【牡丹の花で有名】奈良の長谷寺のおすすめ散策ルートを紹介します

関西

奈良県桜井市の深い山あいに位置する長谷寺。

ここは日本でも有数の観音霊場としても知られていて、日本最大級の木造観音など多くの貴重な文化遺産が収められていることでも知られているお寺です。

また、「花の御寺(みでら)」とも呼ばれるほど境内には多くの花が咲いていて、特に4月に咲く牡丹の花は有名で、「牡丹まつり」が行われることでも有名となっています。

そんな長谷寺は、初瀬山の険しい中腹に建てられていて、かつ最寄り駅からの道のりも起伏が激しいことから、

「修行」

「巡礼」

という言葉がよく似合うまさに聖地です。

 

今回は、そんな奈良の長谷寺のおすすめ散策ルートを紹介していきます。

行けば必ず清々しい気分になれますので、ぜひ訪れる際はこの記事を参考にしてみてください!

 

 

長谷寺 アクセス紹介

長谷寺へ行くのには、近鉄電車を利用するのがおすすめです。

最寄り駅は、近鉄大阪線「長谷寺」駅です。
各方面からの行き方は、

  1. 大阪上本町から、急行電車で約50分
  2. 近鉄名古屋駅から、特急に乗って名張で急行に乗り換えて約1時間50分
  3. 近鉄奈良駅から、奈良線と橿原線を乗り継ぎ大和八木駅で大阪線急行に乗り換えて約1時間26分

と3つの方法があります。

特急電車は長谷寺駅には停車しません。

長谷寺駅から長谷寺までは、アップダウンの続く道を歩いたり、長い長い門前町をひたすら歩いて徒歩25分。

はっきり言ってかなり過酷な道のりなので、歩く余裕が無い方はタクシーの利用をおすすめします。

長谷寺駅から急な坂を下っていき、国道165号線に差し掛かったら、一級河川としてお馴染み大和川にかかる「参急橋」という橋を渡って右折。

そこから風光明美な城下町風の参道になりますので、突き当たりまでひたすら直進しましょう。
ちなみにこの参道は、緩やかな坂になっていて、しかもかなり長い距離(700m)になっているので歩くのはかなりきつい道になります。

長谷寺は、たどり着くまでが大変なのです!

なので長谷寺に行くというのはまさに「巡礼」という言葉がふさわしいと言えるでしょう。

長谷寺 門前町

 

長谷寺の本堂までの道中、「旧初瀬街道」と呼ばれるこの参道には、昔ながらの建物が立ち並ぶ素敵な雰囲気となっていて、巡礼モードを引き立ててくれます。

ここには民家の方が多いですが、長谷寺に近づくに連れてお土産屋さんや飲食店が増えてくるので、お土産を購入するならぜひ立ち寄っていきましょう。

道路の真横には、大きな音をたてて流れる用水路がありました。
水は透き通って綺麗なので、夏場に訪れた際にはかなり涼しい気分になれるでしょう。

この場所に差し掛かったら左折し、真っ直ぐ進んで行けば長谷寺の入口に到着します。

この辺りには、奈良名物の草餅のお店も多くありますので、歩き疲れたら糖分を補給してから長谷寺に向かいましょう。

長谷寺とはどんな場所か

 

長谷寺は、8世紀に建立された真言宗豊山派の総本山のお寺です。

春には牡丹や桜の花が一斉に咲き乱れ、秋には紅葉が美しいなど、1年中満喫できる長谷寺。

 

平安時代以降に観音道場として歴史にその名前が刻まれて、あの藤原道長も参拝するなど、身分を問わず多くの信仰を集めてきました。

境内には多くの国宝や重要文化財があり、その素晴らしさに思わず心が洗われます。

写真右側の建物が拝観券売り場となっていますので、必ず拝観券を購入しましょう。

拝観料金と開門時間

長谷寺の拝観料金は、

大人、中高生:500円
小学生:250円
となっています。
開門時間は、季節によって異なっているので、事前にしっかり確認しておきましょう。
4月〜9月:8時30分〜17時30分
10月、11月、3月:9時00分〜17時00分
12月〜2月:9時00分〜16時30分
この他、牡丹祭りなど特別なイベントが行われる場合は、拝観時間が変更される場合があります。

長谷寺 散策ルートと見所

ここからは、長谷寺の散策ルートを紹介しています。
山の中にある長谷寺は、坂道が続くかなり険しい参道となっていますので、事前にしっかりとルートを調べておくべきです。
今回は、僕自身がおすすめする参拝ルートを紹介しますので、訪れる際の参考にしてみてください。

