長崎の異国情緒あふれる場所に行ってみたいんだけど、どこが良いかな?
今回の記事では、このような悩みに答えていきます。
長崎市で最も異国情緒を感じさせる場所は、グラバー園の近くにある東山手地区という所です。
前回前々回と、2回に渡って長崎観光のモデルコースを地区ごとに紹介していきましたが、今回が最後の3回目になります。
長崎の東山手地区は、明治時代にかけて外国人の居留地となった場所で、街には領事館などに使用された洋館がたくさん立ち並んでいて、異国情緒満載な場所です。
急な坂が多いので歩くのは大変ですが、長崎の発展の歴史を語る上でも大事な地区なので、見所はたくさんあります。
僕がおすすめする東山手地区の散策順は、
↓
② 孔子廟
↓
③大浦天主堂
↓
④四海楼
目次
東山手地区はどこにあるのか?
東山手地区は、長崎市電5号線の石橋〜メディカルセンター電停の沿線にあたります。
中華街や、浜町の観光通りから簡単にアクセスすることができるので、アクセスは容易です。
ただしここは、急な坂を登っていかなければならないので、かなり体力を消耗します。
散策の際は、決して無理をせず休み休み歩いて行きましょう。
長崎東山手地区散策① オランダ坂
「坂の街」と言われる長崎市には、急な坂が数多くあります。
最初に紹介するこのオランダ坂は、かつて外国人居留地だったところに位置する坂です。
なぜオランダ坂と呼ぶようになったのかと言うと、鎖国時代に出島に多くのオランダ人が住んでいたこともあって、長崎の人々は欧州から来た外国人のことを、
「オランダさん」
と呼んでいたことから、この様に呼ぶようになったと言われています。
そんなオランダ坂は、市電5系統の終点「石橋電停」から徒歩3分のところにある坂です。
坂の入り口には看板があって、かなりの急坂になっているので行けばすぐにわかります。
坂を上がってすぐのところには、東山手街並み保存センターという、居留地時代の住宅が保存されている一体になっています。
そこには現在、
- 東山手地球館(レストラン)
- 古写真埋蔵資料館(幕末から明治にかけての居留地の様子を写した貴重な写真を展示)
- 長崎埋蔵資料館(国産陶器などの様々な遺物を展示)
が開設されていて、自由に見学ができます。
こちらは、古写真埋蔵資料館の建物です。
このように明治初期に建設された建物がそのまま残っているのは、全国的にも珍しいとのこと。
屋根瓦も、芸術的といっていいほど美しい状態で保存されていました。
資料館の入場料は共に大人100円、小中学生50円です。
あまり人が多く無いので、ゆったり鑑賞できます。
保存センターを後にしたら、そのままオランダ坂を直進していきましょう。
だんだんと下り坂になっていき、やがて道は平面へと変わります。
保存センターからオランダ坂を5分ほど歩いて到着するのが、こちらの東山手甲十三番館です。
こちらも旧居留地を代表する建物の一つで、建物の中にはカフェや雑貨を売るお店がありました。
歩き疲れたら、ここで休憩していきましょう。
2Fに上がって、室内を見学することも可能です。
入場は無料となっています。
また十三番館の奥の方には、東山手地区で1番古い建物と言われている東山手十二番館という建物があり、無料で自由に見学することが可能です。
かつてはロシア領事館やアメリカ領事館、宣教師宅として使用された建物で、現在は長崎市に買い取られ、旧居留地の私学の歴史資料館になっています。
この場所を過ぎればオランダ坂は終了。
左に曲がれば、お洒落な雰囲気のオランダ通りという商店街に入ります。
オランダ通りを入って右側を見ると、いかにも明治時代に建てられたであろう赤レンガの建物が姿を現しますので見て行きましょう。
明治後期の貴重な洋風建造物として有名な、旧長崎英国領事館の建物があるので見ていきましょう。
ただし、中を見学することはできません。(2021年現在補修工事中)
続いて紹介する見所は、孔子廟です。
長崎東山手地区散策② 孔子廟(こうしびょう)
オランダ通りを歩いて、シーマンズ通りに差し掛かったら左に曲がり、真っ直ぐ行った突き当たりに孔子廊通りがありますのでそこを右に曲がって真っ直ぐ進みます。
しばらく歩くと、写真の様な中国式の寺院が。
こちらが、第2の目的地孔子廊です。
1893年に、中国政府(当時の清)と在日華僑の人達によって建てられた寺院で、中国の思想家で「論語」の著者としておなじみの、孔子の遺品が納めてあります。
廟(びょう)とは、死者の霊を祀るために建てられた建物のことです。
色鮮やかな朱色の建物で、住宅街の中で一際目立っていました。
孔子廟の2階、3階フロアには、
- 中国の国立博物館に展示されている国宝級の展示物
- 孔子に関する生い立ちや資料
- 孔子廟そのものの歴史
- 孔子像や石板に書かれた論語の文章
など、孔子にまつわる様々展示物を鑑賞できます。
長崎の華僑文化や、中国に興味のある人はぜひ訪れてみましょう。
ちなみに入場料は、
- 大人 600円
