ソウル中心街から近い距離にある金浦空港は、コンパクトながら使いやすく、見どころも豊富にあるのをご存知でしょうか。
今回の記事では、観光や出張で金浦空港を利用する人に向けて、国際線ターミナルの魅力を解説します。
空港施設やその周辺施設の情報だけでなく、ソウル市内から金浦空港までのアクセスも詳しく紹介しますので、初めて金浦空港を利用する方はぜひ参考にしてください。
目次
金浦空港とはどんな空港か?
ソウル市と仁川市の境目に位置する金浦空港は、2001年に仁川空港が開港するまでの間、韓国の空の玄関口として重要な役割を握ってきた空港です。
金浦空港が完成したのは日本統治時代の1939年〜42年頃とされていて、旧日本軍によって滑走路が建築され、軍事利用が目的で開設されました。
戦後はアメリカ軍に摂取され、朝鮮戦争の軍事拠点として使用された後、1958年に大統領令によってソウルの主要空港として指定されました。
1971年には国内線と国際線にターミナルが分かれ、1977年には現在の国際線ターミナルが開業します。
その後2001年に仁川空港が開港したことで、金浦空港は国内線専用の空港として生まれ変わりました。
しかし2003年に羽田〜金浦間のチャーター便が運行を開始した事で、日韓の飛行機需要が増大した事で、2010年に羽田〜金浦の定期便が正式に運行を開始します。
その後関西国際空港までの便も運行され、2025年4月からは日本のLCCであるPeachが中部〜金浦の定期便の運行を開始しました。
金浦空港はソウル市街から近く、今後ますます需要が増加すると予測されます。
金浦空港アクセス
ここからは、金浦空港のアクセス方法を詳しく解説します。
金浦空港〜市内へのアクセス方法には、以下の方法がおすすめです。
- 空港鉄道
- 地下鉄
- バス
金浦空港を利用する際には、ぜひ参考にしてください。
空港鉄道
少しでも早くソウル市内へアクセスしたいと思ったら、空港鉄道の利用がおすすめです。
空港鉄道はソウル駅と仁川空港を結ぶ鉄道で、金浦空港にも停車します。
ただしソウル〜仁川空港を結ぶ空港特急は金浦空港駅に停車しないので、金浦空港を利用する場合は全ての駅に停車する「一般電車」を利用しましょう。
途中弘大駅にも停車し、地下鉄2号線に乗り換えも可能です。
料金はT-moneyカード利用で1,750ウォン(約175円)、所要時間はソウル駅まで約30分ほどかかります。
金浦空港駅の改札口には、このように日本語で主要目的地までの案内が紹介されていました。
ソウル駅から明洞など主要スポットにアクセスできる方法が書いてありますので、参考にしてみてください。
地下鉄
金浦空港は、地下鉄でのアクセスが可能です。
金浦空港には5号線と9号線が乗り入れていて、5号線は永登浦市場や鐘路3号に東大門歴史文化公園、9号線は高速バスターミナルなど江南方面までアクセスできます。
料金はT-moneyカード利用で1,550ウォン(155円)、現金利用で1,500ウォン(約150円)です。

ソウル市営地下鉄は現金で利用の場合、降車時にデポジットの500ウォン(約50円)の返金手続きが自動券売機で必要になります。
目的地が地下鉄の沿線にある場合や、できる限り安く市内まで向かいたい人におすすめです。
ただし時間帯によっては混雑していますので、大きな荷物を持っている方にはおすすめできません。
バス
金浦空港は、リムジンバスや路線バスでもアクセスできます。
2025年現在リムジンバスは、仁川空港行きと水落/蘆原方面行きのみの運行です。
仁川空港行きバスの乗り場は、国際線ターミナルは7番乗り場、国内線ターミナルは14番線となります。
水落/蘆原方面行きは国内線のみで、乗り場は5番乗り場になります。
現金は、どちらの路線も7,500ウォン(約750円)です。
また5番乗り場からは、国際線ターミナルと国内線ターミナルを結ぶ無料シャトルバスに乗車できます。
バスの色は黄色で、約7分で国内線ターミナルにアクセス可能です。
ただし運行間隔は12分〜15分と、乗り損ねると少し待たなければいけなくなるので注意しましょう。
路線バスも運行されていて、2025年現在一山や江華方面、仁川とソウル市内を結びます。
路線バスは安くて便利な交通手段ですが、地下鉄と同様に一般市民も利用するため、大きい荷物を持って利用するにはおすすめできません。
また時間もかかるので、早く移動したいなら空港鉄道や地下鉄を利用しましょう。
ロッテモール金浦空港店
金浦空港ターミナルの隣には、2011年にオープンした巨大なロッテモールがあります。
