ベトナムの首都であるハノイは、見どころが各所に分かれていますので、観光するにはタクシーやバスを使って移動する必要があります。
しかしはじめてハノイを訪れた方にとっては、「言葉の問題や路線が複雑で使いこなすのが難しそう」と尻込みしている方も多いのではないでしょうか。
ただコツさえ掴めばそこまで難しくなく、慣れてしまえばスムーズに移動可能です。
今回の記事では、ハノイの市内観光で利用できる交通手段について、ベトナムに3回旅行に訪れた筆者が、自らの経験も織り交ぜて解説します。
ぜひハノイ旅行の際の参考にしてください!
目次
ベトナムハノイで利用できる交通手段
ベトナムハノイの観光で利用できる交通手段は、以下の3つが基本です。
- ハノイメトロ
- 路線バス
- タクシー
市内をくまなく移動するには、路線バスまたはタクシーが基本の移動手段です。
タクシーは近年、「Grab」という配車アプリが誕生し、気軽に利用できることから以前より便利になりました。
近年は都市型交通のハノイメトロという電車も開通し、現在も延伸工事が行われているなど日々進化を続けています。
これらの交通手段に関して、詳しく解説していきましょう。
ハノイメトロ
ハノイメトロは、ベトナムに初めて誕生した都市型交通システムです。
2011年から建設工事が始まり、幾度の延期を経て2021年に開業しました。
現在路線は2A線の1線のみで、現在はハノイ駅からキムマー通りを経てニョンを結ぶ3号線が工事中です。
そんなハノイメトロは一体どんな路線なのか、以下に詳しく解説していきましょう。
ハノイメトロ 路線解説
ハノイメトロ2号線は、カットリン駅からハドン区にあるイエンギア駅までの全長13.1kmの路線です。
メトロという名前ですが、地下を走ることはなく全て高架を走ります。
駅は13駅で、カットリンからイエンギアまでの所要時間は約25分です。
運行間隔は朝夕のラッシュが6分、日中は10分間隔の運行となります。
正直沿線に観光地はほとんどなく、観光客向けの乗り物ではありません。
しかしハノイの街を上から眺められるという、これまでは考えられなかった体験のできる路線なので、乗って損はありません。
カットリン駅
こちらが、ハノイ市中心街にあるハノイメトロのカットリン駅です。
駅まではタクシーで旧市街から約10分、バスで行く場合は近隣のキンマーバスターミナルから徒歩で約7分です。
ただバスで行くには、ハノイ初心者にとってはかなりハードルが高いので、無難にタクシーを利用するのをおすすめします。
こちらが、カットリン駅の入口です。
何だか凄い巨大な造りですが、日中はそこまで人が多くありません。
入口にはバイクタクシーの運ちゃんが、客待ちで待機しています。
彼らは無理矢理語りかけてくることもありますが、必要ないなら無視しましょう。
改札口はエスカレーターを登ったところにあるので、電車に乗る際はそちらへ移動しましょう。
切符の買い方
続いて、切符の買い方について解説します。
切符は、改札口の向かい側にあるこちらの自動販売機で購入しましょう。
こちらが、カットリン駅からの切符の料金表です。
一区間が8,000ドン(約50円)で、終点までは15,000ドン(約95円)と、そこまで高い価格ではありません。
バスの運賃が最大9,000ドン(約57円)なので、東南アジアの都市交通の中でもかなり安い部類に入ります。
切符の購入方法は、次の通りです。
- 画面にある行き先のボタンを押す
- 枚数を選択
- お金をいれる
- 画面右下のボタンを押す
- お釣りと切符が出てきて購入完了
注意事項としては、お札を入れる時に決められた位置から入れないと紙幣が入っていきません。
左右に隙間を作るようにしてお札を入れれば、簡単に入ります。
どうしても入らない場合は、こちらの窓口に行って駅員に駅名を告げればチケットが購入可能です。
一部の駅には、切符の買い方を教えてくれる変なお兄さんがいます。
困っていると買い方を教えてくれますので、気軽に尋ねましょう。
後からお金をタカることはありませんので、ご安心を!
