台湾の西側の台北〜高雄間には、日本の新幹線とほぼ同じ車両を使用している台湾新幹線が走っています。
台湾を代表する都市である台北〜高雄間を最速約1時間30分で結ぶことから、通勤や観光など幅広い需要を誇る台湾新幹線ですが、
言葉の問題とかで、乗るのが難しそう。
そう思う方は多いのではないでしょうか?
結論から言いますと、台湾新幹線はコツさえわかれば切符購入から乗車までそんなに難しくありません。
切符購入時は日本語も利用でき、車両は日本の新幹線とほぼ同じなので、日本人にとっては何の違和感も無く利用できます。
今回は、そんな台湾新幹線の乗り方と座席、切符の種類に付いて詳しく解説していきますので、台湾旅行の参考にしてみてください。
目次
台湾新幹線 基本情報
台湾新幹線(台湾では「高鉄」)が開業したのは、2007年の1月のことでした。
日本の新幹線の技術を初めて海外へ輸出した最初の例として、車両など様々な面で日本の新幹線の影響を感じる台湾新幹線。
最高時速は約300kmで、乗った感触は日本の新幹線とほとんど変わりません。
それもそのはず、この電車は700T型という車両を使用していて、かつて東海道山陽新幹線で走っていた700系新幹線(現在は廃止)と全く同じ構造になっています。
昔から東海道新幹線を利用していた人には、何だか懐かしい気分になること間違いなしです。
現在は、台北東部の「南港」駅から台湾第2の都市高雄の「左営」駅の全長約345kmを結び、所要時間はノンストップ便なら1時間30分、各駅停車の電車なら2時間でアクセス可能です。
ちなみに、それ以外の交通手段での台北〜高雄の所要時間は、
- 特急「自強号」約3時間
- 高速バス 約5時間
となってますので、短時間で台湾西部を移動したい場合には最高の交通手段となっています。
台湾新幹線 停車駅
台湾新幹線の駅は全部で12駅です。
*台湾では駅のことを「車站(しゃたん)」と言います。
|
この内、苗栗、影化、雲林の3つは2015年に開業した新駅です。
停車駅は電車によって違います。
以下に簡単に解説しますので参考にしてください。
台湾新幹線の停車駅について
台湾新幹線の停車駅は、主要駅に停車する以外ほぼノンストップで走る電車があったり、全ての駅に停車する電車など様々です。
日本の新幹線のように、「のぞみ」、「ひかり」、「こだま」、「やまびこ」、「とき」のような愛称はついておらず、停車駅は全て駅の時刻表か表示板を見て確認します。
ちなみに、こちらが台湾新幹線の時刻表です。
停車駅は、初めて利用する際にはちょっと複雑な構成となっています。
まず、全ての列車が停車する駅は、
|
のみとなっています。
この他の台湾新幹線の基本運行スタイルが、
|
という感じになっていますので、必ず事前に時刻表をよく確認しましょう。
台湾新幹線 切符購入方法
ここからは、台湾新幹線の切符の購入方法について紹介していきます。
まず、新幹線の切符を購入するには、
- 駅の自動券売機
- 駅の窓口
- 台湾新幹線のHP
の3つの方法があり、購入することはそれほど難しくありません。
ただ、初めて購入する人にとっては言葉の問題などで難しいかもしれませんので、3つの方法の中から自分に合った買い方を選んでみてください。
自動販売機で購入
最初に紹介する購入方法は、駅にある自動券売機から購入するやり方です。
当日券はもちろん、事前購入も可能で初めて購入する方でもわかりやすい操作方法となっています。
台北駅では、地下鉄の駅構内にも新幹線の自動販売機が設置されてました。
自動券売機の操作方法はとても簡単です。
こちらが、自動券売機のトップ画面です。
上から、
- 「Non-Reserved Seat(自由席購入)」
- 「Reserved Seat(指定席購入)」
- 「Ticket Pick Up(予約券の引き換え)」
となっています。
なお、現金とクレジットと両方使える機械とクレジットカードのみ使用可能の機械と2種類ありますので、気をつけましょう。(写真はクレジットカードのみの券売機)
当日券を購入する場合は、「Non-reserved seat」か「Reserved Seat」をクリックし、上記の画面から出発地のの駅を選択し、目的地の駅を選択します。
