お手軽な料金でワンランク上の特急電車に乗ってみたい!
今回は、こんな密かな願望を持っている人の思いに答えていきます。
これまで様々な特急車両に乗ってきた僕が、今回おすすめしたい高級列車は、近畿日本鉄道(近鉄)が運転する「青の交響曲(シンフォニー)」です。
大阪府の阿部野橋駅から、奈良の吉野駅までを結ぶ青の交響曲。
通常の特急よりワンランク上の快適性を持ち、奈良の四季折々の自然にマッチングした美しい外観の紺色車両に乗れば、優雅な旅を満喫できること確実です。
今回の記事では、そんな青の交響曲の乗車記を書いていきます。
ぜひご覧ください!
目次
青の交響曲 基本情報
青の交響曲は、近鉄南大阪線の大阪阿部野橋と近鉄吉野線の吉野駅を結ぶ観光特急です。
通常近鉄特急といえば、ビスタカーに代表されるツートンカラーが有名ですが、青の交響曲はそれらの特急とは違う高級感のあふれる濃紺の車両を採用しています。
歴史に溢れ、四季折々の自然が豊かな奈良の大地を走るのにふさわしい色として選ばれたのがこの色なのです。
「ゆったりとした時間を楽しむ、上質な大人旅」をコンセプトに上げている青の交響曲。
「青の交響曲」というネーミングについて、近鉄のHPではこのように語っています。
これまでにない「上質な大人旅」にふさわしい癒しと寛ぎをお届けする新たなコンセプトの観光特急として「青の交響曲」と名付けました。
奈良県の吉野町といえば、春に咲く桜や吉野神宮や、世界遺産の金峯山寺や吉水神社など、観光地として有名な場所です。
青の交響曲の利用客は主に中高年をターゲットにしていて、古代ロマンあふれる奈良県を非日常の特別な雰囲気を持つ列車で、満喫してほしいという近鉄の思いが込められています。
青の交響曲 運行日
青の交響曲は、観光特急ということで運転本数は限られています。
大阪阿部野橋〜吉野間の時刻表は以下の通り。
大阪阿部野橋発:10時10分、14時10分
吉野発:12時34分、16時04分
このように、1日2往復だけの運行となっています。
基本的に、毎週水曜日が運休となるので注意しましょう。
なお、桜シーズンやGW、年末年始やお盆休みには臨時電車として水曜日に運行する場合もありますので、詳しいスケジュールは近鉄のHPで確認することをおすすめします。
特急券のシステムと予約方法
青の交響曲の席の予約は、他の近鉄特急と同様に近鉄のHPや、駅の窓口、自動販売機で購入することができます。
購入方法は、
- 「会員登録せずに特急券を購入する」をクリック
- 「購入開始」をクリック
- 乗車日時と時間を合わせて検索し、青の交響曲を所をクリックし、座りたい座席と位置をクリック(○か△ならチケットあり、×なら売り切れ)
- 個人情報やクレジットカード情報を入力
以上がHP購入の基本手順です。
HPで購入する場合は、購入後に送られてきた特急券の情報が、そのまま特急券となります。
乗車券はついてませんので、当日券売機やICカードを使って改札を通りましょう。
近鉄では、特急券の発売は乗車日の2週間前からスタートするので、席を購入する際は自分の乗りたい日の2週間前なに合わせてHPにアクセスすることをおすすめします。
しかし、桜シーズンを含む長期休みの時期は、大阪阿部野橋〜吉野間の席はどの席もすぐに完売してしまい、購入は難しいです。
もしどうしても購入したいのであれば、途中駅まで急行電車で行き、どこかの停車駅で青の交響曲に乗り換えるか、大阪阿部野橋〜橿原神宮前間は比較的購入しやすい場合があるので、そこを狙ってみるのもありだと思います。
僕は大阪阿部野橋〜吉野間のチケットが購入できなかったので、橿原神宮前〜大阪阿部野橋間で検索してみたら、チケットが購入できました。
3両編成で、席数が限られているので観光シーズンは難しいですが、オフシーズンなら週末でも比較的空席がある場合があります。
どうしても乗車したいなら、閑散期を狙ってみるのもいいかもしれません。
ちなみに、青の交響曲に乗車する際には、特急券の他にデラックス料金として210円がかかりますので、注意しましょう。
青の交響曲 車両の紹介
改めまして、こちらが青の交響曲の車両です。
ボディの色は紺色で、とても重厚な外観です。
先頭のエンブレムの下にある飾りは、吉野の山の木や草花を表しています。
側面は、まるでヨーロッパの高級列車のような佇まいをしています。
金色のラインと「Blue Symphony」と金色で書かれた文字が、美しいく輝いていました。
青の交響曲の走るルートは、奈良の美しい大自然。
緑の景色にしっくりとくる雰囲気で、「上質な大人の旅」にふさわしい外観ですね。
車内のレトロ調の照明には、電球色のLEDを採用しています。
ちなみに、電車が到着した際とホームに停車中には、駅構内に交響曲のBGMが流れ続けます。
このBGM、旅行への高揚感を引き出してくれる最高の演出であり、聞くだけで胸踊ること間違いなしです。
こんな豪華な電車、停車駅は限られているの?