長谷寺山門

入場券を購入して、さらに階段を登って行くと見えてくるのがこちらの仁王門と呼ばれる長谷寺の総門が見えてきます。

三間一戸入母屋造本瓦葺でできたこちらの楼門。

現在の門は、1894年に再建されたものです。

 

門の両脇には、力強い仁王像が設置されていました。

こちらの門を潜ると、長谷寺の象徴とも言うべき登廊があります。

登廊(のぼりろう)

 

長谷寺を語る上で欠かせない象徴とも言うべきこの階段は、「登廊(のぼりろう)」と言います。

屋根に囲まれた本堂まで続く長い石段で、その段数は399段。

 

1039年に、春日大社の社司であった中臣信清が子供の病気の回復を祈るために建てた登廊は、上中下と合計3廊に分かれているのが特徴です。

 

 

上から下を見た景色がこちら。

1世紀以上前に建てられたとは思えない美しさに、思わず息を飲みます。
屋根の上には、「長谷型」と言われる灯籠が吊るされています。

 

 

登廊の横には多くの花が咲いていて、4月にはこのように美しい桜の花を見れます。

 

 

訪れた時にはまだ咲いていませんでしたが、4月の中旬ごろからこの場所には美しい牡丹の花が咲きます。

長谷寺では、牡丹祭りが毎年4月に開催されるほど、牡丹の花で有名なお寺なのです。

ちなみに道中には、長谷寺六坊の一つである宗宝蔵があります。
長谷寺の宝物が保管されているこの建物は、毎年春と秋に一般に公開されているので、タイミングがあったらぜひ訪れてみましょう。

 

399段の登廊は、坂が急なこともあって思っている以上にキツい階段となっています。

この写真からもそれがよく伝わってきますね。

決して無理をせず、ゆっくり周りの景色を楽しみながら登っていきましょう。

 

 

そしてここが登廊の中間地点に位置するところです。

ここで一休みしたら、再び登っていきましょう。

 

この階段が登廊の中間地点です。

さらに階段は急になるので、頑張って登りましょう。

 

 

それを登り終えたところに現れるのが、「蔵王堂」という小さなお堂です。
ここでお祈りをし、いよいよ最後の登廊を登っていきます。

 

ここまで来たら、本堂までもう一息ですので頑張りましょう。

ちなみにゴール地点には、「尾上の鐘」という灯籠があります。

 

最後の登廊を渡り終えたら見える景色です。

見事な自然に囲まれた長谷寺は、周辺の木々も季節を問わず美しい彩りをしています。
一息ついたら、今度は本堂を見学しに行きましょう。

本堂

 

こちらが、国宝にも指定された長谷寺の本堂です。
山の断崖絶壁に建てられた本堂で、徳川幕府によって造営された舞台造りの本堂。

日本の観音信仰の中心的役割を果たしている、歴史的にもとても重要な建造物です。

こちらの本堂の奥には、観音様が祀られていて立派な姿を見ることができますが、観音様の撮影は禁止となっています。

なので、観音様の姿は実際に訪れてからのお楽しみです。

長谷寺で厳しい修行を積んでいる修行僧の姿も見えました。

ひろたか
ひろたか

毎年春と秋には本堂への特別拝観が行われ、何と観音様の御御足に直接触れてお祈りができます。
拝観料は別途1,000円です。

 

こちらが、本堂にある舞台です。

京都の清水寺のようなこちらの舞台は、長谷寺を象徴する場所となっていて、舞台の上からは美しい奈良盆地の自然を眺めることができます。

 

登廊の辺りを見た景色です。

撮影したのは春ですが、色とりどりの緑が生い茂っていて美しい景色でした。

 

この場所から見る景色は、四季によって様々な変化を見せてくれます。

特に秋になると、美しい紅葉が辺り一面を埋め尽くことでも有名で、一見の価値ありです。

 

緑の中から見える五重塔が絵になります。

本堂を見終わったら、一気に山を下りましょう。

大黒堂

 

本堂の隣にあるこちらの建物は、大黒堂と言います。

「福寿」と「円満」

この2つの縁起の良い言葉が象徴するように、ここには七福神の1つである「大黒天」が祀られていることでも知られている建物です。

左側にあるうちでの小槌は、大黒天愛用の小槌として知られています。

開山堂

 

本堂のある場所から石段を少し下っていった所にあるのが、こちらの開山堂です。

奈良時代の高僧で、長谷寺を開山したことで知られている徳道上人を祀っている建物で、彼は727年に時の聖武天皇の命令によって長谷寺を開山しました。

開山堂のある場所はこちら。

周りは木に覆われていて、秋は紅葉が美しくなるので必見です。

 