金浦空港からは地下通路を通ってアクセス可能で、モールだけでなく映画館やホテルなども併設されています。
地下鉄で気軽にアクセスできることから、観光客だけでなく地元の人にも親しまれている施設です。
ここからは、ロッテモールにある観光客おすすめスポットを解説するので、金浦空港を訪れる際の参考にしてください。
ロッテマート
ロッテモールには、韓国旅行でお馴染みロッテマートがあります。
広大な売り場に食料品や日用品だけでなく、韓国を代表するお土産品が数多く販売されているロッテマートは、空港直結なので旅行中にお土産を買い忘れた時に買いに行くのに便利です。
所々に日本語表記もあるので、初めて韓国を訪れる方でも買い物しやすいお店です。
スカイパーク
ロッテモールの隣には、スカイパークという広大な公園があります。
空港の隣にあるとは思えないくらい大きな公園で、公園方面のモール出口から出ると写真のような巨大な階段がありました。
両サイドにはエスカレーターとエレベーターがあり、暑い日や寒い日でも快適に上の方へアクセス可能です。
公園は緑が豊富で、近隣住民の憩いの場として親しまれています。
子供が遊べる遊具や訳のわからないモニュメント、韓国伝統の東屋など、見どころは充実していました。
公園内には巨大な噴水池もあって、週末限定で音楽と一緒に噴水の水が噴射する演出が行われています。
こちらは、噴水イベントの予定表です。
1日7回、15分〜30分に渡ってさまざまな音楽と一緒に噴水が噴射する様子は圧巻で、暑い夏場には涼しい気分を味わえます。
時間に余裕がある時は、ぜひ足を運んでみてください。
金浦国際空港 制限エリア外施設
ここからは、金浦国際空港国際線ターミナルの制限エリア外の施設を解説します。
今回の記事で紹介する場所は、以下の通りです。
- 金浦空港駅
- チェックインカウンター
- フードコート
- 到着ロビー
- 保安検査場
今後金浦空港を利用する機会のある方は、ぜひこちらを参考にしてください。
金浦空港駅
ソウル駅や仁川空港へアクセスできる空港鉄道と地下鉄が乗り入れる金浦空港駅へは、地下道を通ってアクセスできます。
こちらが電車の改札口です。
左右の入口は地下鉄専用改札口で、真ん中はソウル駅や仁川空港を結ぶ空港鉄道の専用改札口になります。
金浦空港の駅構図は、ちょっと複雑です。
なぜならホームの位置は行き先によって階が異なっていますので、乗車時には必ず柱の案内を見るなどして行き先を確かめましょう。
金浦空港のホームは、以下のように分かれています。
- B1階:改札口
- B2階:地下鉄5号線傍花駅方面
- B3階:空港鉄道ソウル行き、地下鉄5号線東大門歴史文化公園方面、9号線高速ターミナル方面
- B4階:空港鉄道仁川空港行き、9号線開花方面
改札の出口には、国内線と国際線の方向を示す看板がありますので、間違えないように移動しましょう。
なお電車の乗降時には、なぜか2回自動改札を通過する必要がありますが、乗車する電車の改札に行ってカードをかざせば問題なく通過可能です。
またT-moneyカードを購入したい場合は、空港内やロッテモール内にあるコンビニ(セブンイレブン、CU、GS25)で購入しましょう。(3,000ウォン〜)
チェックインカウンター
金浦空港国際線ターミナルのチェックインカウンターは、建物の2階にあります。
自分が搭乗する飛行機は、こちらの案内板でチェックしましょう。
カウンターはA〜Cまであって、例えばB1〜B14と表示されていたらBカウンターのどこに行っても問題ありません。
搭乗口の場所も表示されているので、忘れずにチェックしましょう。
カウンターの向かい側には、自動チェックイン機も設置されています。
PEACH以外の航空会社であれば利用できますので、予約番号とパスポートを用意して搭乗券を発行しましょう。
カウンターで荷物を預けたら、エスカレーターで2階に上がって保安検査場に向かいましょう。
保安検査場
保安検査場の入口は、国際線ターミナルの3階にあります。
入口でパスポートと搭乗券を見せて、検査場へ向かいましょう。
仁川空港のような混雑はほぼありませんが、時間帯によっては混雑する可能性もあります。
チェックインを済ませたら、できる限り早く保安検査場へ向かいましょう。
フードコート
金浦空港国際線ターミナルの3階には、簡素なフードコートがありました。
クレジットカードで支払う場合は、こちらの機械を使用して食べたいものを選択して支払いをしましょう。
現金での支払いも可能で、その場合はこちらのカウンターでスタッフに現金を支払います。
