関西地区の空港といえば、
- 伊丹空港(国内線のみ)
- 関西国際空港(関西の空の玄関口)
の2つをイメージする方も多いと思いますが、実は関西にはもう一つ、神戸空港があることをご存知でしょうか?
上記2つの空港と比較すると規模は劣りますが、神戸市の中心街からも近いアクセスで、しかも伊丹空港発の飛行機よりも安い運賃で東京に行けるなど、使い勝手の良い空港として密かに支持されている空港です。
今回は、そんな神戸空港がどんな空港なのか、ターミナルの見所や就航路線について解説していきます。
これから神戸空港を利用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
神戸空港 歴史
神戸空港は、神戸市中心部南東9kmのところにある、関西国際空港と同じ海に浮かぶ人口島の空港です。
港湾施設や大学の研究所、商業施設などが立ち並ぶ人口島「ポートアイランド」の南側に位置します。
神戸市が運営する市営空港として神戸空港が開港したのは、2006年のことです。
1970年代に現在の伊丹空港の発着時の騒音問題が表面化したことで、関西では
- 泉州沖
- 神戸
のどちらかに海上空港を建設するという案が浮上しました。
しかし、神戸の方は海の汚染や採算性の問題などから市民による根強い反対運動が勃発。
結局海上空港は泉州沖に建設が決まり、1994年に現在の関西国際空港が完成しました。
しかし神戸空港の方は、追い討ちをかけるように1995年に阪神淡路大震災が発生し、これをきっかけに空港反対の動きは激しくなります。
その後空港の是非を問う住民運動の条例案も提出されましたが、当時の神戸市議会は空港推進派が多数で否決。
このようなゴタゴタがありながらそのまま建設工事は進んでいき、2006年に神戸市営の空港として神戸空港は開港しました。
2018年には、関空と伊丹空港を運営する「関西エアポート」の子会社として、民営での運営に方針転換され、現在に至っています。
このように、開港前にかなり揉めた空港ではありますが、現在では関西第3の空港として少しずつその地位を築きつつある空港です。
神戸空港 アクセス
神戸空港は、このように神戸港沖に浮かぶ人口島にある空港です。
どのようにアクセスすれば良いのか、順番に解説していきましょう。
ポートライナー
神戸空港のアクセスで1番便利なのは、神戸三宮駅から発着する新交通システムのポートライナーです。
三宮〜神戸空港間の所要時間は約18分で、それほど遠いわけではありません。
ポートライナーは、神戸三宮からポートアイランド内を走り神戸空港までを結ぶ路線で、ポートアイランド内にある、
- 国際展示場
- 神戸どうぶつ王国
- IKEA
などの施設と神戸市街地を結ぶ重要な電車です。
ポートライナー三宮駅は、JRや阪神、阪急電車の駅の東側に位置しています。
地図で見ると、この場所です。
JRから乗り継ぐ場合は、東口から下車した方がすぐに到着できます。
三宮から神戸空港までの運賃は、340円です。
神戸空港行きの電車は、日中平日は7分に1本、土日祝日は10分に1本の運行になります。
神戸空港行きは、2番線ホームから出る電車になりますので、そこで電車を待ちましょう。
ポートライナーの車窓からは、晴れていれば神戸港の他、明石海峡大橋や淡路島も眺めることができます。
ポートライナーの駅と出発ロビーは、この通路で繋がっていて、改札を出て1分もしないので便利です。
リムジンバス、タクシー
神戸空港へは、リムジンバスやタクシーを利用してアクセスも可能です。
タクシー乗り場は、1Fの出口を出て右側にあります。
リムジンバスをご利用の方は、出口を出て左側にバス停がありますので、そちらへ向かいましょう。
2023年7月現在、神戸空港から運行しているバスはこちらです。
5番乗り場からは、洲本(淡路島)や徳島、7番乗り場からは新神戸駅や三宮方面へ行くバスが運行されていました。
以前は三田市や三木町方面のバスも運行されていたようですが、現在は運行されて無いようです。
神戸-関空ベイシャトル
神戸空港と関西国際空港は、大阪湾を挟んでほぼ直線距離に位置することから、互いの空港同士でアクセスしやすいようにと、関西国際空港をフェリーで結ぶ「神戸-関空ベイシャトル」が運行されています。
ターミナルと乗り場は、シャトルバスで繋がっていて、ターミナルの6番乗り場からアクセスできますので、歩いて行く必要はありません。
朝6時から夜の23時頃までの運行で、互いの空港を約30分で結びます。
運賃はこちらです。
大人往復(30日有効) | 3,060円 |
子供往復 | 1,530円 |
片道大人(12歳以上) | 1,880円 |
片道子供(6歳〜12歳未満) | 940円 |
