大阪府と兵庫県の境目にある街として、近年交通の便の良さからなぜか人気が急上昇している兵庫県尼崎市。
この街には、熱気あふれる地方競馬場として有名な園田競馬場という競馬場があります。
エーでもなんか怖そう!
キモいジジイが多そうでちょっと行きづらい
こういった尼崎や競馬場に対しネガティブな印象を払拭するために、今回この記事を書きました。
確かに昔は怖いおじさんが多く、近寄りがたい競馬場でしたが、近年は施設も改修されて、女性1人でも入りやすい競馬場に進化を遂げています。
また美味しいグルメの宝庫で、食事をするだけでも十分楽しい競馬場です。
今回はそんな園田競馬場の魅力を、競馬ファン歴20年の私、松井ひろたかが紹介していきます。
観戦時の参考にしていただけたら嬉しいです。
目次
園田競馬場 基本情報
園田競馬場は、兵庫県競馬組合によって運営されている地方競馬です。
1929年に淡路島に建設された淡路競馬場がその最初で、程なくして翌年には現在の尼崎の田能地区に移転しました。
園田競馬場は砂でできたダートコースの馬場で、一周は1051mの右回りというコンパクトな競馬場です。
競馬場の隣には猪名川が流れ、向かい側には伊丹空港があり、飛行機の離着陸の音が常に鳴り響いています。
ちなみにかつての園田競馬場では、サラブレッドによるレースは一切行われていませんでした。
その代わりにアングロアラブというサラブレッドとアラブ種の混血の馬でレースが開催されていて、「アラブのメッカ」と呼ばれ長年親しまれたのです。
サラブレッドの生産が少ない頃は盛んだったアラブレースですが、サラブレッドの生産の増加により年々その数を減らしていきます。
やがて園田競馬でも99年にサラブレッドの競馬が行われると同時に、アラブ競馬は姿を消していきました。
やがて、サラブレッド開催だけになった園田競馬場は、時代に合わせて雰囲気を徐々に改善して、女性でも行きやすい競馬場へと姿を変えます。
夏場には、金曜限定でナイター開催が行われるなど、新たな観客を掴む努力を繰り返している園田競馬場。
それでも尼崎という場所柄、場内には熱く独特の空気が流れてます。
園田競馬場 アクセス情報
園田競馬場へのアクセスはとても簡単です。
阪急神戸線の園田駅の北口を出て左に曲がると、競馬場までの無料ファンバス(車体は阪急バス)に乗れば5分で到着します。
この他にJRと阪神の尼崎駅からもバスが出ていますが、こちらはその日の第1レースに合わせて運行するのみです。
便利ではありますが、3〜4本しか運転しないので、時刻表を要確認しましょう。
園田競馬場 本馬場の紹介
こちらが、園田競馬場の本馬場です。
砂でできたダートコースで、スタンド前の直線は213mになります。
こちらは1、2コーナー付近の様子です。
コースの真ん中には、馬が調教前に準備運動をする角馬場がありました。
毎朝ここでは、馬が調教に勤しんでいます。
1コーナー付近に、園田競馬所属の競走馬の住む厩舎があります。
過去に何度か、馬が外に脱獄した事件を起こした事あり。
2コーナーの所にはスタート地点が構えられていて、後ろの猪名川の土手にはスタートの瞬間を見るべく多くの通行人が見物に現れます。
園田競馬場 スタンドの紹介
園田競馬場のスタンドは、このようになっています。
屋外に設置されている椅子は自由席で、自由に座ることが可能です。
座席はこのようになっています。
前後の席との間隔が広めで、ゆとりがある感じです。
段差もそこそこ急で通路も広く作ってあるので、レースを見るには差し支えのない環境でした。
スタンドから競馬を見ると、こんな感じです。
スタンドと馬場の距離が近いので、迫力満点でした。
最前列でレースを見るとこんな感じです。
こうして見ると、スタンドと馬場との距離が凄く近いことがわかりますね。
園田競馬場は地方競馬の中でも、かなり迫力がある写真が撮影可能です。
その証拠に、馬が間近にやってくるとこんな感じです。
馬の息使いがはっきりと聞こえます。
基本的に園田競馬場は、4コーナーの奥にあるスタート地点から始まる1400mのレースがほとんどです。
ですが、たまに行われる1290mのスタート地点はスタンド前なので、目の前でスタートを見れます。
間近で見るスタートの瞬間は迫力満点なので、見逃さないようにしましょう。
園田競馬場スタンド 飛行機の離着陸
園田競馬場は、伊丹空港の滑走路の向かい側にあります。
飛行機の着陸地点のすぐ隣なので、写真のように飛行機の着陸シーンを間近で見れるのです。
かなりの轟音でしたが、うるさい音に慣れているのか馬達は冷静に構えていました。
少し見にくいですが、離陸時の飛行機も競馬場から見れました。
