沖縄県那覇市から浦添市までを運行している、沖縄唯一の鉄道路線「ゆいレール」。
2003年の開通から15年以上が経過し、すっかり那覇の街に馴染むようになりました。
那覇空港を起点に那覇市中心部を通り、浦添市までを結ぶゆいレールは地元の人だけでなく、観光客にとっても欠かすことのできない乗り物です。
- 那覇空港
- 国際通り
- 那覇バスターミナル
- 首里城
- 浦添城跡
といった観光地に道路の渋滞を気にせずにアクセスできます。
この記事では、そんなゆいレールの
- 歴史
- お得な乗車券
- 車両
- 沿線のおすすめ観光地
を紹介していきます。
今後沖縄旅行を考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
ゆいレールの開業までの簡単な歴史
正式名称「沖縄都市モノレール」と言い、沖縄唯一の鉄道として知られているゆいレールが開業したのは、2003年の8月でした。
最初に那覇空港〜首里を結ぶ路線として開業したゆいレールは、開業から16年後の2019年の10月に、新たに首里から浦添市のてだこ浦西まで延伸。
現在は那覇空港〜てだこ浦西間17kmを約35分で結びます。
沖縄がアメリカから返還された前後の1960〜70年頃から、沖縄県は経済発展が進みマイカーが普及。
それによって都市部では渋滞がしばし起こるようになり、社会問題となっていました。
これによって政府は、「沖縄振興開発計画」を推進。
沖縄県と国が共同となって、沖縄県に新しい鉄道を導入することが検討されるようになったのです。
色々議論された結果、モノレールを造ることに決定。
1982年に「沖縄都市モノレール株式会社」が設立され、本格的にモノレールの建設の計画が進んでいきました。
しかし、沖縄県民の間では交通手段が自家用車やバスが中心として定着しているため、
建設したところでモノレールなんて乗る人いるの?
という悲観的な声も一部から出ていました。
大正時代に「沖縄県営鉄道」という鉄道が那覇市を中心に運転していたことはありますが、その鉄道も太平洋戦争の戦局悪化で廃止。
これ以来沖縄では長く鉄道がない状態が続いたので、そうした意見が出て来るのは当然といえば当然なんでしょうが…。
それでも沖縄県や国への特許申請や、路線を開通するにあたって沖縄を走る路線バスの会社との交渉、モノレールのルート決め等、様々な交渉や申請を終わらせ、工事が着工したのは会社設立から14年後の1996年でした。
その後、モノレールの愛称も決定。
琉球方言でゆいまーる(ゆい=協働、まーる=順番 順番に労力交換をして相互で補助するという意味)から「ゆいレール」という愛称になりました。
工事中に、作業現場から不発弾が見つかったりするなどの困難はありましたが、2003年、見事にゆーレールは開通したのです。
ゆいレールは、那覇空港を拠点として那覇市中心部を結んでいることから、空港利用者の利用が多く、那覇空港がより市街地から近くなって便利になりました。
もちろん、通勤通学の足としても利用されていて、さらなる発展が期待されるモノレールです。
ゆいレールの車両の紹介
こちらが、ゆいレールの車両になります。
車両そのものはいくらかバージョンアップはされていますが、わずか2両しか編成はありません。
ただ、駅のホームは2両編成しか停車しないモノレールにしては広めに建設されていました。
将来的には、両数が増える可能性があるかも!
両数が少ないので、時間帯によっては通勤通学の人や、空港利用者の大きい荷物が車内に置かれてその分混雑する時のあるので注意が必要です。
ゆいレールの車内はこのようになっています。
綺麗で中々オシャレな造りでしたね。
前列の方はクロスシートが展望席のように設置されていました。
運よく座ることができれば、前方の景色をパノラマで満喫できます。
那覇市は丘陵地帯が多く、ゆいレールも道中かなりアップダウンの激しいルートを通るので、前方から見るとジェットコースターに乗っているような気分になりますよ。
ゆいレールの発車メロディーや走行中に流れる音楽は、全て沖縄民謡が採用されてます。軽快なメロディーが常に車内に流れるので、心地良く乗車することができます!!
ゆいレールの料金やお得な乗車券を紹介
こちらは、壺川駅の運賃表です。
初乗り運賃がなんと230円!!
