2024年、台湾初のドーム球場として華々しくオープンした台北ドーム。
現在ここでは台湾プロ野球の公式戦がしばし開催されていて、台北市の中心部にあることから簡単に試合観戦に行けるだけでなく、雨で中止にならないので予定が立てやすく短期間の観光でも観戦可能です。
しかし完成したばかりの球場ですので、一体どんなところだろう?と気になる方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、台北ドームの各座席からグランドがどう見えるかの解説や、ドーム周辺の見どころについて詳しく解説していきます。
実際に観戦した体験談を元に執筆しますので、台北ドームへ野球観戦の予定がある方はぜひ参考にしてください。
目次
台北ドーム 完成までの簡単な歴史
まずは、台北ドームの完成までの簡単な歴史を解説します。
台湾で最初のドーム球場として2024年に完成した台北ドームですが、何と計画されたのは30も年前で、工事期間は10年にも長期間におよびました。
実際の完成には、かなりの苦労があったのです。
台北ドーム建設のきっかけは1991年に開催された台湾シリーズ(日本で言う日本シリーズ)で、優勝を決める第7戦が突然の雨によって中止になったことで、ファンの間でドーム球場の建設が望まれるようになりました。
これによって、台湾政府がドーム球場の建設を発表します。
その後は建設地が中々決まらないなど右葉曲折しましたが、市政府近くの旧タバコ工場跡地が建設場所に決定し、2011年に球場建設がはじまりました。
が、ドームの建設はここから迷走を繰り返し、数々の問題を起こすことになるのです。
工事期間の10年で起こった代表的な問題は、以下の通りです。
- 隣接する史跡の松山煙草工場跡の地盤沈下
- 安全基準を巡って台北市と建設会社が対立
- 近隣の地下鉄路線のトンネル破損
- 図面通りに工事しなかったので工事が3年間全面停止
工事は思うように進まず、台北ドームは工事がストップした状態で長年放置されて、笑い物扱いされたこともありました。
計画当初は2014年にオープンの予定でしたが、上記の問題や2020年〜22年のパンデミックを経て、2023年のテスト開催を経て実に10年以上の歳月をかけてようやく完成したのです。
2024年7月には台湾プロ野球のオールスターゲームが開催され、今後はプレミア12やWBCなど野球の国際大会の試合も開催予定で、台湾野球の中心として期待されています。
台北ドーム アクセス情報
台北ドームは、台北を代表する観光スポットである国父紀念館の隣にあります。
交通アクセスは便利で、台北地下鉄の南港線の国父紀念館駅の5番出口から徒歩3分です。
国父紀念館駅のプラットホームには、「taipei Dome」と書かれた矢印看板がありますので、それを目印にして出口へ向かいましょう。
国父紀念館駅5番出口は、台北ドームの完成によって野球使用になりました。
こちらが、国父紀念館駅5番出口です。
注意点として、こちらの5番出口はドームの入場ゲートに直結していません。
一旦5番出口から地上に出て、松山文化創園の方向まで歩いて行く必要があります。
そのため、雨が降った時の移動が大変なのが難点です。
駐車場は、乗用車が2,000台、バイクなど二輪車が3,000台を収容できる大規模な造りになっています。
台北ドーム 周辺の見どころ
続いては、台北ドームの周辺について解説します。
2024年7月現在、まだ工事中の部分もあって100%完成には至っていません。
将来的には地上20階のホテルや、2,000人収容の映画館の建設など、これから次々と周辺は整っていく予定です。
そんな台北ドームの周辺はどうなっているのかを、ここから詳しく解説していきます。
美食公園
台北ドームの周辺は、太平洋崇光百貨によって運営されている「美食公園」というレストラン街が形成されていました。
ドームでイベントがある日以外も営業していて、店舗によっては深夜2時まで営業しているお店もあります。
まだオープンしていない店もいくつかあり、その中の1つにはスカイラーク系列のむさしの森珈琲もありました。
美食公園のレストランは、このような感じになっています。
お値段が高めのレストランが多く、入るにはちょっと躊躇してしまいそうな雰囲気でしたが、台北ドームでの野球観戦の記念に訪れるには最適です。
松山文創園
台北ドームは、松山文創園区に隣接しています。
旧タバコ工場の倉庫を改装したこちらの施設は、地元のアーティストが創作したアート作品が展示されている施設です。
以前は国父紀念館駅から光復南路を歩いていく必要があり、駅から少し歩く場所にありましたが、台北ドームの完成によってアクセスがしやすくなりました。
台北ドームの真横には、松山文創園区の敷地にそのまま入れる通路があります。
敷地内への入場は無料ですので、試合前などに気軽に訪れてみましょう。
台北ドーム 入場ゲート
台北ドームの入場ゲートは、大きく分けて3ヶ所あります。
こちらはGATE1で、VIPなど招待客の入口で、一般の観客は利用できません。
こちらが外野席の専用入口です。
内野席の反対側にありますので、間違えないようにしましょう。
内野席のチケットをお持ちの方は、こちらの階段を下ってゲートに向かいましょう。
階段を降りたところには、このような広大な広場になっていました。
内野席の入場ゲートは、全部で3つあります。
こちらはGATE3です。
入場ゲートは、チケットの席番号によって異なりますので、必ずチケットに記載されたゲートから入るようにしてください。
なお入場の際は、日本と同様に簡単な荷物チェックがあります。
ビンと缶は、日本と同様に球場に持ち込めません。
台北ドーム グラウンド
こちらが、台北ドームのグラウンドです。
台北ドームのグラウンドは両翼が102m、センターが120mとかなり広めに造られています。
芝生はミズノ社の人工芝を使用していて、屋根の高さは約74.5mです。
ちなみに東京ドームや京セラドーム大阪は60mなので、かなり高めに設定されています。
収容人数は約4万人収容と、台湾にある野球場で最大の収容人数です。
スコアボードはセンターの大型ビジョンに映り、それ以外に小型の映像装置がレフトライトに1つずつ設置されてました。
試合中は、このようにスコアが表記されます。
なおこの日は、甲子園とのコラボデーだったので、日本の阪神甲子園球場と全く同じスコアボードになっていました。
当然別の日では別の方式で表示されますが、スコアなどを確認する上ではストレスは感じません。
台湾は日本と同じ漢字を使用していますので、何となく漢字を読んでいけばスコアボードの文字は簡単に読めます!