写真の左側に、上空へと向かう飛行機の姿を確認できます。
飛行機から距離はありますが、離陸時の轟音はかなり響いて聞こえました。
僕のような、飛行機と競馬が同時に好きな人にはたまらない競馬場です。
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さてここからは、園田競馬場のスタンド内を紹介していきましょう。
園田競馬場スタンド 1Fフロア
こちらが、園田競馬場のスタンド1Fのフロアです。
以前は古くてちょっと薄暗い感じでしたが、2008年頃に全面改修が施されて信じられないくらい快適なフロアになりました。
外見をほとんど変えず、内装だけでここまで綺麗にしてしまったのが凄いですね。
こちらは、主に馬券売り場になっていて、オッズやレースを見るモニターがたくさんあります。
園田競馬場スタンド 3Fフロア
次は、3Fフロアを紹介していきます。
ちなみに2Fフロアは、売り上げが福祉に使用される福祉売店と、「ミュンヘン」という食堂があるだけです。
3Fには、指定席と屋内自由席が用意されています。
ガラス越しに、天候関係なく快適に競馬観戦したいなら3Fに行きましょう。
こちらが自由席です。
簡単な造りの椅子ですが、ガラス越しでモニターも天井についているので、快適に競馬を楽しめます。
こちらが、指定席です。
1人でも着席可能ですが、2つに並んでいるので、ペアで来場するにはベストな席と言えます。
A指定席、B指定席と2種類あって、直線の真ん中にあるのがB指定席、ゴール目の前にあるのがA指定席です。
A指定、B指定共に、500円となっています。
ちなみに、A指定席の隣には
- 定員5人(3,000円)
- 定員7名(4,000円)
- 定員8名(6,000円)
- 定員11名(7,000円)
と4種類の個室席があって、グループ観戦にピッタリです。
4Fは特別観覧席となっていて、
- スーパーシート(2,000円)
- レギュラーシート(1,500円)
- エクセルシート(2,500円)
と3種類のシートがあります。
販売場所は、正門と指定席のある西スタンドの3Fで販売しているので、指定席に座るのであれば早めに競馬場に行き購入しましょう。
園田競馬場 パドック
続いてはレースに出走する馬を観察するパドックの紹介です。
パドックは、正門から入ってすぐ左側にあります。
全体的に段差が低くて1段1段が広く、高齢者に優しい設計になっているのが特徴です。
馬との距離が少しある感じですが、馬はとても見やすいパドックでした。
上の写真はほぼ中段の位置から馬を見た様子ですが、他の視点からもパドックを見てみましょう。
園田競馬場 パドック 被り付き
被り付きで馬を見た景色はこんな感じです。
全体的に余裕のある造りになっているので、被り付きで見ても馬との距離は適度に広く開けてありました。
他の競馬場と比較しても、パドックの円が横長になっているように見えます。
大井競馬場や旧名古屋競馬場と比較しても、距離が遠いです。
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園田競馬場 パドック 2Fから見た景色
パドックは、スタンドの2Fから見ることもできます。
2Fに上がると、ちょうどテラスのような場所があって、そこからパドックを直に見れるようになっていました。
パドックはこのような感じで見えます。
思ったより、パドックとの距離が遠い感じがしません。
「馬の状態は遠目で見た方がよくわかる」
と昔からよく言われているので、ここから見る方が間近で見るよりいいかもしれません。
主に、指定席を利用している人がここから馬を見ています。
園田競馬場 グルメ
競馬場での最大の楽しみの1つがグルメ巡りです。
園田競馬場では、様々なグルメを味わうことができるようになっていて、関西地区独自の料理も味わうことができます。
パドックの横には、古くから営業しているお店が軒を連ねていて、どのお店も味は絶品。
中でも、
②西ホルモン
③園田屋
順に紹介していきましょう。
園田競馬場 グルメ 明石家のタコ天
最初に紹介するのは、明石家というお店。
ここには、園田競馬場に来たら必ず食べるべき名物が豊富な居酒屋式の食堂です。
メニューも、たこ焼き5個200円に、おでん1串100円など、値段は格安。
その中でも1番のおすすめが、こちらの明石のタコ天(1本150円)です。
プリプリの明石のタコをあげてフライにし、醤油だれをかけて食べる絶品の味。
園田名物として競馬ファンには有名で、このタコ天を食べるために園田競馬場に足を運ぶ人も多いです。
ビールと一緒に食べると、最高の味です!!