名古屋市営地下鉄より20円高く、神戸市営地下鉄より10円も高いです(笑)
ただ、路線全体の運賃にそこまで大きな開きは無い感じですね。
那覇空港から終点のてだこ浦西までは、370円です。
ゆいレールの改札口です。
全ての切符にはQRコードがあって、改札通過時に機械にQRコードを当てれば改札を通過できます。
改札を出る際は、QRコードを当てて出口のところにある箱に切符を入れてください。
ゆいレールで購入できるお得な乗車券
ゆいレールでは、観光客をターゲットにした
- 1日乗車券
- 2日乗車券
が発売されています。
1日、2日乗車券を持っていれば、上の写真の施設において入場料が割引になるので、観光客には大変ありがたい切符です。
こちらの1日乗車券は、購入した日だけ使えるというものではなく、購入してから24時間、または48時間使用可能という優れものの切符。
切符に購入した時間が記載されているので、翌日または翌々日のその時間まで利用できるというシステムです。
こちらはゆいレールだけで使用できる乗車券ですが、
モノレールだけでなく、バスも利用したい!
そう思っている方には、那覇バスとの共通1日乗車券である「ぐるっと沖縄バスモノパス」を購入しることをおすすめします。
大人1,000円、子供500円で那覇市内全域を走る那覇バスとゆいレールが1日乗り放題です。
ゆいレールと交通系ICカード
ゆいレールでは、2014年から同じ年に誕生した沖縄独自の交通系ICカード「OKIKA」が使用可能になりました。
実は開業から長年に渡って、全国共通のICカード(Suica、Pasmoなど)は使用できない状態が続き、観光客等、沖縄県外から来た人にとっては不便な状態が続いていたのです。
その状況も、2020年の3月にようやく解消。
今では当たり前のように全ての交通系ICカードが使えます
ゆいレールの沿線にある見所を紹介
ゆいレールに乗ってしまえば、那覇市内の主な観光地は簡単にアクセス可能です。
沿線には見所がたくさんあるので、1日中乗り続けて楽しめます。
ゆいレールでアクセス可能な那覇の主要観光地は、
- 那覇空港(那覇空港駅)
- 国際通り(県庁前駅、牧志駅)
- 那覇バスターミナル&沖縄県立図書館(旭橋駅)
- 首里城(首里駅)
- 浦添城跡(浦添前田駅)
です。
ここからは、この4つのスポットの魅力をを1つ1つ紹介していきますので、是非参考にしてください。
ゆいレール沿線の見所その1 那覇空港
ゆいレールの起点駅で、名前の通り沖縄本島の空の玄関口である那覇空港の最寄り駅です。
方角的に日本の1番西に位置する駅ということで、日本最西端の駅として認定されています。
駅前には上記の写真のように、それを記すモニュメントがありました。
駅は那覇空港のターミナルと隣接しているので、ターミナルへは連絡通路を通ってアクセスしましょう。
駅から歩いて10分ほどのところは、ゆいレールの本社があります。
そこには入場無料のゆいレール展示館があり、沖縄の鉄道に関する歴史や、ゆいレールの完成までの苦労を学ぶことができます。
時間があれば、訪れてみましょう。
ちなみに、那覇空港駅の隣にある赤嶺駅は、日本最南端の駅として知られていますよ!
ゆいレール沿線の見所その2 国際通り(県庁前、牧志駅)
沖縄の観光地といえば、ここを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?