ただしカウンターには、スタッフが不在の場合もあるので、その際はレジのところにあるベルを鳴らしてスタッフを呼びましょう。
ただしスタッフが来るまで時間がかかる場合もあるため、機械を使ってオーダーする方が無難かもしれません。
国際線唯一のフードコートでは、韓国料理やハンバーガーなどのファストフードが味わえます。
ただし、それほど人で賑わっている感じはありません。
フードコートの下には、韓国で最大のコンビニチェーンとして知られるCUがありました。
着席はできませんが、イートインスペースも完備されています。
到着ロビー
こちらが、金浦空港の到着ロビーです。
このフロアには、ダンキンドーナッツと韓国発のハンバーガーチェーンとして知られる FRANK BURGERが営業しています。
他にはSimカードやポケットWi-Fiのレンタルを扱うカウンターがあるので、Simカードを購入する場合はそちらへ向かいましょう。
ちなみにKT ROAMINGのカウンターには、毎日ではありませんが日本語を話すスタッフがいます。
後は新韓銀行のオフィスもありますが、窓口では両替はできません。
両替場は2Fの出発ロビーにありますので、面倒ですがそちらへ向かいましょう。

両替の際は、パスポートの提出は不要です。
金浦空港国際線ターミナル 制限エリア内施設
ここからは、金浦空港国際線ターミナルの制限エリア内にある施設を紹介します。
今回の記事で紹介するのは、以下の4つです。
- 荷物受け取りレーン
- 搭乗待合室
- 免税店
- ラウンジ
これから金浦空港を利用する機会のある方は、ぜひ参考にしてください。
入国審査・荷物受け取りレーン
金浦空港に到着したら、飛行機を降りて上記の案内に沿って入国審査へ向かいます。
入国審査はそれほど混んでいませんので、パスポートと入国申請書を持って入国審査を済ませましょう。
荷物受け取りレーンは保安検査を通過後、エスカレーターを下ってすぐのところにあります。
レーンは全部で4つあり、かつ広くないので迷うことはありません。
自分の荷物を見つけたら、荷物を持って出口へ向かいましょう。
搭乗口待合室
保安検査を通過したら、搭乗口待合室に向かいます。
仁川空港とは違ってコンパクトな造りですので、案内に沿って移動すれば初めての人でも迷うことはありません。
搭乗口は全部で7つのみなので、ギリギリで保安検査場を通過しても早足で到着できます。
通路はそれほど広くないので、人が多い時は歩きにくいのが難点です。
数はそれほどありませんが、飲食店もありました。
こちらは、「OSAKA KITCHEN」という日本食が食べられるレストランのようです。
韓国で長年親しまれているコーヒーチェーン店として知られる、PASCUCCIというカフェもありました。
保安検査場前のR1ゲートから飛行機に搭乗する場合は、大抵建物から離れた場所に駐機する沖留めになります。
その場合は、このバスに乗って飛行機のある場所に向かいます。
免税店
免税店は、保安検査場を出た右側にあります。
韓国で免税店といえば、世界のロッテ免税店です。
金浦空港の制限エリアにある免税店は、このロッテ免税店のみとなっています。
免税手続きはGATE34の近くにあるので、免税店での買い物後は忘れずに手続きしましょう。
ラウンジ
金浦空港の制限エリア内には、以下のラウンジがあります。
- KOREAN AIR LOUNGE
- ASIANA AIRLINES LOUNGE
- SKY-HUB LOUNGE
KOREAN AIR LOUNGEやASIANA AIRLINES LOUNGEは、大韓航空とアシアナ航空のアライアンス上級会員や上級クラスの席に座る人のみ利用可能です。
逆にSKY-HUB LOUNGEは、これらに該当していなくても利用できます。
SKY-HUB LOUNGEは、上の写真にあるカードを持っていれば入場可能です。
最大利用時間は3時間で、軽食やドリンクを楽しめます。
プライオリティパスも利用可能なので、持っている方はぜひ利用してみてください。
金浦国際空港国際線ターミナルはコンパクトで使いやすい!
今回の記事では、ソウル金浦空港国際線ターミナルの見どころやアクセスを解説しました。
ソウルには仁川空港もありますが、金浦空港はソウル市街から近い距離にあるので、旅行の時間を最大限活用できます。
国際線ターミナルの規模もコンパクトで利用しやすく、空港の隣にはロッテモールもあるので、フライトまでの時間をゆっくりと過ごせるのが強みです。
今回の記事を参考にして、金浦空港での過ごし方を有意義なものにしてみてください。