熱気溢れるマニラの街を効率よく移動するなら、近郊電車のMRTとLRTを利用するのがおすすめです。
しかし初めて利用する場合、「どうやって乗ればいいの?」「路線は複雑?」「治安は大丈夫?」と不安に感じるかもしれません。
この記事では、マニラ市内を走る近郊電車の切符の買い方や乗り方、利用時の注意点を解説します。
渋滞知らずの電車を使いこなして、マニラ観光をもっと快適に楽しみましょう。
目次
マニラ近郊電車の概要
マニラ市内を走る近郊電車には、現在以下の3路線が運行されています。
- LRT1号線
- LRT2号線
- MRT3号線
ここからは、これら3路線の特徴を詳しく解説します。
LRT1号線
LRT1号線は、1984年に開業したマニラで最初に開業した近郊電車です。
全長は19.65kmで、パサイ市のバクララン駅からニノイ・アキノ空港南西のDr.Santos駅までを結びます。
Dr.Santos〜EDSA駅は2024年の11月に延長開業した路線で、これによりパラケーニャ市まで電車で足を運べるようになりました。
今後も延伸計画が予定されていて、さらなる発展が期待されます。
こちらが、MRT1号線の車内です。
思った以上に車内は狭く、混雑時はぎゅうぎゅう詰めになります。
路線図
左にある緑色のラインが、LRT1号線の路線図です。
交通の拠点であるパサイや、繁華街として知られるエルミダやイントラムノス、チャイナタウンなどマニラの旧市街へアクセスできます。
LRT2号線
LRT2号線は、2003年に開通したマニラ3番目の近郊電車で全長13.8kmの路線です。
かつてはパープルラインと呼ばれて紫がイメージカラーでしたが、2012年以降はブルーラインと呼ばれて親しまれています。
チャイナタウンの近くで、1号線の乗り換え駅であるレクト駅からマニラ東部のアンティポロまでを結ぶ路線です。
2000年代に完成した路線なので、駅にはバリアフリー設備など最新機能が搭載されてます。
路線図
こちらが、LRT2号線の路線図です。
他の2路線とは異なり、沿線に観光スポットはそれほど多くありません。
マニラ市内の住宅街に面した場所を通る路線なので、地元の人向けの路線として広く利用されています。
MRT3号線
MRT3号線は通称「イエローライン」と呼ばれる電車で、1999年に営業を開始しました。
マカティを結ぶ路線であるため、マニラ近郊電車3線の中で最も利用客の多い路線として知られています。
将来的には、ケソン市の観光名所として知られるケソン・メモリアルサークルまで延伸される計画があります。
こちらがMRT3号線の車内です。
基本は9両編成で、3両編成の車両を3台連結した形で運行しています。
座席はこのようになっていました。
プラスチック製で硬く、座り心地は決して良いというわけではありません。
路線図
こちらが、MRT3号線の路線図です。
パサイ市にあるタフト・アベニュー駅を起点として、マカティを経由してケソン市のノース・アベニューまでを結びます。
ノース・アベニューから先のルーズヴェルト駅という駅には、未だに繋がっていません。
将来的にはLRT1号線との接続が予定されていますが、どうなるのでしょうか?
