吉野山に桜を見に行きたいんだけど、おすすめのスポットって何かな?
吉野山って、桜以外に何か見所ってあるのかな?
今回は、このような疑問に答えていきましょう。
結論から言えば、十分すぎるくらいにあります!!!
はっきり言って、桜以外でも吉野山には見所が豊富です。
世界遺産にも指定された歴史的にも重要な建造物や、たくさんのお店が並ぶ参道もあって、大阪から日帰りで満喫できる吉野山。
今回は、そんな吉野山を散策する際のおすすめスポットを紹介していきます。
日帰りで簡単に散策できるので、ぜひ訪れる時の参考にしてみてください。
目次
桜の名所 吉野山
奈良県の中部に位置する吉野山は、日本を代表する桜の名所として知られていて、満開になる4月には桜見たさに多くの観光客が押し寄せます。
山の中に咲く無数の花は、まさに芸術とも呼べるくらいの美しさです。
それにしても、なぜこの吉野山に無数の桜の木があるのでしょうか?
この桜は、平安時代に修験道の開祖役行者(えんのぎょうしゃ)が修行のために金剛蔵王権限を祈った際に、その姿を桜の木で刻んだことが紀元とされています。
それ以降、信仰の証として信者によって桜の木が植えられるようになり、現在のような吉野山の姿になったのです。
吉野山では、桜の木は御神木同然のように大事にされてきました。
吉野山には桜の花が集中している場所が4カ所あり、吉野駅から近い順に
- 下千本(近鉄の吉野駅の近く)
- 中千本(吉水神社から如意輪寺のあたり)
- 上千本(火の見櫓から花櫓の坂辺り)
- 奥千本(高城山付近)
と呼ばれてます。
吉野山は修験堂の霊場として重要な山で、熊野三山と並んで「大峯奥駈道」と呼ばれ、2004年には吉野山と紀伊山地の参詣道がユネスコの世界遺産に登録されました。
近鉄の吉野駅から徒歩30分圏内には
- 金峯山寺蔵王堂
- 吉水神社
- 吉野水分神社
と世界遺産にも指定された貴重な見所や、奈良名物の葛餅などを味わる飲食店やお土産店がたくさんある参道を満喫できます。
吉野山 交通アクセス
吉野山へは、大阪から近鉄電車に乗って行くのが一番便利な方法です。
近鉄南大阪線の大阪阿部野橋から吉野まで、特急電車も多く運転されているので、交通アクセスに関しては問題ありません。
ちなみに吉野山の名所へアクセスできる交通手段には、
- 桜シーズン限定の奈良交通臨時バス
- 吉野山ロープウェイ
があります。
近鉄電車を含めて、それぞれ順番に解説していきましょう。
近鉄特急と吉野駅
吉野山の最寄り駅は、近鉄吉野線の終着駅の吉野駅になります。
地図で示すと、ちょうどこの辺になります。
一見すると大阪から遠いように見えますが、近鉄南大阪線の大阪阿部野橋から吉野までの所要時間は、
- 特急電車:1時間10分
- 急行電車:1時間30分
となっており、大阪から日帰りで満喫できる距離です。
吉野まで特急で移動するなら、こちらのさくらライナーに乗れば快適に移動できます。
デラックス車両に乗車すれば、このような素晴らしい座席で吉野までくつろげるのでおすすめです。
また、ちょっと贅沢に移動してみたいなら、こちらの青の交響曲(シンフォニー)に乗車して見ましょう。
近鉄が誇る観光特急で、車内はこのように豪華な造りになっています。
食事が可能なラウンジ車両もありますので、奈良の美しい自然を車窓から見ながら優雅に吉野まで移動できるのでおすすめです。
そしてこちらが、吉野観光の玄関口である近鉄吉野駅です。
「近畿の駅100選」にも選ばれた吉野駅は、立派な屋根が目印で、吉野山の象徴の1つとなっています。
こちらが吉野駅のホームです。
今時珍しい反転フラップ式【通称パタパタボード】の案内表示がありました。
写真で見るとかなり規模の大きい吉野駅ですが、実は桜のシーズン以外は無人駅になります。
つまり桜の季節以外は、かなり観光客が少ないとのこと。
なんだか寂しい感じです。
吉野山ロープウェイ
近鉄吉野駅から歩いて3分ほど歩いたところに、ロープウェイ乗り場があります。
金峯山寺などがある参道の方に行くなら、この千本口駅からロープウェイに乗りましょう。
こちらは吉野山ロープウェイと言って、開通から80年近い歴史を持つ日本で現存する最古のロープウェイとして機械遺産にも指定されています。
