【プレミアムシート乗車記】近鉄ひのとりは日本最強の私鉄特急でした

鉄道

日本で最大規模の営業距離を誇る近畿日本鉄道こと近鉄。

中でも特急電車のクオリティには定評があって、2府(大阪、京都)3県(愛知、奈良、三重)を快適な車両とスピードで網羅しています。

そんな近鉄に2020年3月、新たな特急電車が誕生しました。

その名は「ひのとり」。

近鉄名古屋〜大阪難波間を約2時間で結び、真っ赤な美しい外観と、抜群の快適性を持つシートと設備を兼ね備えているので、新幹線で移動するよりも快適な時間を過ごせます。

 

うーん、でもなんだか敷居が高くて乗りにくい感じがする。

そう思う人もいるでしょうが、決してそんなことはありません!

特急ひのとりは予約すれば誰でも気軽に乗れて、かつ新幹線よりお手頃な値段なので、乗る価値は存分にあります。

中でも、プレミアムシートは特に快適で、乗客の願いを全て満たしたような究極のシートです。
この記事では、そんな近鉄特急ひのとりの魅力をプレミアムシートを中心に、

鉄道ファン歴30年の私松井ひろたかがレビューします。

特急ひのとり知りたい方は必見です。

 

 

特急ひのとりとはそもそもどんな特急か?

 

 

特急ひのとりは近鉄特急の最高レベルの甲特急で、名古屋〜大阪間を約2時間で結ぶ特急です。
途中の停車駅は、津、大和八木(一部の電車)、鶴橋、大阪上本町にしか停車しないので、同じ名古屋〜大阪を走っているアーバンライナーより早く到着できます。(アーバンライナーは約2時間20分)

甲特急とは、ひのとりのような特定の駅にしか止まらない特急のことで、乙特急は甲特急より多くの駅に停車する特急のことを言います。

ひのとりは、

  • ビスタカー(2階建電車)
  • あおぞら(旧団体用電車)
  • 楽(現団体用電車)
  • 伊勢志摩ライナー
  • アーバンライナー(名古屋〜大阪)
  • さくらライナー(大阪阿倍野橋〜吉野)
  • 青の交響曲(シンフォニー)(大阪阿部野橋〜吉野)
  • しまかぜ(大阪、京都、名古屋〜賢島)

といった名列車を輩出してきた近鉄特急の最高傑作です。

くつろぎのアップグレード

をテーマに、これまでにないほどの快適性にこだわっています。

ひろたか
ひろたか

「ひのとり」と言う名前は、赤い鳥が翼を大きく広げて空を飛んでいるように見えることから命名されました。

正直なところ、名古屋〜大阪の所要時間だけを見たら新幹線の方が有利です。(ひのとり 2時間、新幹線 50分)

しかし、ひのとりはそんなことも忘れてしまうくらいの快適性を備えています。
大阪の中心街、難波に直接アクセスできるので、観光や出張にも便利です。

特急ひのとり 予約方法

 

 

特急ひのとりの座席は、乗車予定日の2週間前から近鉄のHP、または駅の窓口で販売されます。

購入するなら、HPからの予約がおすすめです。

  • チケットレスで予約ができる
  • 座りたい座席を選べる
  • 会員にならなくても購入可能

と、大変便利。

購入を押して乗りたい電車を指定して検索すれば、空席状況が一目でわかります。

乗りたい電車を選択し、座席の種類と希望する座席の位置を選んで、クレジットカードの情報を入力すれば簡単に購入完了です。

 

ちなみに、ネットで購入できるのは特急券だけなので注意しましょう。

乗車券は、乗車当日に駅の自販機、または交通系ICカードを利用します。

もしキャンセルしたくなった時も、HP上で簡単にできるので便利です。

 

特急ひのとり プレミアムシート 

 

 

最初に紹介するのは、今回の旅で僕が乗車したプレミアムシートです。

プレミアムシートに座るには、特急券の他にプレミアム料金が必要になります。(参考までに名古屋〜難波間は900円、名古屋〜津間は600円です)

 

各先頭車両の2両だけ完備されている3列のシートで、全ての席に1つずつコンセントが完備していました。

他にも全ての座席に空気清浄機が取り付けてあったり、窓ガラスにも景色を眺めやすいように紫外線をカットした特殊なガラスを使用するなど、あちらこちらに近鉄のこだわりが詰まったシートです。