マニラ近郊電車の切符購入方法
ここからは、近郊電車の切符購入方法を紹介します。
マニラの近郊電車で切符を買う方法は、以下の3つです。
- 窓口で購入
- Beepカードを購入
- Beepアプリをダウンロード
ここからは、これらの切符購入方法を詳しく解説します。
窓口で購入
マニラ近郊電車で最も一般的な購入方法は、窓口で直接購入する方法です。
窓口に並んで、駅員に行き先を告げてお金を払えば、簡単に切符が購入できます。
できる限りスムーズに支払いができるように、なるべく100ペソ札やコインなど細かいお金を用意しておきましょう。
切符は、自動販売機からでも購入できます。
「Single Journey Ticket」というボタンを押して行き先を選択後、お金を入れればチケットが出てきます。
ただし、壊れていたりお金を入れても戻ったりなどかなり気まぐれな機械です。
こちらが、Single Journey Ticketです。
電車を降りるまで、失くさないようにしましょう。
Beepカードを購入
出典:beep™Card
切符を購入するのが面倒な場合は、交通系ICカードのBeepカードを購入しましょう。
Beepカードは、マニラのLRT・MRT・一部のバスで使えるICカードで、外国人でも購入可能です。
購入は駅構内のチケット売り場や販売機、一部のコンビニで購入できます。
カード本体の価格は30ペソ(約77円)で、購入したら初回チャージ費用の支払いが必要です。
チャージは駅の窓口または自動チャージ機を利用して行い、現金で金額を指定して入金します。
改札口にはBeepカードをかざして通れるセンサーがあるので、切符を購入するために窓口に並ぶ必要はありません。
チャージ上限は10,000ペソで、有効期限は4年間です。
紛失時の補償はないため、管理には注意が必要です。
Beepカードは電車だけでなく、一部のバスやジプニーでも利用可能です。
Beepアプリをダウンロード
出典:beep™
Beepカードはカードだけでなく、アプリでも利用可能です。
beep™アプリは、マニラの交通ICカード「Beep Card」の残高確認、取引履歴の閲覧が可能な公式アプリです。
AndroidユーザーはGoogle Playストア、iPhoneユーザーはApp Storeから無料でダウンロードできます。
アプリ立ち上げ後、アカウントを登録すればクレジットカードや電子マネーから簡単にチャージ可能です。
またアプリを通じて、リアルタイムでチャージ残高をチェックできます。
マニラ近郊電車の料金体型
ここからは、マニラ近郊電車の料金体型を解説します。
料金体型はそれぞれの路線ごとに異なり、乗り換えの際には切符を買い直さなければなりません。
また1日乗車券のような切符は販売されていないので、料金体系の理解は大切です。
マニラで近郊電車の利用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
LRT1号線
こちらは、LRT1号線の料金体系です。
初乗り運賃は目的地に応じて15ペソ(約39円)で、最大運賃は40ペソ(約103円)でした。
この料金表はRedemptorist-Aseana駅の料金表ですが、5駅ごとに運賃が上がっていく仕組みになっています。
LRT2号線
こちらが、LRT2号線の料金表です。
上の表はBeepカードを利用した際の料金で、下の表は現金で購入した時の料金表になります。
双方の価格は、わずか2ペソしか違いません。
最低運賃は15ペソ(約39円)、最大運賃は35ペソ(約90円)でした。
MRT3号線
こちらが、MRT3号線の料金表です。
写真にあるのはマカティ中心部の最寄駅であるアラヤ駅発の料金表ですが、初乗り料金は13ペソ(約34円)、最も高い運賃は24ペソ(約62円)とLRT同様にかなり安い価格でした。
ちなみに、「Regular」と表示されている価格が大人料金です。
マニラ近郊電車の乗車方法
マニラの近郊電車に乗車する際には、以下の手順で乗車します。
- 切符購入
- 荷物検査
- 改札通過
- ホームで電車を待つ
- 電車を降りる
3路線とも乗車方法は同じなので、乗車時の参考にしてください。
①切符を購入する
まずは電車に乗るために、目的地までの切符を購入します。
改札横にある窓口でスタッフに口頭で行き先を告げる、もしくは自動券売機を使ってチケットを購入しましょう。
ラッシュアワー時や自動券売機の故障時は、窓口に大行列ができますので注意が必要です。
中には横入りしてくるクソジジイやクソババアもいますが、トラブル防止のために変に目くじらを立てるのは避けましょう。

フィリピンでは、理不尽な横入りはよくある光景です!