春には桜、秋には紅葉が美しいことでも知られているので1年中季節の移り変わりを堪能できます。
料金は大人450円、子供230円です。(往復大人800円、子供400円)
所要時間3分ほどで、こちらの吉野山駅に到着します。
運行時間は、
- 桜の時期:7時から18時
- それ以外:9時から17時
です。
桜の時期は毎日運行、それ以外は金曜日〜月曜日限定運行で、それ以外の曜日は代行バスでのアクセスとなりますので、ロープウェイに乗ることができなくなるので気をつけましょう。
奈良交通臨時シャトルバス
桜シーズンの3月下旬から4月の終わりまで、吉野駅前から中千本まで奈良交通のシャトルバスが運行しています。
吉野駅を出発したバスは、桜井吉野線を通って後醍醐天皇の勅願寺として知られる如意輪寺を通過して、中千本公園まで向かいます。
こちらが、中千本のバス停です。
9時〜16時30分までの運行で、15分ほどで到着します。
運賃は、
吉野駅〜中千本公園 450円
如意輪寺〜中千本公園 190円
です。
最初にバスに乗って、中千本から下って散策するというルートもありますので、有効に活用しましょう。
吉野山のおすすめスポットを紹介
吉野山は、桜があまりにも有名すぎることから、
桜以外行く意味あるの?
と思う人もいるかもしれません。
しかし、それは違います!
吉野山は桜だけではなく、世界遺産に指定された寺院やお土産店が並ぶ参道など、1年中楽しめる見所がたくさんある観光地です。
そんなわけで、吉野山に行ったら必ず行くべきおすすめスポットを今から5つ紹介します。
ここにいかなければ、吉野山に行った意味が無くなるので、ぜひ参考にしてください。
おすすめ見所① 金峯山寺蔵王堂
最初に紹介するのは、金峯山寺(きんぷせんじ)という寺院です。
金峯山修険本宗の総本山の寺院で、巨大な本堂(蔵王堂)は1592年に建立されたもので、室町時代から変わらない姿で君臨しています。
古くから山岳信仰の聖地として知られる吉野山で、金峯山寺は霊場として平安時代から多くの参拝客を集めてきました。
蔵王堂の中には、7mもある巨大な仏像と蔵王権現が3台祀られていますが、基本的には非公開なので「日本最大の秘仏」として知られています。
間近で見てみるとかなり精巧に造られていて、室町時代の職人の技術の高さを実感できました。
本堂の高さは34mもある巨大な佇まいで、木造の仏堂としては日本でもトップクラスの大きさを誇る本堂です。
実際にこの目で見て、あまりの大きさに思わず見惚れてしまいました。
こちらは、仁王門です。
残念ながら、現在2028年の完成を目指して大修復工事が行われていて、その姿を見ることはできません。
金峯山寺で現存する最古の建造物で、門の左右には奈良の東大寺に匹敵する大きさの金剛力士像があります。
国宝にも指定されている仁王門。
完成が楽しみです。
他にも、戦没者を祀る南朝妙法殿など、見所がたくさんありますのでのんびり散策しましょう。
金峯山寺はロープウェイの吉野山駅の近くにあり、その中間地点には金峰山寺の総門である黒門があります。
古そうに見えますが、実は1985年に再建されたものだそうです。
こちらは銅鳥居(かねのとりい)です。
蔵王堂の北側にあり、重要文化財に指定されている鳥居で、別名「発心門(ほっしんもん)」と呼ばれていて、入峰修行の前に菩提心を起こすところとされています。
確証では無いですが、聖武天皇の命により奈良の東大寺の大仏の余った銅で建てられたとの伝承もあるとのこと。
見た目からして神秘的なこちらの鳥居。
訪れた際には必ず潜っていきましょう。
おすすめ見所② 下千本から中千本までの参道
吉野山のメインストリートに当たるのが、下千本から中千本を結ぶこちらの参道です。
通りには土産物店が軒を連ね、奈良名物の
- 三輪そうめん
- 柿の葉寿司
- 葛餅
- 葛うどん
を出す飲食店に加え、吉野杉を使用した雑貨を販売するお店やお洒落なカフェもあって、散策しているとあっという間に時間が経過します。
古くからの聖地らしく、古い街並みが広がり歩いていて楽しい場所でした。
こちらは、吉野の美味しい水を使用してかまどで沸かしたかまど番茶。