園田競馬場 グルメ 西ホルモン
明石家の隣には、西ホルモンというこれまたパンチの効いた外観のお店がありました。
男子トイレの横にあって、気のいいおばちゃんが切り盛りしているこちらのお店。
どこか一昔前の横丁の居酒屋を彷彿するお店で、なんだか居心地の良いお店でした。
ここで注文したのは、左側のホルモン単品(300円)、右側のおでん(1本100円)です。
ホルモンとキャベツ、ピーマンが混ざっていて、かなり濃厚な味でしかも辛い!
単品だけで食べるのはもったいないので、ホルモン定食として注文し、ビールと一緒に飲めば最高の味です。
関西風の薄い出汁を使用したおでんの種も種類が豊富で、しかもほとんど100円という価格がありがたいですね。
何回も食べると、クセになりそうな味でした。
食事を終えて帰り際、店主のおばちゃんが、
当たるといいね!!
と優しく声をかけてくれました。
この気さくな感じもまたいいですね。
園田競馬場 グルメ 園田屋
この食堂街で、おそらく最大級の大きさを誇るのが、こちらの園田屋です。
こちらのお店は、おでんをはじめ
- 定食
- 麺類
- 丼物
などメニューも豊富で、常連のおじさん達が馬券談議に花を咲かせています。
店内は、ザ・昭和という感じで老舗感満点のお店です。
今回僕は、他人丼(650円)を注文しました。
他人丼とは、豚肉に卵をとじた丼のことで、西日本ではこのように呼ばれています。
園田競馬場 グルメ 食堂街のその他のお店
上記に紹介した3店以外にも、注目すべきお店はあります。
こちらは、大阪名物キャベツ焼き(350円)が食べれる日高屋です。
キャベツ焼きとは、薄力粉で作った生地に千切りのキャベツを包んだ粉物料理のことです。
他にもカレーなどの定食類もあり、店内の大型テレビでレースを見ながら食事を味わえます。
こちらは、串カツ屋です。
その名の通り、串カツや揚げ物系の定食を味わえます。
店内には、レースで使用されたであろう本物のゼッケンが飾ってあって、競馬好きにはたまらないお店かもしれません。
園田競馬場 グルメ 他の区域の売店
園田競馬場には、先程紹介したお店以外にも売店の数は豊富です。
パドックの向かい側にも、うどんやカレーを注文できる売店がありました。
こちらは、一八まぐろ専門店というまぐろ丼専門のお店です。
店の前には、急な雨様なのでしょうか傘がなんと1本100円という破格の価格で販売されています。
傘の隣には、ついでの様な感じでリュックが1,000円、ポーチが500円で売っていたのには驚きました。
一体誰がわざわざ競馬場でポーチを購入するんでしょうか?
なんか需要があるのでしょうか?
ちょっとよくわかりませんが、こうした物を売っている地方競馬はおそらく園田競馬場だけではないでしょうか?(キャラクターグッズ系を除く)
入口から入って右側にも、フードコートがありました。
このフードコートは、ナイター開催が開催された頃にオープンしたお店です。
ただ、この日は平日の昼間開催ということもあって、うどんのお店ともう1件の計2件しか営業してませんでした。
店の前には、テーブルが置いてあって便利です。
まとめ
今回は、兵庫県尼崎市にある園田競馬場がどんなところなのかというのを、色々紹介していきました。
梅田や三ノ宮から、阪急電車で簡単にアクセスできて、レースも面白いですが
- 食堂の充実
- 伊丹空港の飛行機の離着陸を見れる
- 綺麗で快適な指定席
- 馬との距離も近い本馬場
といった感じで、見所の多い競馬場であります。
外見は一見近寄りがたいですが、場内に入ると気さくな売店の定員さんなど、人情味に溢れた競馬場で、思わず何回も足を運びたくなるほど居心地は抜群です。
ぜひ関西に行ったら、足を運んでみましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。