台北ドーム 下段スタンド
まずは、台北ドームの下段スタンドについて解説します。
下段スタンドは傾斜もちょうどいい角度で、どの位置からで快適に試合観戦が可能です。
ここからは、下段スタンドの座席ごとの見え方を解説していきます。
ネット裏
最初に紹介するのは、ネット裏から見た座席の眺めです。
スタンドの傾斜もちょうど良い角度で、野球観戦にはかなりの特等席です。
1塁側、3塁側ダッグアウトの横には、奥の方に繋がる通路がありました。
どうやらここを通って、選手や関係者がグラウンドに姿を現すようです。
1塁側スタンド
続いて、1塁側スタンドから見た眺めを解説していきます。
こちらは、内野席の中でも特に熱狂的な応援団が集まる座席です。
贔屓チームの攻撃時には、全員総立ちになって応援を繰り広げますので、その際には一緒に立っていないと試合そのものが見られませんので注意しましょう。
1塁側内野席から、外野席を眺めた光景です。
多少ライトのポール際のファールゾーンが見にくいのが難点ですが、それ以外はグランド全体を見渡せるので、試合観戦には問題ありません。
外野寄りのスタンドです。
ここには防球ネットがありませんので、場合によってはファールボールが飛んでくる場合があります。
決して油断はしないように!
この辺りの最前列席は、防球ネットがないので選手の姿を間近に感じられます。
ネットを気にせず、なるべくグラウンドに近い場所から試合を見たいなら、こちらの席がおすすめです。
内野席3塁側
続いて、3塁側の内野席から見た眺めです。
最前列から見た眺めがこちら。
防球ネットがある関係で、ポールが試合を見る上で多少邪魔になる感じでした。
3塁側のこちらの席も、1塁側の席と同様に防球ネットがありません。
ネットを気にせず野球を見たいなら、こちらの席がおすすめです。
ダッグアウト前席
1塁側3塁側共にダッグアウト前の席は、特等席でチケット確保が難しい席とされています。
なぜなら、今台湾野球で欠かすことのできないチアによるダンスを間近に見れるからです!
アイドル並の知名度を誇る彼女達を間近で見るために、チアの間近の席は一瞬でソールドアウトしてしまいます。
その席にはスマホや立派なカメラを持ったカメラ野郎達が陣取っていて、チアの一挙手一投足に試合そっちのけで注目していました。
こちらの席は、球場関係なく前売り発売と同時に売り切れてしまう席なので、外国人にとっては入手困難に近い状態です。
ただ、試合によっては後方の席だったら比較的3日前でも購入可能です。
もし運良く入手できたら、彼女達の美しい生足を存分に堪能しましょう!!!!