②荷物検査
切符を購入したら、荷物検査に向かいましょう。
マニラ近郊電車では治安維持のために、この検査を通過しないと改札を通過できません。
検査方法は空港の保安検査場と同様で、金属探知機に荷物を通してゲートを通過する方式です。
写真のような電車での注意事項が記されたイラスト付きの看板もあるので、乗車前に必ずチェックしておきましょう。
③改札を通過
荷物検査が終わったら、改札を通過します。
改札はタッチ式で、カードリーダーに購入したチケットやBeepカード、アプリのQRコードをかざせばOKです。
タッチしてバーを押し込めば、バーが動いて改札の向こう側へ移動できます。
④ホームで電車を待つ
改札を通過したら、ホームで電車を待ちましょう。
こちらはMRT3号線の案内表記ですが、どちらのホームに行けばいいかわからない場合は「North Bound」ならケソン市方面、「South Bound」ならパサイ市方面行きと認識すれば大丈夫です。
なおフィリピンの電車は日本と異なり右側通行ですので、日本にいる感覚でプラットホームを選択すると行き先を間違える可能性があります。
迷った時は、近くにいる駅員に降りる駅名を伝えて、ホームを教えてもらいましょう。
プラットホームで電車を待つ際は、ドアの斜め付近で並んで待つのがマナーです。
ただし、100%守られてはいません(笑)。
⑤電車を降りる
電車に乗って目的地に到着したら、電車を降りましょう。
改札を出る際は、カードの場合は「Insert SJT」にカードを入れてバーを押せば改札の外に出られます。
Beepカードやアプリの場合は、カードリーダーにカードまたはQRコードをかざせばOKです。
マニラ近郊電車を利用する際の注意点
マニラの近郊電車を利用する場合は、以下のような注意点があります。
- 混雑する時間帯を避ける
- 乗車するホームを間違えない
- スリや置き引きに気をつける
- 目立たない服装を着て利用する
これらの注意点を守って、安全に利用しましょう。
①混雑する時間帯を避ける
LRT、MRTは、共にマニラ市民の通勤・通学の足として重要な役割を持つ電車です。
そのため朝夕は大混雑するので、混雑する時間帯はなるべく避けましょう。
混雑する時間帯は立錐の余地なく人で埋まるので、場合によっては乗車できない可能性もあります。
おしくらまんじゅう状態になりますので、安全の面からも朝夕の時間帯はできる限り電車に乗らないようにマニラ散策の計画を立てましょう。
②乗車ホームを間違えない
LRT1号線を利用する場合、乗車ホームを間違えないように気をつけましょう。
なぜならLRT1号線はマニラで1番古い路線なので、違いのホームを行き来する通路がありません。
改札は2箇所あって、行き先に沿った入口から入って電車に乗る必要があります。
そのため行きたい方角と逆のホームに行ってしまうと、一度駅員に事情を説明して改札を出て、道路を横断して反対側の入口から入り直さなければなりません。
フィリピンは日本とは異なり右側通行で運行されるので、日本の感覚で利用すると間違える恐れがあります。
利用する際は行き先を間違えないように、行き先表示を注意深くチェックしましょう。
③スリや置き引きに気をつける
近郊電車を利用する際は、スリや置き引きに気をつけましょう。
特に混雑した車内では、人に紛れて悪いことを企む人間がいます。
混雑した電車の中では、なるべくスマートフォンを見ないなど、金目のものを他人に見せないようにしましょう。
またポケットの中にはお金やスマートフォンを入れず、リュックを背負う場合前にかけるなどして、荷物を目につく場所に置くことが大切です。
どこに泥棒がいるかはわかりませんので、常に警戒を怠らないようにしましょう。
マニラを走る近郊電車は、コツを掴めば簡単に乗車可能!
今回の記事では、フィリピンの首都マニラを走る近郊電車、MRTやLRTの乗り方を解説してきました。
マニラの近郊電車は一見すると複雑に感じるかもしれませんが、コツを掴めば誰でも簡単に乗車できる便利な移動手段です。
本記事で紹介した基本情報や乗り方のポイントを押さえれば、マニラ市内の移動もスムーズにできます。
効率的に観光を楽しむために、ぜひMRTとLRTを上手に活用してみてください!