東京都内で気軽に足を運べる競馬場として有名なのが、今回紹介する大井競馬場です。
大井競馬場にはナイター設備もあり、しかも美味しい食べ物が豊富にある場所として、競馬ファンからの人気も高い競馬場として有名です。
この記事では、そんな大井競馬場のグルメや施設、ナイター競馬の魅力を詳しく紹介していきます。
今まで競馬場に行くのを躊躇していた方でも、
競馬って面白そう!
競馬場ってこんなに綺麗なんだ!
と思うこと間違い無しです。
ぜひ訪れる際の参考にしてください。
大井競馬場 どんな競馬場なのか?
大井競馬場(通称TCK=東京シティ競馬)は、1950年に、東京都品川区の勝島という埋立地に建てられた競馬場です。
浦和競馬場、川崎競馬場、船橋競馬場と共に、南関東公営競馬に属する競馬場の1つで、開催は4つの競馬場の間で平日を中心に開催されています。
コースは砂でできたダートコースのみで、内回り(一周1400m)、外回り(一周1600m)と2つのコースを持ち、日本の地方競馬では屈指の大きさを誇る競馬場です。
また大井競馬場は、現在の競馬開催には欠かす事のできないシステムを中央競馬よりも早く導入していることでも有名で、次々と新しい試みをスタートさせました。
- ゴール前でどちらが先にゴールしたかを見分ける写真判定
- 騎手が着る勝負服、枠別の帽子色
- スターティングゲート
- パトロールフィルム(競争中の不正行為を見張るために撮影する映像のこと)
- トータリゼーターの導入(馬券販売と払い戻しをコンピューターで一括管理するシステム)
- 新馬券の販売(ワイド、三連単、三連複)
といった、今の競馬で当たり前に行われている事を次々と最初に始めていったのです。
正直大井競馬場が無かったら、日本の競馬はここまで進化して無かったかもしれません。
次で紹介するナイター競馬も、その1つです。
大井競馬場 ナイター開催(トゥインクルレース)
トゥインクルレースとは、1987年から開催されているナイター競馬の愛称です。
現在日本では、
- 帯広
- 門別
- 盛岡
- 川崎
- 船橋
- 園田
- 高知
- 佐賀
でナイターレースが開催されていますが、その全ての始まりはここ大井競馬場でした。
大井競馬場は、4月〜12月までは全てナイター開催されています。
ナイター競馬が開催されたことによって、これまで平日昼間開催しかなく会社やらなんやらで競馬場に行くのが難しかったのが、
「会社帰りにちょっと競馬場へ」
という感じで訪れやすくなりました。
このナイター競馬が開始されたのは、バブルの最中の1987年。
仕事の後に飲み食いしながら競馬を楽しむという新しい感覚が大人気を博し、多くの観客が押し掛けるようになりました。
同じ頃中央競馬でも、オグリキャップの影響で若者が競馬場に多く訪れるようになったことも、大井競馬にはかなりの追い風になったのです。
ナイター競馬の影響力は計りしれなく、これを見た他の公営団体の主催者達もナイター開催の可能性に気づき始め、今では競馬だけでなくボートレース、競輪、オートレースでもナイターが行われています。
大井競馬場 施設の紹介
ここからは、大井競馬場の施設を紹介していきます。
地方競馬場の中でも最大の規模を誇る大井競馬場は、色々な見所があるので長時間過ごしても飽きません。
本馬場の様子やスタンド、パドックなどくまなく紹介していくので、是非訪れた際の参考にしてみてください!