ポートライナーセット券大人(ポートライナー三宮〜神戸空港間のチケットとセット) | 1,880円 |
ポートライナーセット券子供 | 940円 |
基本的に1時間に1本くらいの運行なので、利用の仕方によっては便利な乗り物かもしれません。
詳しい時刻表は、こちらを参考にしてください。
神戸空港 就航している航空会社
2023年現在、神戸空港に就航している航空会社は、
- スカイマーク
- ANA
- FDA
- ソラシドエア
- エアドゥ
の計5社です。
全て国内線のみの運行で、国際線は運行されていません。
これらの航空会社は、一体どこに就航しているのか早速紹介していきましょう。
スカイマーク
まず最初に紹介するのは、定時運行率NO.1の航空会社として知られているスカイマークです。
神戸空港に就航する飛行機のほとんどをスカイマークが占めていて、スカイマークのおかげで神戸空港の運営は成り立っていると言っても過言ではありません。
神戸空港からは、
- 羽田
- 札幌(新千歳)
- 仙台
- 茨城
- 長崎
- 鹿児島
- 那覇
- 宮古島(下地島)
と広範囲で運行しています。
特に羽田空港までは1日平均7本が運行されていて、航空券も購入する時期によっては伊丹空港発の飛行機よりも安く利用できるのでお得です。
スカイマークは、Jリーグのヴィッセル神戸とスポンサー提携をしていたり、野球の阪神タイガースをロゴをデザインした「タイガースジェット」を運行するなど、元々神戸とは繋がりが深い航空会社として知られてます。
その為、神戸空港にとって生命線といえる航空会社です。
【スカイマークをレビュー】お得な運賃で定時運行確実の航空会社です
ソラシドエア
次に紹介するのは、ソラシドエアです。
宮崎県を本拠地とする航空会社ですが、宮崎行きの飛行機は就航していません。
ソラシドエアは、1日に3便の沖縄那覇行きのみが運行されていて、全てANAのコードシェア便になります。
関空から行く場合も安いですが、神戸空港から那覇へ行くのもおすすめです。
ソラシドエアはお得な料金で機内サービスも良しのおすすめ航空会社です
ANA
続いては、日本のナショナルキャリアとして知られ、70年近い歴史を誇るANAです。
神戸空港では、朝1番と最終の羽田行きと、朝方の札幌新千歳行きの3便が運行されています。
羽田で国際線の飛行機に乗り換えたり、マイル修行のために就航している便かもしれません。
ANAの国内線でB787に乗って乗り心地を確かめてきました【快適な空間】
FDA(フジドリームエアライン)
静岡空港や名古屋の県営名古屋空港を中心に運行しているFDAも、神戸空港に就航しています。
神戸空港からは、長野県の松本空港(2便)、青森、花巻、新潟(1便)ずつが運行されていて、地方へアクセスが可能です。
なお新潟行きは、夏場(8月)のみの運行となっています。
【搭乗記】FDAは乗り心地も快適でコスパ良しの航空会社でした
AIR DO
最後に紹介するのは、「北海道の翼」として知られるAIR DOです。
神戸空港からは、1日2本札幌新千歳行きが運行されています。
AIR DOが関西で乗り入れている空港は、神戸空港のみです。
神戸空港 ターミナルの紹介
ここからは、神戸空港のターミナルビルについて紹介していきます。
神戸空港は小さい空港なので、迷ったりすることはほとんどありません。
どのようなターミナルなのか、早速紹介していきましょう。
1F 到着ロビー
最初に紹介するのは、1Fフロアです。
こちらは、到着ロビーとなっています。
扉が2つのみの、シンプルなロビーでした。
このフロアに他にあるものはレンタカーの予約カウンターくらいで、余分なものはありません。
出口を出ると、左手がバス乗り場、右側がタクシー乗り場です。
ポートライナーは、エスカレーターで2Fに上がったすぐのところにあります。
2F 出発ロビー
神戸空港の2Fは、出発ロビーです。
各航空会社のチェックインカウンターや、保安検査場があり、ここから制限エリアに入ります。
制限エリア内には「神戸ラウンジ」というカードラウンジがあり、各種ゴールドカードと搭乗券を見せれば無料で利用可能です。
この他にも、お土産売り場に洋菓子店や、コンビニ(ファミリーマート)もありますので、お土産を買い忘れた場合などにも便利です。
ターミナルに入って左側にあるのが、ANAのチェックインカウンターです。
コードシェアをしているソラシドエアとAIR DOも、ここでチェックインをします。
反対側には、神戸空港の生命線?であるスカイマークのチェックインカウンターがありました。
神戸空港に最も多く飛行機を就航している会社なので、他の空港のカウンターよりも黄色いカラーが輝いているように見えるのは僕だけでしょうか?
