子供だけでなく大人まで、幅広い世代に愛されている「それいけアンパンマン!」
そんなアンパンマンの世界を満喫できる列車が、四国にあることをご存知でしょうか?
それが今回紹介する、「特急南風アンパンマン列車」です。
岡山〜高知間を結ぶ特急南風は、一部列車がアンパンマンのキャラクターが車体に描かれている車両を採用していて、鉄道好きの大人だけでなく子供の間でも話題になっています。
そんな「アンパンマン列車」とは、一体どんな列車なのでしょうか?
今回は、四国を走る特急南風「アンパンマン列車」の魅力を紹介します。
親子で四国へ旅行に行く時におすすめですので、ぜひ旅行の際の参考にしてください!
目次
特急南風 基本情報
特急南風は、JR四国によって運行されている特急電車で、岡山〜高知間を約2時間40分で結びます。
香川県の多度津駅から高知県の窪川駅までを結ぶ土讃本線を主に走る列車で、途中の琴平〜高知間は非電化区域になっているので、使用する車両はディーゼル気動車です。
現在の主力車両は、上の写真にある2019年に新たに誕生した2700系で、南風以外でも
- 岡山、高松〜徳島を結ぶ特急うずしお
- 高知〜中村を結ぶ特急あしずり
- 高松〜高知、中村を結ぶ特急しまんと
でも使用されています。
この車両のすごいところは、気動車とは思えないそのパワーとスピードです。
特に、阿波池田〜土佐山田間はひたすら勾配とカーブが激しい険しい道を通っていかなければなりません。
ここは最高25‰の急勾配や急カーブが続く四国山地や、大歩危峡、JR四国最高点(347.4m)などと、とにかく険しい道のりなので、列車もそれに耐えうる馬力が必要となります。
四国山地には、真冬には雪が積もることもあります。
土讃線最大の難関とも言えるこのルートを、豪快なエンジン音を鳴らして駆け抜ける2700系。
その最高速度は約130キロで、高知までの鉄道によるアクセスには欠かせない列車として君臨しています。
四国を訪れる際には、ぜひそのパワフルな走りを体感することをおすすめしたいです。
特急南風号の停車駅
特急南風号の停車駅は以下の通りです。
- 児島
- 宇多津(高松方面乗り換え)
- 丸亀(観音寺、今治、松山方面乗り換え)
- 善通寺
- 琴平(金比羅山最寄り駅)
- 阿波池田(徳島線乗り換え)
- 大歩危(大歩危峡最寄り駅)
- 大杉(一部停車)
- 土佐山田
- 御免
となっています。
岡山から、丸亀や善通寺、金比羅山や徳島の大歩危峡、日本一の杉として名高い「杉の大スギ」など、道中には見所満載ですので、高知に行く以外でも利用できる便利な特急です。
南風 アンパンマン車両の紹介
ここからは、特急南風のアンパンマン列車の座席や車両について紹介します。
特急南風は、基本3両編成での運行で、
- 1号車:グリーン車と指定席が半分ずつ
- 2号車:指定席と自由席が半分ずつ
- 3号車:自由席
という座席です。
なお南風7号と6号に関しては、岡山〜多度津まで6両編成で運行し、多度津から後ろの3両が切り離され、高松経由徳島行きの特急「うずしお」として運行されます。
アンパンマン列車には、車体にアンパンマンのキャラクターがプリントされた列車です。
今や、高知の名物と言っても良いアンパンマン列車。
一体どんな列車なのかじっくり解説していきましょう。
アンパンマン車両の車体
こちらが、アンパンマン車両です。
ご覧のように、車体にはアンパンマンが堂々とプリントされていて、アンパンマン好きの子供にはたまらない外観となっています。
なぜこの列車が高知を走っているのかというと、アンパンマンの作者であるやなせたかし先生が高知県の香美市出身だからです。
先生が育った香美市には、やなせたかし記念館(アンパンマンミュージアム)という美術館があり、南風号の切符と入場券などがセットになったプレミアム切符が、2023年4月から発売されます。
切符の詳細は、下記のリンクを参考にしてください。
車体はこのような感じでした。