大井競馬場 入場口
というわけで、早速競馬場に入ってみましょう。
入場料は100円です。
入口にある自動販売機に100円を入れると、白い切符のような紙が出てくるので、それを持って入場口のスタッフに渡しましょう。
ゲートを抜けたら、今日のレースの出走表の紙が置いてあるので、必要なら持っていきましょう。
入口を入ったすぐ右手には、名馬ハイセイコーの銅像があります。
1970年代半ばに一世を風靡した名馬だったハイセイコー。
実はデビュー時は大井競馬場だったという事で、「大井が生んだ怪物」と称されたことから、このような立派な銅像が造られました。
屋根の下にあることから、かなり綺麗な状態を保っていましたね。
大井競馬場 本馬場
こちらが大井競馬場の本馬場です。
最初にも紹介しましたが、コースは右回りのダート(砂)コース。
コースは外回り(1600m)、内回り(1400m)の2種類があって、実際目にするとかなりの広さです。
コースの左側には東京モノレールが見え、その後ろには羽田空港に離着陸する飛行機を眺める事ができます。
あまりはっきりと機体は見えませんが。
大井競馬場 ウイナーズサークル&生ファンファーレ
ゴール前には、レースに勝った馬と関係者が記念撮影を行うウイナーズサークルと、上写真にあるような表彰式が行われる賞典台があります。
大井競馬場の目玉として見逃せないのが、トゥインクル開催限定で行われる生ファンファーレです。
ラストの3レース限定で、賞典台のところで生の演奏によるファンファーレを聞けます。
レースの直前になると、ファンファーレを演奏する5人の女性が入場してきて、スターターの旗の合図とともに金管楽器による演奏がスタート。
力強い演奏に、観客からはいつも温かい拍手が送られます。
最前列でかぶりつきで聞くと、思った以上に腹に響く大きな音でした。
もし競馬場にやってきたら、必ずウイナーズサークルの近くに行って聴いてみましょう。
大井競馬場 左回りのレースがスタート
2021年11月、これまで様々な新しいチャレンジをしてきた大井競馬場が、また新たなチャレンジをスタートさせました。
これまで70年近く右回りで開催されてきた競馬場に、新たに左回りのコースとゴール板を作り、左回りでのレースが開催可能となったのです。
これによって大井競馬場は、世界で最初の左右兼用の競馬場になりました。
左回りコースを新設したきっかけは、アメリカの競馬場が全て左回りで開催されているからです。
というのも大井競馬場の主催者は、いずれアメリカから強い馬を呼んで、ビッグレースを開催したいという強い思いを持っていました。
アメリカから馬を呼ぶなら競馬場を左回り対応可能にしよう!!
という強い願いから、今回左回りでもレースができるようになりました。
とはいえ、それは思っているほど簡単ではなかったのです。
これまでずっと騎手も関係者も、右回りでやってきたのですから、
- どのように対応したらいいのか?
- 1日に何レース開催したらいいのか?
など、4年ほど色々試行錯誤しながら決めていったそうです。
幸運なことに、訪れた日の最終レースに偶然左回りのレースが組まれてたので見てみることに。
今までと逆方向を向いているゲートを見ると、なんだか変な感じがしました。
この左回りのレース、当分の間は1開催(月曜〜金曜)につき1レース組まれるとのこと。
今後の展開が楽しみですね。
大井競馬場 パドック
続いて紹介するのは、パドック(馬の調子を確認するところ)です。
以前から見やすく評判の良いパドックでしたが、数年前に改修工事が完了。
足場が綺麗になったり段差が低くなるなどして、今まで以上に居心地の良いパドックに生まれ変わりました。
パドックの前のスタンドからは、ガラス越しにパドックを眺める事ができるので、季節や天候を問わず快適です。
というわけで、ここからはパドックの様子を位置ごとに紹介していきます。
大井競馬場パドック スタンド側
最初に紹介するのは、スタンド前の位置です。
馬券売り場に近いこともあって、1番人が多い場所となっています。
真ん中あたりに立つと、このように馬が見えます。
ナイター照明が良い感じに当たっているのでしょうか、馬の毛づやを確認したいならここから観察するのがベストです。
最前列から眺めると、こんな感じです。
ラチと呼ばれる白いフェンスが少し邪魔なのと、馬を少し下の方から眺める感じになるので、あまり馬の調子を観察するには適さない場所といえます。
ただし馬が好きで、写真を撮りたい人にはおすすめの場所です。
大井競馬場パドック サイド側
サイド側はこのようになっています。
以前は階段状でしたが、改修によって花壇ができたことで段差は無くなりました。
かぶりつきで見るとこのような感じです。
馬を上から見る感じになっていて、見やすいことは見やすいですね。
しかし、カーブのところでは馬は小走りになる時が多いので、じっくり馬をを観察する事には適していません。
大井競馬場パドック パドックビジョン側
最後に紹介するのが、スタンドと逆の位置にある大型映像装置の下です。
スタンドから遠い距離にあるので、大きいレースの無い時はご覧のようにガラガラの状態となってます。