- 高校生 440円
- 小中学生 330円
となっています。
孔子廟の場所はこちらです。
オランダ坂からでも徒歩5分ほどで到着します。
続いては、路面電車の線路の方へ行き、大浦天主堂を目指しましょう。
長崎東山手地区散策③ 大浦天主堂
次に紹介するのは、こちらの大浦天主堂。
長崎市電の「大浦天主堂」電停から、お土産店が立ち並ぶグラバー通りを歩いて突き当たりの所にあります。
大浦天主堂は、日本で現存するキリスト教会で最古の歴史を持つ教会で、国宝に指定されている由緒ある教会として有名です。
原子爆弾の爆心地から離れているため、爆発の被害から被害をほとんど受けず、完成した時の状況のままで残っています。
元々この教会は、1597年に殉教した日本二十六聖人に捧げるために建てられた教会で、建物は下の写真の長崎駅前にある二十六聖人の殉教地に向かって建てられました。
2018年、大浦天主堂は「長崎と天草の潜伏キリシタン関連遺産」の一つとして、世界遺産登録されました。
登録された理由は、江戸幕府によってキリスト教が厳しく弾圧されていた頃、多くの潜伏キリシタンによって信仰の証とされ、大切にされてきた教会だからです。
入場料は1,000円と高めに設定されています。(併設されている博物館を含む)
そして神聖な宗教施設という事で教会内の撮影は禁止となっているので要注意です。
1,000円の入場料も、世界遺産であり、カトリック教徒の人達の聖地でもあるので、保存の為と思えば安い入場料かもしれません。
天主堂の隣にはグラバー園の第1ゲートがあるので、天主堂を見学して時間があるなら、グラバー園にそのまま訪れてみるのもおすすめですよ。
長崎東山手地区散策④ ちゃんぽん発祥の店 四海楼
歩き回ってお腹が空いてきたら、必ずこのお店に行きましょう。
市電大浦天主堂電停の近くに堂々とそびえ立つ中華風のビルディング。
ここは、長崎名物でお馴染み長崎ちゃんぽんと皿うどんを最初に出した四海楼という中華レストランです。
このビルの5階は、長崎港を一望できるレストランになっていて、ちゃんぽんや皿うどんの他に、多彩な中華料理に舌鼓を打つことができます。
正面の階段を登っていって、右側にあるエレベーターで5階まで登っていきましょう。
レストランの窓からは、このように美しい長崎港や稲佐山を、巨大なガラス越しに見ながら食事を楽しめます。
今回僕が注文したのは、こちらの長崎ちゃんぽんです。
初代店主の陳平順によって開発されたちゃんぽんは、濃いめながらあっさりとしたとんこつ風味のスープと、柔らかめの中太麺の他に、イカや蒲鉾などの魚介類や野菜、錦糸卵といったたっぷりの具が美味しさを引き立ててくれます。
正直言って、僕は今まであまりちゃんぽんを食べたことが無かったのですが、これを食べてみた事で
こんなに美味しいんだ!!
と気づかせてくれましたね。
野菜も多くて栄養価も満点で、あっという間に完食してしまいました。
ちゃんぽんってどうも苦手だな。
と思っているなら、騙されたと思って食べてみてください。
きっと満足できますよ!
さて、お腹いっぱいになったらエレベーターで2Fに降りて、こちらに足を運びましょう。
ここは、入場無料のちゃんぽん歴史資料館。
四海楼のちゃんぽんや皿うどんの誕生の秘密や、貴重な展示物や写真から四海楼の歴史や長崎の華僑文化に関する展示など、小さい博物館ですが見応えがあって必見の博物館です。
こちらでは、ちゃんぽんと皿うどんのルーツ料理名の由来の解説と、四海楼で使用していた器や調理道具など、四海楼の創業からの歴史が紹介されていました。
また、創業者の陳平順の生い立ちに関する展示もあります。
陳平順は、中国の福建省の出身。
長崎で苦労に苦労を重ねた彼の波乱万丈の人生を学べます。
元々ちゃんぽんと皿うどんは、当時長崎に多くいた中国からの留学生の食生活が劣悪だったことを嘆いた陳が、彼らに栄養価の高い御馳走を食べさせてあげたい!と言う願いによってできた料理なのです。
明治時代に留学生の為に開発された料理は、100年経った今でも多くの人に愛されています。
そう思うと、陳平順もトーマス・ブレーク・グラバーと同様に長崎の発展に欠かすことのできない偉大な人物と言えるではないでしょうか。
まとめ
今回は、長崎の中でも異国情緒あふれる地域で、明治時代外国人居留地としての役割を果たしていた東山手地区の散策コースを紹介してきました。
本日紹介した散策コースはこちら。
↓
②孔子廟
↓
③大浦天主堂
↓
④ 四海楼
坂道が多く、散策には少々きつい場所ではありますが、外国風の建物が多くて、海外の街を歩いているような気分になれる魅力的な場所でした。
東山手に行けば、どこよりも外国文化を取り入れて大きく発展した長崎の文化をたくさん知ることができます。
必ず行くべきところなので、今回紹介したルートを参考にぜひ一度足を運んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。