ちなみに、保安検査場側にはFDAのチェックインカウンターがあります。
3F レストラン街
3Fフロアは、レストラン街となっています。
と言っても、
- 上島珈琲
- たもん菴(讃岐うどん)
- 神戸洋食キッチン
の3件のみですが。
空港のレストランということで、価格は多少値が張りますので注意しましょう。
こちらは、レストランの前にあるフリースペースです。
テーブルと畳が敷かれた休憩スペースで、出発までの時間を潰すには最適の場所になります。
空港内にはフリーWi-Fiが敷かれているので、ちょっとしたパソコン作業の場所としても利用可能です。
フリースペースの奥には、無料で弾けるピアノもありました。
フリースペースからは、このように駐機中の飛行機や離着陸を見学できます。
暑い日や寒い日、雨の日などはこの場所で飛行機を見れば快適です。
屋上 スカイデッキ
こちらが、神戸空港の屋上のスカイデッキです。
木目調の床で緑も多い快適な空間で、飛行機の離着陸や大阪湾の美しい景色を眺めることができます。
展望デッキへはエレベーターで行くことも可能ですが、フリースペース前のこちらの階段からもアクセス可能です。
屋上から見た神戸空港です。
こうして見ると、やはり神戸空港はそれほど大きい空港ではありません。
ただ晴れた日には、美しい大海原も眺めることができます。
運が良ければ、堺や岸和田、はたまた関空が見えるくらい景色は最高です。
滑走路の反対側には、神戸市街の美しい景色を眺めることができます。
晴れた日の六甲山は、本当に綺麗です。
ポートアイランドや芦屋方面の景色です。
広大な駐車場の他に、野球などができるグラウンドもありました。
なおスカイデッキの開放時間は6時30分〜22時ですので、神戸の夜景を眺めることもできます。
常設ミュージアム MINIATURE LIFE✖︎ KOBE AIRPORT
屋上には、ちょっとした見所がありました。
それがこちらの常設ミュージアムの「MINIATURE LIFE✖︎ KOBE AIRPORT」です。
2022年の9月にオープンしたミュージアムで、ミニチュア写真家や見立て作家として活躍している田中達也氏の作品が展示されています。
食べ物や日用品を使用した独自のミニチュア作品を無料で見学でき、ユニークなミニチュアの世界を堪能できるミュージアム。
実際どのような感じか見ていきましょう。
こちらでは、神戸市の観光名所と共に、神戸の街並みを箱を使用したミニチュアで表現しています。
こちらは神戸港のミニチュアですが、よく見ると石油コンビナートが紙コップ、ビルが神戸名物のお菓子の箱を使用してました。
細かいところまで拘っていて、見ててとても面白かったです。
この他にも、田中氏の独自の感性によって造られた作品が展示されています。
こちらは、明石焼をモチーフにしたキャンプの風景です。
こちらは、「すてーきな眺め」という作品です。
神戸名物の神戸牛ステーキを山に見立てて、その上を飛行機が飛んでいるという作品で、思わず笑みが溢れてしまいました。
こんな作品もありました。
コッペパンで作った飛行機が、お皿など食器でできた空港に駐機している様子です。
このようなユーモアに飛んだ作品を、空港で楽しむことができます。
展示室は、屋上デッキの左右2ヵ所の部屋で見れますので、見逃さないようにしましょう。
巨大ブロッコリー
さらに屋上デッキには、このような巨大ブロッコリーがありました。
こちらも、田中達也氏の作品で、樹木をイメージした作品とのこと。
なんともシュールな景色ではありますが、じっくり見続けていると普通の木に見えてきました。
神戸空港に行ったら、ぜひこのブロッコリーと一緒に記念撮影をしに行きましょう。
まとめ
今回は、関西にある関空伊丹に続く第3の空港として知られる神戸空港のターミナルの見所を紹介してきました。
神戸空港にはスカイマークやソラシドエアなども乗り入れていて、伊丹空港から行くより安い金額で東京や沖縄、札幌にアクセスができます。
現在は国内線のみですが、近年国際線の乗り入れの協議を進んでいて、神戸空港の需要は高まっていくこと間違い無しです。
コンパクトで使いやすい空港なので、旅の際にはぜひ神戸空港を利用してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。