真ん中から馬を見ると、このような感じで見えます。
ナイター時は、ここからだと照明が当たらないみたいで、はっきりと馬の毛づやが見にくいです。
馬の調子をはっきり確認したいなら、反対側に行くのをおすすめします。
最前列で見るとこんな感じです。
反対側と見え方はあまり変わりません。
ただ人が少ないので、馬をカメラで撮影するには反対側より適しています。
大井競馬場パドック 大型映像装置
こちらが、大型映像装置です。
こちらもパドックの改修工事と同時期にリニューアルされました。
映像が鮮明でわかりやすく、オッズの表示も初めて訪れた人にもわかりやすいように表示されるようになっています。
パドックの最前列に立っていると、自分の姿が映ることもあります。
その時は、手を振って自分の存在をアピールしてみましょう。
ネットのライブ中継に映ることができます。
大井競馬場 各スタンドの紹介
以前の大井競馬場と言えば、薄暗くて汚いスタンドの中に昭和風の赤提灯居酒屋が入っているという、なんともくたびれた感じの建物でした。
そんなスタンドも、2000年代に入ってから徐々に整備されていき、今では女性1人でも気軽に入れる綺麗なスタンドに改装。
昔のスタンドを知っている人から見たら、信じられないくらい美しいスタンドになりました。
ここではそんな大井競馬場のスタンドを紹介していきます。
大井競馬場スタンド紹介 その1 G -frontスタンド
2014年をもって長年親しまれた2号スタンドが取り壊され、翌2015年新たに開設されたスタンドが、こちらの「G-front」と呼ばれるスタンドです。
モダンな造りでナイター開催時には光の演出もあるなど、女性でも入りやすい外観になりました。
トイレも綺麗で、誰もが安心して利用できます。
本馬場側はこのようになっています。
写真の様な椅子席が新たに新設されて、以前より快適に競馬を見ることができる様になりました。
座席はこの様な感じです。
全ての席にカップホルダーもついてます。
腰に優しく、座り心地は抜群でした。
スタンドから本馬場を眺めた光景です。
以前のスタンドと比べると段差が低くなっていて、高齢者の方にとっても優しい設計になってました。
当然ですが、レースも快適に観戦することができます。
Gーfrontスタンド 指定席
スタンド内の2F、3Fは指定席となっています。
今回僕は、ヴィクトリーシート(料金1,000円)という2階にある指定席を利用しました。
こちらがヴィクトリーシートの座席になります。
座り心地もよく、机とカップホルダーが付いていて快適なシートです。
ヴィクトリーシートから見た本馬場がこちら。
正面上にはオッズとパドック、レース映像を見ることができます。
スタンドの位置もゴールの近くなので、1,000円という価格はかなりお得なのではないでしょうか。
指定席の入場ゲートはこちらです。
購入した指定席券のバーコードを端末にかざせば、ゲートが開きます。
ちなみに3階の指定席は、プライムシート(3,000円)とグループで利用できる4人掛けのプライムボックス(12,000円)、8人まで入れるプライムルーム(30,000円)です。
完全キャッシュレスで馬券が買えて、最新の設備を備えた指定席になってます。
大井競馬場スタンド紹介 その2 LーWINGスタンド
2003年に新たに誕生したこちらのL-WINGは、ゴール前にあるスタンドです。
上階のガラス張りの部分は全て指定席になっていて、ゴール前の迫力あるシーンをゆったりと座りながら観戦できます。
屋外のスタンド席はこのような感じです。
上段の席には背もたれがありますが、下段は背もたれ無しの独立席でした。
中段には、冬に暖を取るためのパラソル型ストーブが置いてあります。
スタンドから本馬場を見るとこんな感じです。
少しゴールを過ぎた辺りにスタンドが設置されているのがわかります。
ゴール前の接戦を見るには、あまり適さない場所です。
続いて、LーWINGの中を見ていきましょう。
スタンド2階の馬券売り場です。
綺麗でいい雰囲気のスタンドとなっています。
スタンドのパドック側です。
ここは吹き抜けになっていて、オッズモニターがその部分に取り付けられていました。
1階には、お土産コーナーもありました。
LーWINGの指定席は3階と4階。
料金は1,500円〜2500円、ボックスシートが14,000円〜22,000円となってます。
大井競馬場スタンド紹介 その3 4号スタンド
大井競馬場の現在するスタンドの中で、最も古いのが4号スタンドです。
少しくたびれた感じのするこのスタンドには、グループで訪れた際に利用できるボックスシートがあります。
上階のガラス越しに見えるのは、ダイヤモンドターンと呼ばれる所で、競馬を観戦しながらゴージャスな席でビュッフェ形式の料理を味わえる指定席です。
この席は開催の1ヶ月前からプレイガイドで発売されます。
- 赤モツ
- 白モツ
を販売していましたが、入場制限による客足減少のためにこのような姿になってしまいました。
入場制限が無くなれば、また賑やかさがここに戻ってくるのでしょうか?