そうすると、近い時間帯に発車する時刻表が提示され、「Standard(指定席)」、「Business(ビジネスシート)」の2つから選びましょう。
写真のように、満席の場合は「Not avaliable」と表記されているので、その電車は購入することができません。
別の時間帯を探したい場合は、「Other Times」を押して調べましょう。
乗りたい車両が決まったら、シートのところをクリックしチケットの詳細を確認したら、「Confirm」をクリックし、購入へ進んで、現金またはチケットで料金を支払えば購入完了です。
そしてこちらが、台湾新幹線の切符です。
商務廂とは車両のことで、この場合は6号車になります。
座位とは座席の位置のことで、この場合は2番のCという意味です。
窓口で購入
切符は、窓口で購入することも可能です。
当日券の購入だけでなく、予約したチケットの引き換えもできます。
思わず言葉の心配をしてしまいますが、駅員さんは基本的に英語が話せますので、簡単な英語が話せれば問題ありません。
英語に不安な場合は、行き先をメモして見せるのでもOKです。
オンラインで購入
初めて新幹線を利用する方で、1番便利な購入方法はHPからオンラインで購入する方法です。
台湾新幹線のHPは、「日本の鉄道?」と思わず思ってしまうほど流暢な日本語のページがありますので、初心者でも日本の鉄道を予約している感覚で予約することができます。
|
という流れになっております。
自動販売機でも、トップ画面にある「Ticket Pick Up」をクリックして予約番号とパスポートナンバーを入力すれば発券可能です。
この他にも、チケットの発券は街中のコンビニ端末でもできます。
台湾新幹線の予約や切符購入の際には、パスポートナンバーが必須となりますので、パスポートの用意は忘れずにしましょう!
台湾新幹線 空席リスト表
こちらは、切符販売窓口の近くにある指定席の空席情報を示すリスト表です。
当日切符を購入する際には、まずこの空席情報をチェックしましょう。
ここでは日本の新幹線と同様に、直近に発車する新幹線の指定席、ビジネス席の空席状況を確認できます。
ただ、台湾新幹線は指定席はすぐに埋まってしまい、特に朝夕の混雑した時間帯に指定席を購入するのは難しいと言っていいでしょう。
みんな席に座りたいし、自由席と指定席の料金で差がないからです。
どうしてもこの電車に乗りたいと思った場合は、オンライン予約や乗車の数日前に窓口で購入するなどの対策をすることをおすすめします。
台湾新幹線 料金表
こちらは、自動券売機の横にある新幹線の料金表です。
左側に書かれているのがビジネスシート、真ん中は指定席で左から早割料金で
- 35%
- 20%
- 10%
- 正規料金
の順で、1番右側が自由席料金になります。
写真は台南駅からの料金で、台北までの料金は
指定席(正規料金):1,350元(約5,400円)
ビジネスシート:2,230元(約8,920円)
台湾新幹線 乗車方法
無事に切符を購入できたら、いよいよ新幹線に乗車しましょう。
乗り方は簡単で、日本と同様に新幹線の改札口は日本で言う在来線とは別々となっていて「高鉄乗車方向」と新幹線のイラストが書かれていますので、初めて利用する方でも簡単に見つけることができます。
案内表示板
こちらが、改札口のところにある電車の案内表示板です。
「月台」とはホームの意味で、左が1B線、右が1A線から出発する電車の案内になります。
上が先発、下が次発の電車で、上段には
- 列車番号
- 行き先
下段には
- 出発時刻
- 自由席車両の位置
なお、進行方向は左営駅方面行きは「南下(Southbond)」、台北方面行きは「北上(Northbond)」と表現しますので覚えておきましょう。
自動改札口
記念に残したいと思わなければ、単なるゴミになります(笑)。
台湾新幹線 座席の種類について
ここからは、台湾新幹線の座席の種類について解説します。
台湾新幹線の座席は、
- ビジネスシート
- 指定席
- 自由席
の3種類です。
順に解説していきましょう。
ビジネスシート
最初に紹介するには、日本の新幹線で言えばグリーン車に当たるビジネスシートです。
ビジネスシートがあるのは6号車のみとなっております。
こちらがビジネスシートの座席です。