アンパンマンでお馴染みのキャラクターが全面に描かれていて、大人でもテンションが上がってしまいます。
キャラクターはかなりたくさん描かれてますので、キャラクターの名前を思い出しながら盛り上がれたりできます。
車両の真ん中に描かれたドリアン王女が、かなりインパクトがありますね(笑)。
こちらは、大歩危駅ホームで撮影したアンパンマン列車です。
車体には、ばいきんまんとドキンちゃん、そして妹のコキンちゃんが描かれてました。
大歩危とは、吉野川の美しい渓谷美が見れる四国有数の観光地。
こんな可愛いイラストが描かれた列車が、このような景色を横目に走る光景はなかなか面白いものです。
特急南風のアンパンマン列車は、
- 赤色
- 黄色
の2色の列車が走っています。
上の写真は、赤色のアンパンマン列車です。
こちらの車両には、巨大なアンパンマンの絵が。
ジャムおじさんやバタ子さん、メロンパンナちゃんの姿も見えます。
こちらにはしょくぱんまんやおむすびまんに、こむすびまん、そしてなぜか変装したばいきんまんとドキンちゃんもいました。
このように、アンパンマンに詳しく無くてもなぜかテンションが上がってしまうアンパンマン列車。
高知駅に列車が入線する時には、OPテーマの「アンパンマンのマーチ」が、発車後アナウンスはアンパンマン(CV.戸田恵子さん)が担当しています。
なおアンパンマン列車は毎回運行されるわけでは無く、普通の2700系列車で運行する場合もありますので、乗車したい場合は事前に時刻表をチェックするようにしましょう。
特急南風 アンパンマン車両の紹介
それではここから、アンパンマン列車の
- 指定席
- グリーン席
- 自由席
とシート別に解説していきましょう。
アンパンマン列車の車内にはこの他にも、アンパンマンをフィーチャーしたイラストや座席がありますので、こちらも合わせて紹介していきます。
なお、南風号は全席Wi-Fi完備です。
通路
トイレなどがある通路も、このようにアンパンマンのキャラクター達で埋め尽くされています。
床は虹になっていました。
さらにトイレ内にもアンパンマンを中心に、壁紙に無数のキャラクター達が描かれています。
子供達にとっては、安心して用を足せるトイレと言えるでしょう。
アンパンマンのイラストが描かれた通路とトイレは、1号車のみとなっています。
他の車両はこのように、ただの「特急南風号」の風景で、特にイラストなどは無い普通の通路とトイレでした。
普通車指定席 アンパンマンシート
アンパンマン列車最大の目玉が、こちらのアンパンマンシートです。
ご覧のように、アンパンマンのキャラクターがデザインされた座席となっていて、アンパンマン好きのお子さんにとってはなんともたまらない席と言えますね。
こちらの席は、普通の指定席と同様に券売機で当日購入はできず、アンパンマンシートを専用の指定席券を事前に予約購入する必要があります。
全部で16席しかないので、週末などは混雑が予想されますので早めに予約しましょう。
チケットは乗車日の1ヶ月前に販売され、JR四国の窓口またはJR西日本の「e5489」という予約サイトから購入可能です。
それでは、アンパンマンシートを詳しく見ていきましょう。
こちらは、アンパンマンと赤ちゃんまん、ロールパンナちゃんの座席です。
こちらにはメロンパンナちゃんやコキンちゃんもありました。
よく見ると、壁にもキャラクターが描かれていますね。
こちらには、ばいきんまんの座席もありました。
ばいきんまんだからといって、別に汚い席ではありませんので座ることになっても悲観するのはやめましょう。
座席になると、なんだかコミカルになりますね。
とにかく、大人から子供まで童心に帰ってしまうアンパンマンシート。
アンパンマン車両に乗る機会があったら、是非予約して乗車してみましょう。
グリーン車
アンパンマン列車の1号車は、先程紹介したアンパンマンシートと、こちらのグリーン車両が半分ずつ完備されています。
南風号のグリーン車の座席は、もう見ての通りの豪華な造りでした。
