静岡県の東部に位置し、富士山も近く自然の多い街として知られる三島市。
街中には富士山からきた湧き水が流れる川がいくつかあり、中でも源兵衛川は遊歩道があるので散策にぴったりな場所です。
川の美しいせせらぎの音を散歩しながら体感したり、川の中に足をつけた楽しんだりできるので、家族連れで訪れるにもおすすめな源兵衛川。
今回の記事では、そんな三島市内を流れる源兵衛川の見所を数ヶ所紹介しますので、三島観光の参考にしてください。
目次
源兵衛川とは一体どんな川なのか?
源兵衛川は、三島市の楽寿園の中にある池から市内南部の中郷温水公園まで、全長1.5kmに及ぶ川です。
川の水は周辺の農家で使われる農業用水としても使われています。
古くから源兵衛川は富士山から流れる綺麗な地下水が流れる川で、人々は洗濯など生活用水として利用したりするなど、周辺住民にとって欠かせない川でした。
しかし、高度経済成長に伴う工業化によって徐々に川の水は汚れ、綺麗だった川は見る影も無いほどのドブ川になってしまったのです。
この状況を変えるべく市民によってNPO団体が設立され、源兵衛川の再生活動が盛んに行われるようになりました。
その結果、源兵衛川は奇跡的に元の清流を取り戻し、今ではホタルなど様々な生き物や草木が生える美しい川となったのです。
水が綺麗になったことで遊歩道も川に整備され、今では三島市の定番観光地として高い人気を誇っています。
この美しい自然は、多くの市民の努力によって作られたものなんですね。
それではここから、源兵衛川の見所を楽寿園から歩いて順に見ていきましょう!
源兵衛川の見所その1 水遊びスポット
楽寿園の南出口を出て左側を歩くと、水遊び場として地元の子供達で賑わっている場所があります。
訪れた日はちょうど夏休みのど真ん中ということで、多くの子供達が橋から川に飛び込んだりして遊んでいました。
源兵衛川の中には、川の中に飛び石が整備されていて、川のせせらぎを聞きながらのんびりと散歩ができます。
靴や靴下を脱いで、そのまま川の中に入って遊んだりできるので、夏場には小さい子供が水着を着て泳いだり、川にいる生き物を探したりして遊んでいました。
このように、比較的浅い川である源兵衛川。
しかし、2021年にはちょっとした異変が起こったのです。
こちらは、2021年の8月に一つ前の写真と同じ場所で撮影した源兵衛川です。
なんとこの時、湧水が増水していて遊歩道が水没していました。
毎年のように源兵衛川を訪れていたのですが、こんな光景は初めてだったのでかなり驚いてしまいました。
例年だとこの半分、いやそれ以下くらいの水しか流れていないのですが、2021年はなぜか水位が急上昇。
一時は遊歩道が安全の為に通行止めになる程だったようです。
そういえば楽寿園にある小浜池もこの年、久しぶりに満水になっていました。
ここにも何度か訪れていますが、もちろん生まれて初めて見る光景です。
ちなみにこちらが、2022年の8月に撮影した楽寿園の小浜池です。
大体水の量はこのくらいで、はっきりと底が姿を現すくらいの水量しかありません。
ちなみに、満水になるのは7〜9年に1回ということなので、中々貴重な瞬間を撮影できたなと思っています。
夏場の暑い時期になると、地元の子供達はこぞって源兵衛川に集まります。
川に飛び込んで泳いだり、浮き輪を使用して川の流れに乗って遊んだりしていました。
源兵衛川は流れが激しい川なので、浮き輪で浮くとかなりのスピードが出ます。
2021年の増水時は、遊歩道が全て水に浸かってしまっていたので歩くのは困難と判断。
なので別の道を遠回りして広瀬橋のスポットへ向かうことにしました。
源兵衛川 広瀬橋水遊び広場
やって来たのは、広瀬橋という橋のたもとにある水遊びスポット。
源兵衛川の湧水がどのようにやってくるかの解説板や、自由に水が汲める井戸もあって、市民の憩いの場となっています。
遊歩道のところの木でできた足場に座って、足湯ならぬ足水を体感することが可能です。
夏場であれば水は冷たく、足をつけるだけでエアコンに当たるのと同じくらいの涼しさを感じることができました。
それじゃ冬場はどうなの?
という意見もあると思いますが、夏場と同じく冬場でも水温は平均15度〜17度くらいなので、逆に少し暖かさも感じる程です。
なので冬に行っても楽しむことができますよ。
最初は水没した遊歩道を歩くのに戸惑いがありましたが、ここまで来たらと意を決して、遊歩道を歩いてみることにしました。
靴と靴下を脱いで裸足になって、いざ遊歩道へ。
見事に水に浸かってしまってますね。
水はひんやりして冷たく、しかも川の流れが早いので、足元に気をつけて歩かないとあっという間にびしょ濡れになってしまいます。
写真左側の少し色が濃いところが遊歩道です。
水没していなければ、なんの変哲も無い飛び石の遊歩道です。
ずらっと並ぶ飛び石の横に、1つだけ設置されている足場がありますが、これは向かい側の人に道を譲るための待機場所になります。
向かい側から人が来たら、横の石に立って道を譲ってあげましょう。
待機用の石が無い場合は、前方や後方をよく見て譲り合いの気持ちを持って歩くようにしてください。
足元が濡れてしまうので、訪れるならタオルは必須です。
暑さもあって大人から子供、そして犬まで、みんな楽しく遊んでいました。
源兵衛川の美しさを直に体感できるので、訪れたら水の冷たさをぜひ体験してみましょう!