と思うかもしれませんが、実は途中の停車駅は同じ大阪阿部野橋〜吉野間を結ぶ
- さくらライナー
- レギュラー特急
と全く同じであることも、付け加えておきましょう。
【さくらライナーとレギュラー車】近鉄南大阪線の特急の違いを比較しました
続いて、車内の座席を紹介していきます。
座席紹介
こちらが、青の交響曲の座席です。
高級感を演出した車内となっていて、壁灯やメタリックのボーダー板を使用しています。
床の絨毯は、高級ホテルをイメージで京都の丹後緞通(たんごだんつう)を採用したデザインです。
全部で3両編成で、客席は1号車と3号車の2両だけとなってます。
座席のタイプは、
- デラックス席(計29席)
- ツイン席(計6席)
- サロン席(計5席)
の3タイプです。
写真手前の2人がけで席が向かい合っているのがツイン席、4人がけで向かい合っているのがサロン席になります。
グループ旅行を計画しているなら、迷わずこちらの席を予約しましょう。
それで実際、青の交響曲のシートはどのような感じなのでしょうか?
1人がけ席のデラックスシートを見ていきましょう。
見た目から高級感が伝わってくるこちらの席、実際に座ってみるとまるでヨーロッパ鉄道の1等車の席を彷彿する快適さで、座った瞬間包まれるような気持ちの良い感触でした。
座った時の目線がこちらです。
テーブルは、美しい木目をしていて、丈夫な作りをしていました。
前との座席間隔は、拳4.5個分と十分すぎる広さです。
これまで、
- ユーロスター
- タリス
- ICE
- Rail Jet(オーストリア)
と、ヨーロッパの素晴らしい鉄道の一等車に乗車しましたが、青の交響曲はそれらに匹敵するほどの快適な席でした。
間違い無く、世界に誇れる観光特急だと言えます。
肘掛けの横にも、テーブルは備え付けてありました。
また、スマホやパソコンを充電できるコンセントもあり、バッテリーが切れそうだと悩んでいる時はとても助かります。
ラウンジスペース
続いて紹介するのは、2号車のラウンジ車両です。
こちらもまるでヨーロッパの鉄道のラウンジカーを彷彿とさせる高級感漂う造りで、座り心地の良いソファーと椅子が快適な旅を演出します。
ソファーから見たラウンジカーの車内です。
なんだかお金持ちになった気分になりますね。
ソファーはこのような感じです。
自然光に近い状態の照明と、電車の動く時の軽快な音が、旅の気分を盛り上げてくれます。
ラウンジには売店もあり、飲食をしながら寛いだりすることもできるので、次の章で解説していきましょう。
飲食物の紹介と青の交響曲オリジナルグッズ
ラウンジ内にあるこちらの売店では、飲食物や近鉄が開発した青の交響曲オリジナルグッズを発売しています。
まず最初に、飲食物のメニューから紹介します。
青の交響曲沿線の、奈良県の名産品を存分に使用したスイーツやアルコールが売られてました。
吉野の柿や柿の葉茶、吉野梨を使用したスパークリング・ハイボールやリキュール、地酒など、奈良の味を満喫できます。
注目なのは大阪マリオットホテル都のオリジナルケーキ(1,100円)です。
季節のオリジナルケーキにコーヒー又は紅茶が付いてこの価格ですが、実は密かに大人気のこちらのケーキ。
季節のケーキということで、季節ごとに使用するフルーツが変わるのかもしれません。
高級感漂うラウンジで、ケーキを味わってみてはいかがでしょうか?
その他はこちらです。
お食事やお土産、青の交響曲のオリジナルグッズも販売されてました。
カレーには大和の肉鶏や定番の柿の葉寿司や葛を使用した豆腐など、簡単な昼食を満喫できます。
オリジナルグッズで気になるのは、ホッチキスでしょうか?
よくこのような商品を思い付いたな、と思わず感心してしまいました(笑)
御朱印手帳は奈良らしくて、デザインもお洒落で良さそうです。
気に入ったものがあったら、気軽に注文してみましょう。
ミニライブラリー
ドアの横のデッキには、このようなミニライブラリーがありました。
座席に座っているのに飽きてきたら、ここに来て読書を楽しむのもありです。
置かれている本の内容を確認してみると、主に青の交響曲の走る沿線の観光に関する本が置かれていました。
観光地に訪れる前に本を読んでもらって、旅の気分を高揚してもらうという狙いがあるのでしょうか?
少し厚めの奈良古墳や遺跡に関する写真集みたいな本も置いてあって、冊数は多くありませんが読み応えのある本が置いてあります。
本棚の向かい側には、このようなお洒落な木製ベンチがありました。
ベンチに座りながら、読書も楽しむのもいいかもしれませんね。
デッキ
こちらが、青の交響曲の車両間のデッキです。
床や壁の色は上品な作りで、高級感を演出するのと同時に滑り止めのために床にはウレタン樹脂が採用されています。
窓の所にある手すりも含めて、何気ないことですが近鉄のおもてなしの心を感じますね。
近鉄特急はデッキを広めに作ってある電車が多いのですが、この青の交響曲も例外ではありません。
トイレは多目的トイレの機能を持っていて、車椅子の乗客にも優しい設備となっています。
このトイレから扉を挟んですぐの所が車椅子スペースになっていました。
もう一度言いますが、こうした細かな心配りが近鉄の素晴らしい所です。
こちらが洗面所です。
木目調の壁が美しく落ち着いた造りになっています。
洗面所の横にはおしぼりが設置されていました。
近鉄特急の洗面所には、どの特急列車にも必ずおしぼりがついているのが定番で、とてもありがたいサービスです。
まとめ
今回は、近鉄の観光特急青の交響曲の乗車記から、青の交響曲がどんな特急列車なのかを紹介していきました。
運転本数が少ないのと、座席数が少ないのでチケットを購入するのが難しい時がありますが、その高級感あふれる座席の乗り心地は、生涯忘れられない思い出としてあなたの胸に刻まれることでしょう。
通常の特急券と乗車券+210円のデラックス料金というお得な料金設定で、快適な特急の旅を満喫できる青の交響曲。
奈良へお越しの際はぜひ利用してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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