なんと、Wi-Fi+全席コンセント付きと至れり尽せりとなっています。
しかも満席になることはほぼありませんので、課金して移動するだけの価値は十分ある席です。
座席に座るとこんな感じで、前との座席間隔がこれでもかというくらい広く、感動すらおぼえるほどでした。
岡山〜高知間の2時間45分をゆっくり過ごすなら、絶対におすすめです。
ちなみに岡山〜高知間をグリーン車で行くと8,340円、指定席なら6,070円、自由席なら5,540円と3,000円の課金でこのシートに座ることができます。
指定席
特急南紀号の指定席は、2号車にあります。
2号車は、高知方面の1番から9番までの席が指定席で、10番台以降の席は自由席です。
なので、自由席の切符を持っている方は間違って指定席に座らないように気をつけましょう。
ちなみに、指定席の座席には「指定席」とカバーに記載されていますので、2号車で自由席に乗車する際は必ず確認しましょう。
自由席
最後に紹介するのは、自由席です。
2号車の半分と3号車の全ての座席が自由席になっています。
自由席ではありますが、広々とした背もたれで、長時間くつろぐには最適の座席でした。
長時間の利用を考えた造りになっていて、快適さなら新幹線より上かもしれません。
前との座席の間隔がこちらです。
グリーン車には及びませんが、負けず劣らずの快適さでした。
十分に足を伸ばせるので、快適に過ごすことができます。
床も明るい木製のデザインで、落ち着いた雰囲気でした。
特急南風号を利用する際の注意点
快適な座席が用意されて、岡山から高知までをスムーズにかつパワフルに移動する特急南風号ですが、実は利用するにはいくつかの注意点があります。
南風号の注意点は、
- 四国山脈を走る際は電波が悪くなる
- カーブが激しく、乗り物酔いの恐れも
- 対向車の待ち合わせや接続による遅れもしばしば
と以上の3つです。
順番に解説していきましょう。
四国山脈内は電波が悪い
特急南風号は、阿波池田〜土佐山田の間は四国一険しいことで知られる四国山脈の山道を通ります。
人も住んでいないような山村かつ標高の高い場所を走るので、この場所は携帯の電波が届かなくなってしまうので注意が必要です。
実際、かなり途切れ途切れになっていましたので、車内でパソコン作業をしている人は気をつけましょう。
ちなみに電波が悪くなったのは、主にこの辺りです。
カーブが激しく乗り物酔いの恐れも
特急南風は、高知から徳島にかけての四国山脈の他に、徳島から香川にかけての山脈と2度の険しい山脈越えをしなければなりません。
なのでその場所を走行する際には、キツいカーブの連続なのでかなり揺れます。
この揺れはかなり激しく、車掌さんからも「立っている方は転倒しないように気をつけて」と注意喚起がされるほどです。
乗り物しやすい人も、揺れによって酔ってしまう恐れもあるので、こちらも注意しましょう。
対向列車の待ち合わせや接続の遅れもしばしば
南風号が走る琴平〜高知間は単線区間となっている関係で、対向列車を待つための運転停車も時々行われます。
ただ、対向車がなんだかの事情で遅れてくる場合も多く、実際の所要時間より最大10分ほど遅れる場合も多いので、利用の際は余裕を持ったスケジュール調整をするのも考えておきましょう。
僕が乗車した時も、高知駅で向かい側の須崎方面から来る普通列車が遅れてきた関係で、出発が5分遅れたこともありました。
単線の非電化では、この様に列車交換をしなければならないので、こうした事象はしばし起こることを頭に入れておきましょう。
まとめ
今回は、四国を走る特急南風号の「アンパンマン列車」について紹介してきました。
車体一面にアンパンマンのキャラクター達が描かれていて、車内にもアンパンマンのキャラクターをモチーフにした座席があるというこだわりぶりで、アンパンマン好きの子供達にとっては大興奮間違いなしです。
四国旅行の思い出としてぜひ乗ってみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。