座席について
台北ドームの座席は、全て同じようなシートで形成されていました。
席と席の間隔もそこそこあって、歩いて通過するにそこまでストレスは感じません。
全席カップホルダーがついているので、快適に試合が観戦できます。
チケットに書かれている座席番号とブロックは、コンコースにある柱に記載されたこの番号を見ればわかります。
台北ドームは番号ごとにブロックが別れているので、迷った場合は柱にあるこちらの番号を見ましょう。
外野席
続いては、外野席の紹介です。
外野席は、試合によって開放されたりされなかったりしますので、事前に必ずチケット情報を確かめましょう。
こちらが、ライト側外野席から見た景色です。
ここから見ると、かなりの開放感を感じます。
外野席のフェンスには柵が無いので、最前列に行くと人工芝の様子がはっきりとわかります。
台北ドームの外野フェンスは、このような感じになっていました。
場合によっては外野手の華麗なプレーを見られるかもしれないので、かなり臨場感があります。
そしてこちらが、レフト側外野席から見た眺めです。
外野席は比較的チケットが安いので、気軽に観戦したい方に最適です。
台北ドーム 上段スタンド
続いては、台北ドームの上段スタンドについて解説しましょう。
外野席と同様に、こちらのスタンドも開放日は試合によって異なります。
グラウンドを見下ろせるこちらのスタンドは、中々快適に観戦できる環境でした。
上段スタンドへのアクセスは、ネット裏席の近くにあるこちらのエスカレーターに乗れば、簡単に移動できます。
それでは上段スタンドの眺めを、位置ごとに解説します。
内野席
まずはネット裏の席です。
試合全体を把握しやすく、打球の行方も追いやすいかなりの特等席でした。
こちらが、3塁側からグランドを見下ろした景色です。
1塁側3塁側とともにファールゾーンを含むグラウンドが全て見えて、観戦するのにそこまで不便ではありません。
ただ外野寄りに来てしまうと、ライトの守備や際どい打球が見えにくいという欠点があります。
3塁側も同様で、レフトの選手の姿が守備位置によって隠れたり、打球をはっきり確認するのが難しいかもしれません。
こちらの席を購入する場合は、できる限りグランドがはっきり見える席を購入した方が良さそうです。
ちなみに、台北ドームには4階にあたる最上段の席にも座席がありました。
しかしこちらのシートは、2024年3月の読売ジャイアンツとの壮行試合など、特別な試合で使用されただけで、CPBLの試合ではほとんど使用されていません。
CPBLの試合ではほとんど使用されませんが、次に使用されるのは一体いつなのでしょうか?
外野上段席
台北ドームには、上段にも外野席があります。
しかしこの席が開放される試合は限定的で、内野の4階席と同様にCPBLの公式戦ではほとんど使用されません。
外野席のコンコースには、外野上段席に繋がる階段がいくつかありますが、普段はこのように閉ざされています。
この座席が開放されるのも、一体いつになるのでしょうか?
台北ドーム コンコース
続いては、台北ドームのコンコースを紹介します。
多くの観客を収容できる球場なので、コンコースは広くチケットの種類は関係なくどこへでも移動可能です。
売店も色々なお店が並んでいるので、試合前や試合中にグルメを楽しむにも最適です。
ここからは、台北ドームのコンコースについて解説していきます。
売店
最初に、コンコース内にある売店を紹介して行きます。
まず紹介するのは、こちらの「極屋台」というお店です。
日本と同様にたこ焼きやお好み焼き、モダン焼きが販売されていて、メニューには全て日本語が記載されてました。
隣のお店はタコスのお店で、試合ごとに限定メニューも販売されているようです。
こちらではドリンクとデザートを販売していました。
同時にアルコールも販売していて、値段は80元(約320円)と日本と比較すると格安です。
こちらのビールは、缶のまま販売されています。
アイスは3個で150元(600円)で、「結帳」というところで支払いをします。
「只集現金」と書かれているので、支払いは現金のみのようです。
隣のお店は、日本で売られているのと同じカレー屋さんでした。
「CASH ONLY」と書かれているように、こちらも支払いは現金のみです。
お馴染みファミリーマートと、台湾料理を満喫できる新東陽というお店です。
そしてこちらが、お茶系ドリンクと野球観戦に欠かせないホットドッグを販売するお店です。
他にもこのような、おつまみのワゴン販売もありました。
他の台湾の球場では見かけない光景だったので、どうやらこの販売スタイルは台北ドームのみかもしれません。
トイレ
こちらが、台北ドームのトイレです。
台北ドームのトイレは男女関係なく、写真のように青色で統一されていて、遠目から見てもわかりやすい造りでした。
給湯機
コンコースの一角には、謎の給湯機が置かれていました。
売店でカップラーメンを売っている気配がなかったので、何のためにあるのかは不明です。
見た感じお湯しか出ない感じでしたが、誰も使っている気配がありませんでした。
謎は深まるばかりです。
ベビーカー置き場
コンコースの一角には、無数のベビーカーが置かれていました。
珍しい光景でしたが、実はこちらはお子様連れの観客がベビーカーを置いておくためのベビーカー置き場です。
「Stroller parking area」と書かれていて、なぜか傘や水もついでに置いてあります。
当然観客席にベビーカーを置いておくわけにはいかないので、このようなサービスは小さいお子様連れにはありがたいシステムです。
広島のマツダスタジアムをはじめ、日本の球場にも同様のベビーカー置き場がありました。
まとめ
今回は、2024年に完成した台湾初のドーム球場、台北ドームの座席ごとの見え方や見どころを解説しました。
市街地にあってアクセスもよく、雨の影響を受けませんので雨天中止になることはないので、海外から訪れる場合でも気軽に野球観戦ができます。
台北ドームでの試合は各チーム不定期に開催していますので、詳しい日程はこちらのCPBL(中華職棒)で確認してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。