こちらがチケットです。
プリペイドカード方式のチケットで、ハノイの観光名所の写真が掲載されています。
チケットを購入したら。自動改札を通りましょう。
ここでは、日本のSuicaと同様にタッチすれば通過できます。
降りる時は、「INSERT TICKET」のところにチケットを差し込めば、改札を出られます。
入退場共に日本とほぼ同じようなやり方なので、それほど難しくありません。
電車に乗るまで
改札を通過したら、エスカレーターに乗ってホームへ向かいましょう。
ホームは一応扇風機がありますが、かなり蒸し暑い環境でした。
ホームと電車内は飲食禁止ですので、水などを飲む時は改札を通過する前に済ませておきましょう。
こちらが、先発と次発の電車の到着時間を伝える電光掲示板です。
ベトナム語なので何が書いてあるかわかりませんが、右から2番目に数字で「2、12」と書いてありました。
「phút」とはベトナム語で「分」を意味するので、ここでは「2分後に到着」「12分後に到着」と電車が到着するまでの時間を表しています。
こちらを参考にして、電車を待ちましょう。
電車の車内
ホームでしばらく待っていると、電車がやってきました。
ハノイメトロ3号線の電車は、写真のように緑色のラインがあるのが特徴です。
車内はこちらです。
座席は他の東南アジア各国の地下鉄と同様に、プラスチックでできた椅子でした。
広告も壁に無く、かなり殺風景な雰囲気です。
黄色い席は優先席ですので、高齢者の方が来たら席を譲りましょう。
車内は冷房が効いてて涼しく、火照った体をいやすには最高の空間です。
目的地に着いたら、電車を降りましょう。
なおハノイメトロは、日本の鉄道と異なり右側通行で運行しますので、乗車する時は方向を間違えないようにしましょう。
ハノイメトロの沿線には、観光地はほぼありませんが、話の種にするには最適です。
ハノイを訪れたら、ぜひ乗車してみてください。
ハノイ 路線バス
続いては、バスの紹介です。
バスはハノイ市内を網目のように走っていて、市民に欠かせない交通手段として利用されています。
路線はかなり複雑なので、言葉の問題もあって乗りこなすのが難しいのでは?思っている方は多いのではないでしょうか。
確かに路線は複雑ですが、乗り方を覚えてコツを掴めれば便利に利用できます。
おまけに運賃も安いので、使いこなせば移動にかかる運賃を節約可能です。
ここからは、ハノイの路線バスについて解説していきましょう。
バス車両
ここからは、ハノイの路線バスで使用されている車両について解説します。
写真のバスはハノイ市で以前から使用されている定番の車両で、床も汚くちょっと古めの車両です。
以前乗車した時は、押しボタンにハングル文字が書かれていました。
近年主流になっているのは、こちらの水色のバスです。
冷房はそこそこ効いていて、バスは古いタイプと新しいタイプが点在していました。
路線によっては、このような小型のバンのバスも使用されています。
近年新しく出現したのは、こちらの黄緑色のEVバスです。
2021年に導入されたこちらのバスは座席も綺麗で、しかも冷房も強く設定されていて、暑さでバテた身体を回復させるには最適のバスでした。
しかも揺れも少なく、快適に利用できます。
これらのバスが混在していて、どのバスが来るかは運次第です。
なおバンコクのように、冷房なしのバスはありません。
バスの乗り方
バスの乗り方は、難しいように思えますがそこまで難しくありません。
ベトナムは車が右側通行ですので、方向を間違えないようにしましょう。
バス停の位置は、Googleマップで停留所のところを検索すれば、ざっくりした行き先と時刻表が出てきます。
バス停には停車するバスのナンバーが書かれた看板がありますので、乗車前に確認しましょう。
案内はベトナム語のみですので、わからない場合はスマホで目的地の地図や写真を見せて、行き先を車掌さんにたずねてみてください。
バスが来たら、手を上げて乗車の意思を伝えましょう。
ベトナムでは、手を上げなくても止まってくれる場合がありますが、一応手をあげるようにしてください。
なおドアが空いてもきっちりブレーキをかけて止まらない場合が多いので、乗る時は気をつけましょう。
また必ず急発進や急ブレーキをかけるなど運転は荒いので、転倒にも注意が必要です。
降りる時はボタンを押したり、車掌さんに降りる合図を送るなどして降りましょう。
降りる意志を示しても無視されて出発する場合もありますので、降りる意志は強めに出すようにしましょう!