川で遊んだ後は、伊豆箱根鉄道の三島広小路駅へ向かって歩きましょう。
印の地点から南下した左手にあるのが、三島広小路駅になります。
源兵衛川の見所その2 三島広小路周辺
広瀬橋から少し歩くと、伊豆箱根鉄道の三島広小路駅に向かいましょう。
駅の前は旧東海道になっていて、横断歩道を渡って左へ行くとうなぎの名店で知られる「うなぎ桜屋」が見えます。
その桜屋の隣は広場になっていて、源兵衛川とは再びここで合流。
ちなみに写真にある巨大な鐘は「時の鐘」と呼ばれ、江戸時代には人々に時間を知らせる役割をしていたと言われる重要な鐘でした。
神社の奥の方へ行くと遊歩道に降りる場所があり、その横には伊豆箱根鉄道の線路がありました。
川の横から、このような迫力のある写真を撮影することができます。
ここからは遊歩道で、本来なら川沿いを歩けるのですが、通称「時の鐘橋」の下に石畳があるので、そこを通っていきましょう。
通過の際、身長の高い人はかなり背中を曲げないと通れないのでご注意。
もし水位が高くて通れない場合は、遠回りして別のところから入りましょう。
時の鐘橋の一つ手前の、「源兵衛橋」でしたら水位もそんなに上がりません。
さて、改めて遊歩道を歩いてみることにしましょう。
流れは急ですが、この辺りまで来ると水位は安定。
木でできた遊歩道の横には、美しい緑の草木が生えていて、訪れた人を癒してくれます。
再び水のせせらぎを聴きながら南下していきましょう。
源兵衛川の見所その3 水の苑緑地
しばらく遊歩道を歩いていると、森の中に入っていきます。
そうしたら、何やら広場のようなところに到着しました。
ここは、水の苑緑地。
木々に覆われ日陰になっていて、かつ屋根があるので、歩き疲れを癒すために休憩するには最高の場所です。
静寂の中に野鳥のさえずりが響き、週末になると地元の有志の人が集まって、バードウォッチングをしている姿も見かけます。
柿田川周辺もそうですが、三島は美しい川と自然のおかげでたくさんの野鳥が住んでいるので、散策しながら探すのもいいかもしれません。
トイレも設置されているので、心配な人はここで行っておきましょう。
【美しい湧き水】富士山の湧き水が綺麗な柿田川公園を散策しました
この水の苑緑地の近くには、ちょっとした見所があります。
一旦遊歩道を外れて、佐野美術館のある方向へ歩いて行ってみてください。
住宅街を突き抜けて、通称美術館通りという大通りに出たところにあるのが、
「三島梅花藻の里」です。
静岡県の天然記念物に指定されている水生植物、「梅花藻」を育てるための増殖基地としての役割を果たしているところです。
綺麗な水の中に生える植物で、毎年春から夏にかけて白くて綺麗な花を咲かせます。
こちらの水も綺麗で、池を覗くと大きな鯉が1匹泳いでいました。
池の隣には休憩スペースが完備され、無料のお茶も飲めるお菓子屋「雅心苑」がありますので、休憩がてら利用していきましょう。
一通り見学したら、再び源兵衛川に戻ります。
ここからは綺麗に舗装された遊歩道を歩いていきます。
春になると、桜が満開になって美しい景色がさらに美しく、花びらが散って水面に落ちて流れていく光景は必見です。
源兵衛川の見所その4 中郷用水公園
遊歩道をひたすら歩くと、先程の美術館通りに出ます。
その道を横断し、三島郵便局の裏の方に向かって歩いていくと、ちょっとした公園がありました。
ここが、中郷用水公園です。
川の横に生える木々と、草の緑が映える美しい自然公園です。
水が良いのでしょうか、草木もこのように美しい緑を一年中保っています。
川が浅いので、水に入って遊びながら生き物を探している人も見かけました。
僕も生き物を見つけようと川を覗いてみましたが、肉眼では中々見つかりませんでした。
公衆トイレもあるので、歩き疲れた時の休憩スポットとして利用するのもいいでしょう。
ここまで来たら、ゴールはすぐそこです。
源兵衛川の見所その5 中郷温水池公園
最後に紹介するのは、中郷温水池公園。
用水公園から国道1号線を渡ったすぐのところにある大きな公園で、源兵衛川散歩の終着点にあたる場所です。
公園には、源兵衛川から流れて来た水を蓄えた巨大な池があり、自然も美しく市民の憩いの場として利用されています。
この池は、湧水を温めて農業用水として使用するためにあるとのこと。
池は一周600mほどあって、水鳥が羽を休めていました。
この公園からは、晴れて条件が上手く揃えば美しい富士山が見れます。
さらに運が良ければ、富士山が池に反射して「逆さ富士」を眺めることもできますよ。
本来なら富士山が写真の左にあるはずなんですが、撮影日は夏空で雲が出ていて、富士山を拝むことはできませんでした。
やっぱり空気の澄んだ冬の方がいいのでしょうか?
池へ続く運河も、緑が豊富で落ち着いた雰囲気でした。
まとめ
というわけで今回は、静岡県三島市を流れる源兵衛川の見所を順に紹介していきました。
トータルで1.8kmの距離の源兵衛川には、
- 水遊び場
- 木でできた遊歩道
- 緑地公園
といった見所が豊富で、半日くらいかければ十分に今回紹介したスポットを全て回ることができます。
水位が上昇していたのには今回驚きましたが、自然の神秘をまざまざと感じました。
首都圏から新幹線で約50分ほどで、こんな素晴らしい自然を満喫できる三島の源兵衛川、是非一度行って見てその美しさを実感してみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。