観光客の最も集まるスポットとして、無数のお土産店や沖縄料理の飲食店が立ち並ぶ国際通り。
那覇市随一の繁華街として、地元那覇市民の遊び場として長く愛されている場所でもあります。
国際通りへは、
- 県庁前駅
- 牧志駅
で下車すると便利です。
牧志駅で下車すれば、国際通りは目の前にあります。
それ以前からも、国際通りを通るバスは多くて交通の便は良かったのですが、ゆいレールの開業でわかりやすく便利になりました。
牧志駅から歩いて5分ほどのところには、牧志公認市場があります。
地元で取れた沖縄ならではの食材を売る市場を中心に、狭い路地にいい雰囲気の居酒屋が軒を連ねている、地元感満載のエリアです。
沖縄の人の暖かさに触れたいなら、必見の場所ですね。
牧志駅の隣にある安里駅の近くには、レトロで昔ながらの居酒屋が狭い路地にたくさん点在している栄町市場があり、沖縄の地元感を味わいたい方は必見です。
ゆいレールの沿線の見所その3 那覇バスターミナル&沖縄県立図書館(旭橋駅)
旭橋駅の目の前にある那覇バスターミナル。
ここは沖縄本島の街を結ぶバスが集結する、那覇市の交通の拠点です。
このバスターミナルは2018年にリニューアルされ、地上3階建てのショッピングモールOPAになりました。
このビルの2階には、沖縄路線バス周遊パスや美ら海水族館のチケットを購入できる観光案内所、3階には県立図書館があります。
県立図書館は3階〜5階までを占めていて、読書がてら休憩するには最適の場所です。
以前のバスターミナルは、無機質なコンクリートの乗り場だけがあるスタイルでしたが、リニューアルを機に全く新しいバスターミナルへと生まれ変わりました。
上にある写真は、バスターミナル内の待合室です。
ファミリーマートが併設されていて、コンセント付きのイートインスペースもあります。
長いバスの待ち時間でも、快適に過ごせるバスターミナルです。
街歩きに疲れたら、喫茶店代わりに利用するのも良いです。
冷房も効いていて暑さも凌げます。
待合室の大画面には、沖縄の名所をバスでの行き方を交えて紹介するビデオが流れていますので、ぜひ参考にしてみましょう。
ゆいレールの沿線の見所その4 首里城&玉陵(首里駅)
沖縄を代表する観光地で、世界遺産にも指定されている首里城。
ゆいレールの首里駅から徒歩15分のところにあります。
琉球王朝があった14世紀頃に建てられた城で、政治、外交、文化の中心として美しい朱色に輝いたその姿は、まさに沖縄のシンボルともいえる存在です。
しかし、本当に残念なことに2019年に火災が発生し、正殿等の主要の建造物が全焼してしまう悲劇に見舞われてしまいました。
正殿等は無くなってしまいましたが、現在でも普通に城内は見学可能となっています。
正殿があった場所は、このように見学通路が設置されています。
世界遺産に認定された首里城遺構は、奇跡的に火事の影響を受けずにいたので、ガラス越しに見ることができました。
他にも、首里城の復興に向けての動きを紹介したり、今回の火事で奇跡的に無事だった首里城正殿の大龍柱が展示してあります。
有料エリアへの入場料金はこちら
大人 | 高校生 | 小中学生 | 6歳未満 |
400円 | 300円 | 160円 | 無料 |
ゆいレールの1日、2日乗車券を持っている人は大人320円、高校生240円、小中学生120円で入場できます。
そして、首里城公園の隣にある玉陵(たまうどぅん)も忘れてはいけない首里の名所です。
1501年に、当時の琉球国の王である尚真王(しょうしんおう)が父親である尚円王の遺骨を納めるために建てたお墓で、尚氏一家の陸稜になっています。
1945年の沖縄戦で大きなダメージを受けてしまいましたが、70年代に修復工事を行い復元に成功。
2000年には首里城らと共に世界遺産に認定されました。
大人300円、子供150円で入場できます。
ゆいレール沿線の見所その5 浦添城跡(浦添前田)
ゆいレールの終点の1つ手前の駅、浦添前田駅から歩いて10分ほどのところにあるのが、浦添城跡です。
険しい丘陵地に位置するこちらの城跡は、12世記初等から約220年にわたって拠点として君臨した城で、琉球文化を語る上で重要な城でした。
綺麗に積み上げられた石垣が美しいです。
丘の上からは、浦添市や東シナ海、普天間基地が見える展望台になっています。
ここまでたどり着くまでに、石畳の急な坂が続き体力を消耗しやすいです。
夏場は、水分など準備を欠かさないようにしましょう。
まとめ
今回は、沖縄唯一の鉄道であるゆいレールを取り上げてみました。
那覇市から浦添市を走るゆいレールは、上手く利用すれば那覇市の観光名所を効率良く回ることができます。
- 那覇空港
- 那覇バスターミナル
- 首里城
- 国際通り
といった主要な観光地にも簡単にアクセスができ、1日、2日乗車券も販売しているのでそれらを利用すれば入場料が割引になったりと大変お得です。
渋滞の酷いことでも知られる那覇市ですが、ゆいレールを使えば渋滞に遭遇することはありません。
スムーズな移動をするなら、ゆいレールは大変おすすめです。
沖縄旅行の際は、ぜひ利用してみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。