ここを見終わったら、一旦本堂の方に戻ります。
本堂に戻ったら、裏側にある山道を歩いていきましょう。

弘法大師御影堂

 

本堂の裏から続く山道を歩いて行ってたどり着くのが、こちらの弘法大師御影堂です。

あの有名な弘法大師を祀る建物で、建物の中をのぞいてみると弘法大師様の仏像の姿が見えます。

 

ちなみに、長谷寺では「御影堂」と書いて「みえどう」と読むそうです。

本長谷寺

 

弘法大師御影堂のすぐ近くにあるのが、こちらの本長谷寺です。

一見地味な建物ですが、長谷寺の中では重要な意味を持つ建物の本長谷寺。

 

先ほど紹介した長谷寺を開基した道明上人が、時の天武天皇の病気の回復を願うために、686年に建てられたそうです。

「本長谷寺」

という名前にもあるように、実はこの建物が長谷寺で最初に建てられたお寺と言われています。

今では広大な敷地を持つ長谷寺ですが、その始まりはこの小さな建物からだったのです。

 

こちらの見学を終えたら、五重塔を見に行きましょう。

五重塔

 

山の中に幻想的に映えるこちらの建物は、五重塔です。

1959年に日本で最初に建てられ、「昭和の名塔」とも呼ばれている長谷寺散策のハイライトでもある五重塔。

 

本堂の舞台からでも、はっきりとその姿を眺めることができます。

特に秋の紅葉の季節には、赤く光る美しい紅葉と塔のコントラストが最高の景色を演出します。

塔は囲いに囲まれているので中に入ったりすることはできませんが、間近で見ると思った以上に朱色が美しく映える塔でした。

 

五重塔から見た本堂は、このような感じです。
絶好の撮影スポットでした。

こちらを見学したら、いよいよ長谷寺散策もクライマックスです。

本坊

 

長谷寺で最後に見学するのは、こちらの本坊大講堂と呼ばれる建造物です。

重要文化財にも指定されているこちらの建物は、元々1588年に建てられましたが、明治の終わりに消失。

現在の建物は大正初期に復元されたものです。

全て消失前の状態に復元され、その美しい近代和風建築は高い評価を受けました。
中でも護摩堂は有名で、そこには悪い悪魔を降伏させるための不動明王を中心とした五大明王像が祀られています。

普段は見学ができませんが、特別拝観を行うこともありますので、訪れる際はHPで確認しましょう。

2022年は春に特別拝観が行われました。
本坊を見学したら、順路に沿って坂を下っていけば、入山券売り場のところに出ます。
以上が長谷寺の見学ルートで、ゆっくり見学して1時間半で回ることが可能です。

長谷寺に咲く美しい花

 

長谷寺は、「花の御寺」と呼ばれるほど色とりどりの花が咲き乱れていることでも知られ、1年中様々な花が訪れた人々を魅了しています。

中でも4月の中旬から下旬にかけて咲く牡丹の花は有名で、毎年4月には牡丹祭りも開催されるほどです。

 

牡丹は本坊の周辺に主に咲いていて、満開に咲くと美しい光景を見せてくれます。

 

春はまた牡丹だけでなく、石楠花(シャクナゲ)の花も綺麗に咲いていました。

 

この他にも、

  • 桜(ソメイヨシノ、枝垂れ桜、山桜、大島桜、河津桜)
  • 沈丁花
  • ツツジ
  • 紫陽花
  • 彼岸花
  • 紅葉
  • 山法師
  • ゆきやなぎ
  • 福寿草
  • 雪割草

等等、とにかく色々な植物を1年中満喫することができます。

 

訪れた時はまだ牡丹は咲き始めでしたが、満開になるとこのように美しく咲き乱れます。

花を見ることで、日本の美しい四季を実感できる長谷寺。

1年中満喫できるので、ぜひお好みの季節を選んで行ってみましょう。

まとめ

今回は、奈良を代表する真言宗豊山派の寺院、長谷寺の散策ルートと見所について紹介しました。

重要文化財にも選ばれた貴重な建造物や仏像だけでなく、牡丹や桜、紫陽花など美しい花が咲き乱れる寺院としても有名で、1年中満喫することができます。

最寄り駅から歩いて行くのは大変ですが、長谷寺を「巡礼」した後はすがすがしい気分になること確実です。

奈良に行く機会がありましたら、ぜひ訪れてみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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