こちらは、4号スタンド内にある他地区の競馬場の馬券を販売する部屋です。
映像は見れますが、人がいません。
警備員さんも暇そうでした。
とまあこんな感じです。
これ以上言うことはありません。
大井競馬場 ウマイルスクウェア
2016年に、かつてスタンドのあった場所を広場にしたのが、こちらのウマイルスクウェアです。
ここでは、開催中様々なイベントが開催され、子供達の遊び場にもなってます。
トゥインクル開催時には、写真のようなイルミネーションの演出も行われているので必見です。
大井競馬場 競馬場ギャラリー
GーFRONTスタンドの向かい側にあり、大井競馬場の中では昔から存在していたこちらの赤レンガの建物。
この建物の中は飲食店の他に、大井競馬場の歴史を紹介した競馬ギャラリーになっています。
館内にはハイセイコーやタケシバオーなど、かつて大井競馬場を盛り上げたスターホースの紹介や、馬の蹄鉄や騎手が使用するヘルメットなどの道具が展示されています。
大井競馬場を沸かせたスターホースの写真やレリーフが展示されていて、競馬ファンにはたまらない場所です。
大井競馬場 グルメ紹介
続いては、皆さんお待ちかねのグルメに関して紹介していきましょう。
大井競馬場の飲食店には、美味しいお店が多く、特にナイター開催で仕事帰りにアルコール片手に食べる料理は最高です。
バリエーションも豊富なので、居酒屋気分で競馬場を楽しむことができます。
が、現在は入場制限の関係で多くのお店が臨時休業中。
現在(2022年3月現在)は約10件程度が営業している寂しい状態です。
観客が1,000人程しかいないので、仕方ないことではありますが。
というわけで、ここではGーfrontスタンドで営業していたカレー店を紹介しましょう。
今回は、カレー店「印度のルー」を選択。
こちらのお店は、基本となるビーフカレーのサイズ(並、大盛り、特盛)から選び、そこから
- トンカツ
- チーズ
- コロッケ
といったトッピングを追加しているスタイルです。
コクのあるルーで、お腹を満たすには最適なカレーでした。
この他にも、蕎麦やうどん、もつ煮込みといったグルメがあります。
お店は少ないですが、味は素晴らしいので安心して利用してください。
大井競馬場 アクセス紹介
大井競馬場へのアクセスは、京浜急行と東京モノレールが便利です。
京浜急行を利用する場合は、立会川駅で下車して徒歩10分。
東京モノレールを利用する場合は、大井競馬場前で下車して徒歩2分です。
京急立会川駅は、夕方以降を除くと普通電車しか止まらず、モノレール大井競馬場駅は、空港快速は停車しませんので注意しましょう。
都バスでもアクセス可能で、目黒駅または品川駅から品93のバスに乗れば、終点が大井競馬場正門になります。
まとめ
長くなってしまいましたが、今回は大井競馬場のスタンドやグルメ、コース紹介など全体に渡って色々と解説してきました。
大井競馬場は、現在に至るまで他の日本の競馬場に先駆けて次々と新しいチャレンジを続けてきて、日本競馬の発展に大きく貢献してきた競馬場です。
そんな大井競馬場は、4月からナイター競馬のトゥインクル開催が始まります。
誰でも気軽に入れて、馬券や食事などあらゆる側面で楽しめる競馬場なので、是非一度足を運んでみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!