バスの運賃
ハノイの路線バスは、市内中心部であれば7,000ドン(約45円)と信じられない価格で利用可能です。
区間によっては8,000ドン(約50円)または9,000ドン(約57円)となっていて、この辺はちょっと複雑なので解説は省略します。
ベトナムのバスには、運転手だけでなく車掌さんが必ずバスに乗っていて、料金の徴収するのが一般的です。
基本的に車掌さんは英語がわからないので、Googleマップを見せて降りたいバス停の近くの建物を見せたりすれば、降りる場所を理解してくれます。
その後に運賃を教えてくれるので、現金を出して料金を支払えば問題ありません。
以前はお釣りが出ないことで有名でしたが、近年は車掌さんもお釣り用のお金を用意しているので、10万ドン札でもお釣りが出てきます。
とはいえあまり大きい札束を出してしまうと大変なので、1万ドンや2万ドンの札をなるべく用意するようにしましょう。
ハノイ タクシー
最後に、ハノイ市内を走るタクシーについて解説します。
多少料金はかかりますが、できる限りスムーズに移動するには便利な乗り物です。
ハノイのタクシーには、以下の3種類があります。
- 正規タクシー
- Grabタクシー
- バイクタクシー
それぞれどのようなタクシーなのか、順番に解説していきましょう。
公共タクシー
最初に紹介するのは、ベトナムの公共タクシーです
ベトナムで最も利用されているタクシーで、観光客にも利用しやすいタクシーは以下の3つになります。
- ビナサンタクシー(青色)
- マイリンタクシー(緑色)
- ビナタクシー(黄色)
初乗り11,000ドンで、その後は1kmごとに14,500ドン上がっていく仕組みとなっています。
比較的安全に乗れるタクシーですが、まれにメーターを動かさないなど悪質な方法で客を騙すドライバーもいるので気をつけましょう。
その場合は、即座にタクシーを降りて拒否の姿勢を見せるようにしましょう。
Grabタクシー
近年観光客の間で多く利用されているのが、配車サービスのGrabによるGrabタクシーです。
無料のアプリから使用したい国を選んで滞在している都市を選んで、クレジットカードを登録すれば誰でも簡単に利用できます。
アプリトップ画面で「Car」を選択し、目的地を直接入力するか、右上の地図をクリックして目的地をクリックします。
そして乗車したい車のタイプを選択すれば、予約完了です。
予約完了するとやって来る車のナンバーが表示されるので、到着までその場で待ちましょう。
タクシーの現在位置は、地図を表示すればGPSで位置確認できます。
車が到着したら必ず車のナンバーを見て、合っていたら車に乗りましょう。
後は車に揺られて、目的地まで連れていってもらえば終了です。
それまで利用したことがなかった僕でも、迷うことなく簡単に操作ができました。
料金はあくまで目安ですが、15分ほど乗って39,520ドン(250円)、旧市街からノイバイ空港まで302,640ドン(約1,900円)です。
利用終了後、スマホにチップをいくら支払うかという表示が出ますが、最低金額である1,000ドン(約6円)を押しておけば問題ありません。
ただし親切な接客だった場合は、それ以上の金額をチップとして与えましょう。
ベトナムにはこの他にも、
- 「Be」
- 「Gojek」
といった配車サービスがありますので、ベトナムを訪れたら有効に使ってみましょう。
バイクタクシー
短い距離の移動をするなら、バイクタクシーを利用するのもおすすめです。
バイクタクシーは大抵観光地で客待ちをしていて、料金は交渉制になってます。
しかしGrabやBeなどのアプリを利用すれば予め料金が決まっているので、面倒な料金交渉の必要はありません。
Grabの場合、車の絵の横にあるバイクの部分をタップすればOKで、料金もタクシーより安い金額で利用できます。
タクシーと同様にバイクにもGPSが搭載されていて、地図にバイクの位置が記されますので、それを見ながら到着を待ちましょう。
到着したら、備え付けのヘルメットをかぶってドライバーの後ろに乗って移動します。
ベトナムの道路を走るバイクが、どんなスピード感なのかを体感するのにおすすめです。
長距離移動には利用できませんが、暑いので楽に移動したいと思ったら、積極的に利用してみましょう。
まとめ
今回は、ベトナムの首都のハノイを市内観光で移動するときに便利な移動方法について解説しました。
ハノイを移動する交通手段は、以下の5つです。
- ハノイメトロ
- 路線バス
- 公共タクシー
- Grabタクシー
- バイクタクシー
使い方次第で、広いハノイ市内を自由かつ簡単に移動できます。
今回の記事を参考にして、ハノイ観光を満喫してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。