとして、お茶の間に広く知れ渡っているサザエさんですが、世に出たきっかけは新聞の4コマ漫画だったのです。

当時西日本新聞で働いていた町子先生は、1946年に創刊された僚紙である「夕刊フクニチ」の連載漫画を依頼されたことから、全ては始まりました。

サザエさん通りの見所 その5 サザエさん発案の地モニュメント

 

 

 

磯野広場の向かいには、このような「サザエさん発祥の地」のモニュメントが置かれていました。

注意深く見てみないとわからないくらい地味に置かれていましたね。

 

このモニュメントには、長谷川町子先生の生まれから亡くなるまでの生い立ちが簡単に記されていて、町子先生と福岡の繋がりを解説しています。

それによると、「夕刊フクニチ」で連載を始めたあと、東京にいる必要性を感じるようになり、家族で再び上京することを決意。
その後家族で出版社「姉妹社」を立ち上げてサザエさん1巻を出版し、これが大ヒットしたのです。

磯野家自体も、漫画の中で作者の上京に合わせて福岡から東京に引っ越しました。

さらに1948年には朝日新聞の夕刊に連載を開始。
1951年には朝日新聞の朝刊に移り、1974年まで続く人気作になりました。

1969年にはアニメ放送も始まり、50年たった現在でも不動の地位を築いています。

その苦労の詳細は、町子先生の妹の洋子さんが書き記した「サザエさんの東京物語」で詳しく書かれているので、興味のある方は是非。


モニュメントの右側には、サザエさん第1巻の1番最初のページに掲載されている4コマ漫画が紹介されていました。

 

そして最後に紹介するのは、西南学院大学の図書館の前にあるサザエさんと作者の長谷川町子先生が、立ち話をしている銅像です。

福岡市営地下鉄「西新」駅の近くにある西南学院大学と長谷川町子先生とは、ちょっとしたゆかりがあります。

戦時中にこの近辺に住んでいた町子先生は、アメリカの進駐軍の人達を西南学院中学部の先生宅に案内したと「サザエさんうちあけ話」の漫画内で描いていました。

銅像の左の看板には、そのエピソードについて描かれた漫画が紹介されていますので、見逃さないようにしましょう。

 

この場所は、サザエさんの歴史を語る上で欠かすことのできない場所です。
そうした場所をこのように大切に紹介してくれるのには、サザエさん好きとしては感謝しかないです。

サザエさんが好きなら、福岡に行った時に訪れても損はありません。

まとめ

今回は、福岡市百道浜から西新の間にある、サザエさん発案の地として知られる「サザエさん通り」を取り上げました。

サザエさん通りというと、東京世田谷の桜新町をイメージする方も多いと思いますが、福岡にもあったのは驚きですよね。
しかも、

  • 磯野家は元々福岡に住んでいた
  • 長谷川町子先生が福岡に暮らしていた
  • サザエさんのキャラクターは福岡の海を見ながら思い描いた

等等、福岡はサザエさんを語る上で欠かすことのできない街でもあるのです。

サザエさん通りには、サザエさん誕生の秘密や長谷川町子先生の生い立ちを知ることができるスポットが多くあるので、特にアニメでしかサザエさんを知らない人は一度訪れてみてはいかがでしょうか?

今まで知らなかったサザエさんの秘密が色々とわかりますよ!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 


 

 

 

 

 

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