ゆったりと包み込むようなシートで、高いお金を払うだけの価値がある座席でした。
このように肘掛けも大きく、コンセントも1席に1つあって、スマホなどの充電も可能です。
こちらが前との座席との間隔です。
とにかく足元が広く作られていて、ゆっくり足を伸ばして座れます。
網棚には、飛行機のように安全のしおりと情報誌(全編中国語)がありました。
前方の出入口には、日本の新幹線同様にニュース速報や天気予報、次の駅を知らせる案内表示があります。
その扉のところには、大きな荷物を置くための荷物置き場もありました。
ビジネスシートの最大の特権は、全てのお客さんにドリンクとお菓子、新聞が無料でサービスされることです。
こちらが、サービスのコーヒーとお菓子になります。
お菓子はおそらく日替わりかどうかわかりませんが、雪花餅というお菓子がこの日は配られました。
コーヒー以外のドリンクを飲みたい場合は、このように水やジュースも用意されています。
料金が高い分、こうしたサービスは素晴らしいものがあります。
当日でも余裕で購入できる場合が多く、しかも日本のグリーン車よりもかなり人が多く賑わっていました。
指定席
続いて紹介するのが指定席です。
台湾新幹線では、全12両編成で1〜5、7〜9号車が指定席となっていて、最も座席数の多い席種となっています。
その反面、みんな座って移動したいということから座席はすぐに売り切れてしまうこともあり、当日券を購入する際時間帯によってはかなり後続の電車になる恐れも。
なので、もし乗車する日程が決まっていたらHP上から事前に予約をすることをおすすめします。
こちらが、指定席の座席です。
かつて東海道新幹線を走っていた700系新幹線とほぼ同じ座席なので、東海道新幹線をよく利用している方には馴染みの深い座席となります。
座席は2✖︎3の形式で、座席にコンセントはありません。
が、デッキのところにはなぜか充電専用の部屋がありました。
元々電話室だったところなのでしょうか?
ちなみにビジネスシート同様に、前方後方には荷物置き場がありました。
前との座席の間隔はこのような感じです。
そこそこ広く、快適にくつろげます。
ビジネスシートと同様に、網棚には小冊子と安全のしおりがありました。
自由席
台湾新幹線には、空いてる席に自由に座れる自由席も用意されています。
自由席は、基本的に10号車、11号車、12号車に位置していて、空いてる席があれば自由に座ってOKです。
指定席より少し安い金額で利用できますが、席が空いていなければ当然座ることができないので、その場合は通路に立つことになります。
デッキ内には自動販売機もあるので、その近くに座れたらちょっとラッキーです。
座席は指定席と同じなので、確実に座りたければ指定席を購入しましょう。
台湾新幹線 駅について
最後に、台湾新幹線の駅について解説しましょう。
実は台湾の新幹線は、日本の新幹線のように大動脈の在来線と一緒の駅にあるわけではありません。
- 南港
- 台北
- 板橋
- 新左営
の4駅は台鉄の本線と同じ場所にある駅ですが、その他の駅は中心街からかなり離れた場所にあります。
もし市街地へアクセスする場合は、電車またはバスに乗り換えて10分〜20分くらいかかることを頭に入れておきましょう。
ちなみに、高鉄の台南駅と台鉄の台南駅は約15km離れています。
アクセスするには、高鉄台南駅の隣にある沙崙駅から20分に1本運行の電車に乗り換えて約20分かかるので、少し時間がかかる難点があります。
なので、台南から高雄へ電車で行くのであれば、新幹線より台南駅から普通電車でアクセスする方が早く到着するので気をつけましょう。
もし台北、または高雄から日帰りで沿線の都市へ新幹線旅行を考えている方は、高鉄の駅から中心地駅への移動時間を念頭に考えて計画しましょう。
まとめ
今回は、台湾を走る台湾新幹線の
- 車両
- 切符の購入方法
- 車両と座席の種類
など乗車するために必要な知識を一通り紹介してきました。
日本の新幹線と利用方法が異なる部分も多いですが、車両は同じで乗るにもそこまで難しくありません。
新幹線を利用して、台湾旅行を満喫しましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。