100円でおかわり自由ですが、とてつもなく熱いので火傷に注意です!(笑)
この周辺には一般の住宅もあって、実際に住んでいる人もいます。
歩行者天国では無いので、車の往来も多いです。
訪れる際には、迷惑にならないようにしましょう。
おすすめ見所③ 中千本の桜スポット
先程紹介した、吉野駅前からのシャトルバスで到着する中千本地区。
ここから少し山を登っていけば、美しい桜を眺めることができます。
ただ道中は、写真のように急坂が続く険しい道ですので、歩きやすい靴や服装で行くようにしましょう。
この坂をひたすら歩いていけば、無数の桜が広がる場所へ行けます。
やがて、開けた場所に出ます。
訪れた日は4月中旬でしたので、すでに桜は散っていましたが、まだ辛うじて桜は残ってました。
中千本のシャトルバス乗り場から徒歩15分、この看板が見えたら目の前には美しい桜の花が広がっています。
だいぶ散ってしまってますが、満開の際にはこの場所は桜色で埋めつくされるこの場所。
小道もあって、間近で桜を見ることも可能です。
満開の時期が過ぎていても、これだけの美しい桜を見ることができますので、4月上旬に行くことができなくても問題ありません。
金峯山寺からは徒歩30分と、かなり過酷な道のりですが歩く価値は十分にあります。
おすすめ見所④ 桜本坊
こちらは、中千本のバス停の近くにある桜本坊です。
天武天皇が建立した神仏習合の修験道場で、神変菩薩を御本尊とし、釈迦如来坐像、地蔵如来坐像など多くの寺宝が埋葬されている神社として有名な桜本坊。
門の前には、立派な不動明王がお出迎えしてくれます。
門を入って右側には、美しい枝垂れ桜が咲いていました。
4月中旬でも、まだまだこれだけの桜が咲いているので必見です。
間近で見ると、かなり美しかったです。
こちらが本堂です。
拝観料500円で、
- 釈迦如来坐像
- 地蔵菩薩坐像
などの重要文化財を見学できます。
おすすめ見所⑤ 吉水神社
次に紹介するのは、世界遺産にも指定されている吉水神社です。
実はこの神社、数多くの歴史上の人物にゆかりのある場所としても有名で、
- 源頼朝に追われた源義経が静御前と弁慶と共に身を隠した
- 南北朝時代に後醍醐天皇の行宮になった
- 豊臣秀吉が花見に来た際に滞在先にした
と、そうそうたる人物と深い関わりがあります。
世界遺産として指定されているのは、こちらの書院です。
書院内には南北朝時代の古文書や楽器、武具など貴重な宝物がたくさん保存されています。
またこの書院は、「日本で最古の書院」として有名で、日本の書院造りの中でも最高傑作として高い評価を受けている建物で、日本住宅最古の実例としても貴重な建造物なのです。
拝観料は、
中高生:400円
小学生:300円
奥千本へ行く方法
吉野山の中千本からさらに奥へ進んで行くと、奥千本という場所に辿り着きます。
静かな山奥にあたるこの場所は、下千本や中千本、上千本と比べても標高が高く、気温も低めなので桜のピークがとても遅い場所です。
なので、4月の下旬になっても満開の桜を楽しめる場所として知られてます。
世界遺産にも指定された水分神社(みくまりじんじゃ)や、紅葉のスポットとしても知られる西行庵や金峯神社など名所も多く、ちょっとしたパワースポットでもある奥千本地区。
奥千本まではバスで行くこともできますので、ちょっとここでバスについて紹介しましょう。
ロープウェイの吉野山駅から「吉野山奥千本ライン」というバスに乗り、約20分で奥千本口に到着できるので便利です。
なお吉野山駅〜奥千本口までの運賃は500円、途中の竹林院前バス停から乗れば400円となります。
混雑時にはバスは増便しますが、かなりの行列なので余程時間に余裕がないと乗れない可能性もあるので注意。
時期に関しては、桜の開花状況によって左右されるので、詳しくはこちらのバス会社のHPをチェックしてください。
まとめ
- 金峯山寺
- 吉水神社
といった、世界遺産に指定された由緒ある見所もありますので、桜以外の時期に訪れても十分に楽しめます。
機会があったら是非一度吉野山を巡礼し、清々しい気分になりましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。