 

 

先頭車両の最前列に座ると、目の前に前方の景色を見ながら快適に移動ができます。

運転手の仕事ぶりを見れたり、前方にいることでカーブや登り降りの坂の高低差も一眼でわかるので迫力満点。

なんだか大きなスクリーンで映画を見ているかのような感覚になりました。

 

 

運転席は、最新の設備が備わっていて、しかもかなり広かったです。
ここから見ると、宇宙船を操縦しているかのようでしたね。

このような絶景を楽しめるので、プレミアムシートの最前列は発売初日から争奪戦になります。

 

ひろたか
ひろたか

僕も発売当日に購入しましたが、アクセスした時点ですでに最前列は売り切れてました。

運の良いことに僕は前から2列目の席を購入できましたが、週末や長期休みの時は売り切れる可能性もあるので、早めに購入しましょう。

それでは、プレミアムシートを紹介していきます。

 

特急ひのとり プレミアムシートの設備

 

 

ここからは、プレミアムシートの設備について順に紹介していきましょう。
近鉄電車が、総力を上げて乗客のあらゆる悩みを解決するために開発した本革を使用したシートです。

さてどんなものなのか、見ていきましょう。

ひのとりプレミアムシート バックシェル

 

 

席に座って前方を見てみると、何やら気になるものが席の後ろについていました。

こちらは、バックシェルという設備です。

近年夜行バスでも採用されている設備で、後ろの人のことを気にせずにシートを倒せる仕組みになっています。

これによって、後ろの人を意識しないで自由にリクライニングを倒すことができるので、倒す際に声を掛けたりなど余計な気遣いをする必要はありません。

 

 

一番後ろまで倒すと、このような感じ。
なのでストレスを感じず快適に過ごすことができました。

ひのとりプレミアムシート 前の席との間隔

 

 

今度は足元を見て、前の座席との間隔を見ていきましょう。
とにかく前との間隔が驚くほど広いです。

身長170cmの僕が椅子に座って思いっきり足を伸ばしてみましたが、それでもまだ余裕があるくらいでした。

 

 

足元には、リクライニングと同時にフットレストがせり出してくるので、ベッドに寝ているかのような感覚になれます。

 

 

リクライニングなど、一連の操作は肘掛けのところにあるリモコンを押して動かします。
リモコンは上から順番に、

  1. 読書灯
  2. リクライニングとフットレストの調整
  3. リクライニングのみの調整
  4. シートヒーター
  5. フットレストの調整

となっていて、誰が見てもわかりやすい形になっています。

シートのヒーターは、背中が暖かくなるので冬場の乗車でも安心です。

ひのとりプレミアムシート  その他の設備

 

 

その他の設備も見ていきましょう。
テーブルは、横の肘掛けから出します。

ちょっと大きめでかつ重さがあるので、取り出す際に怪我しないように気をつけましょう。

 

 

続いて読書灯です。
リクライニングを操作するリモコンの1番上にある電球のボタンを押せば、電気がつきます。

 

 

ヘッドレストは、高さをお好みで調整できるのはもちろん、角度を自由に調整できる仕組みになっています。

手で簡単に折り曲げることで、自分にあった形のヘッドレストにすることができるので、長時間の乗車の際はありがたい設備です。

元の状態に戻すのも簡単でした。

窓の右側にある上下の矢印ボタンは、カーテンをコントロールするボタンです。
ボタンを押すだけで、カーテンを開けたり閉めたりできます。

この他に、座席の右側の肘掛けのカップホルダーのところには、スマホ等を充電できるコンセントも装備してますので便利です。

 

そんなわけでプレミアムシートは、乗客が特急電車に要求していることの全てを満たしているかのようなシートです。

名古屋〜大阪までだったら、乗車券+特急券+900円のプレミアム料金と多少お金はかかりますが、それを補うだけの設備は十分に備わっているので、一度は乗車してみることをおすすめします!

 

特急ひのとり スタンダードシート

 

 

せっかくなので、スタンダードシートの方も紹介していきましょう。
特急ひのとりでは、1番前と後ろの車両以外は、全てこのスタンダードシートを採用しています。

 

スタンダード車両は、プレミアムシートと同様に特別料金が特急料金と加算されますが、プレミアムよりは安い設定です。

名古屋〜津 100円  名古屋〜鶴橋、大阪上本町、大阪難波 200円
大阪難波、大阪上本町、鶴橋〜津 100円
実際に座って見ると、プレミアムシートに負けず劣らず快適なシートでした。
プレミアムシートほどではありませんが、十分に前の席との間隔は広かったです。
前方にあるフットレストは、自由に高さを調整できるようになっていました。
全ての席には、プレミアムシートと同様にバックシェルが設置されていました。
後ろの人を気にして席を倒す必要は、全くありません。
この他にもプレミアムシートと同等の設備として、
  • 全席コンセント完備
  • 空気清浄機完備
  • 窓ガラスに紫外線をカットできる特殊ガラスを導入
の3つがあります。
スタンダードシートでも、十分な高級感を味わうことができるのでおすすめです。

特急ひのとり 車内設備

 

 

今まで紹介してきた快適なシート以外にも、ひのとりには長い旅を十分に満喫できる車内設備がいくつかありました。

正直、

えっ、こんなのがあるんだ!

と驚くくらいの設備が目白押しで、やはりここでも近鉄の特急電車への深いこだわりを知ることができます。

というわけで、紹介していきましょう。

 

特急ひのとり コーヒーマシーンと軽食販売の自販機

 

 

まず紹介するのは、コーヒーマシーンと軽食の自販機です。

写真左側にあるのが、コーヒーマシーン。
最初に横にあるカップを引き抜きマシンにセットして、200円を投入すれば美味しいコーヒーが出てきます。

カップもひのとりにちなんで深い赤色でした。

 

 

コーヒーマシーンの隣にある自動販売機では、

  • SOYJOYやクリームブランといったスナック類
  • 卵スープ、ココア、紅茶といったお湯を利用して飲むホット飲料
  • ひのとりオリジナルグッズ

を販売しています。

お湯は、横のコーヒーマシーンから無料で出てくるお湯がありますので、カップにティーバックなどを入れてお湯を入れて飲みましょう。

特急ひのとり ベンチスペース

 

 

2号車と5号車には、日当たり良好のベンチスペースがあります。

広い窓の前に座りながら、先程紹介したコーヒーマシーンで注いだコーヒーでも飲んでリラックスするのもいいです。

シートに座るのに飽きたら行ってみましょう。

 

特急ひのとり 多目的トイレ

 

 

トイレはこちらです。
男性用、女性用と、写真に写っている多目的男女兼用のトイレと3種類あります。

多目的トイレには、乳幼児用のオムツ替えシートはもちろん、オストメイト(人口肛門)の人の為の洗浄設備も整っていて、かなり時代を先取りしたトイレでした。

 

特急ひのとり 無料ロッカー

 

 

1号車〜3号車(6両は5号車と6号車で、8両は7号車と8号車)には、無料で使用できるロッカーがありました。

ひのとりのプレミアムシートは、大きめのキャリーバックやスーツケースを席の上の棚に乗せにくいという難点があります。
僕も実際にバックパックを乗せてみたら、上手くのせることができませんでした。

そういう時は、こちらのロッカーを使用すれば荷物を簡単に収納できるので便利です。
実際にロッカーのサイズはかなり大きく、キャリーバッグだったらあっさり中に入ります。

ちなみにロッカーには、交通系ICカードを鍵にするタイプと、普通の鍵を使用するタイプの2種類がありました。

混雑すると、すぐに埋まってしまうので、大きな荷物があるのなら早めにロッカーに入れてしまいましょう。

ひろたか
ひろたか

一部の車両には、成田エクスプレスなどの空港用特急のように、大きな荷物が置けるスペースもありますので、そちらも利用してみましょう。

まとめ

というわけで、今回は近鉄特急のひのとりのプレミアムシートを中心に、いかに素晴らしい特急電車なのかというのを紹介してきました。
特にプレミアムシートは、
  1. バックシェルが設置されていて、リクライニングを自由に倒せる
  2. 最前列に座れば、前面展望の景色を満喫できる
  3. 1つ1つの席にコンセントがついている
  4. 足元が広く、ゆとりがある
という、至れり尽くせりのシートなので、追加料金を支払っても座ってみる価値は十分にあります。
近鉄のHPで気軽に切符も購入でき、本数も1時間に1本と多いので、名古屋〜大阪間を新幹線よりも快適に移動できるのでおすすめです。
いつもと違った旅行をしたい方は、ぜひひのとりを利用してみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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