関西を代表する港町といえば神戸。
神戸の街を見渡すかのようにそびえ立つ六甲山の山からは、
1,000万ドルの夜景
と世界でも称賛されている美しい夜景を見ることができます。
そんな神戸の夜景を満喫する上でおすすめなのが、今回紹介する六甲ケーブルで行く六甲山天覧台です。
電車の駅から、神戸市バスとケーブルカーを使って簡単にアクセスできるので、初めて神戸に行く人でも迷わず簡単に到着できます。
- 美しい夜景を見てみたい
- ケーブルカーってどうやって乗るの?
そんな方でも、この記事を読めばこれらの疑問を解消できるので、神戸の夜景を見てみたいと思ったらぜひ参考にしてください。
目次
六甲ケーブルとはどのような乗り物か?
六甲山ケーブルは、六甲山ケーブル下駅〜六甲山上駅の全長1.7kmを結ぶケーブルカーで、高低差は493.3mあります。
開業したのは、1932年。
神戸で先に開業していた摩耶山の摩耶ケーブル(1925年開業)の後を追うような形で開業しました。
現在は、阪急阪神ホールディングスの傘下の阪神電車のさらに子会社である六甲山観光という会社がケーブルカーの運営を担っているとのこと。
夜景も美しいですが、昼間の眺めも素晴らしく、かつケーブルカーの駅までの交通の便も良いことから、昼夜問わず多くの乗客が詰めかける観光名所でもあります。
日中も夜も20分間隔で運転しているので、使い勝手も良く大変便利です。
六甲ケーブル ケーブルカー乗り場までのアクセス
ケーブルカー乗り場である六甲ケーブル下駅に向かうには、神戸市営バスを利用しましょう。
阪神電車御影駅始発の16系統のバスに乗って30分、終点の「六甲ケーブル下」バス停で降りれば、目の前がケーブルカーの駅です。
この16系統のバスは、途中JRの六甲道駅と阪急神戸線の六甲駅を通るので、大阪神戸間を走る全ての電車から乗り換えができます。
僕は阪急の六甲駅からバスに乗りましたが、駅の中にしつこいほど案内板が出ているのでわかりやすかったです。
ちなみにバス停は、海側の六甲八幡神社の前にあります。
神戸大学や住宅街を結んでいることもあって、バスの本数は多くで便利。
日中は1時間に4本、夜は3本あるので余裕を持ってバスに乗れます。
ちなみに運賃は、均一料金の210円。
JR六甲道駅からは、26番と106番のバスも六甲ケーブル下バス停に行きます(本数自体はかなり少ない)。
六甲ケーブル 六甲ケーブル下駅
2つある六甲ケーブルの駅の内、麓にあるのがこの六甲ケーブル下です。
元々は、土橋という名前の駅でしたが、1973年に現在の駅に改称。
駅の位置は標高244mのところです。
元々駅舎は後で紹介する六甲山上駅と同じアールデコ調の建物でしたが、1938年に起こった土砂崩れによって駅舎が倒壊し建て直されたことで、現在の駅舎になりました。
入口に入ったら左側のチケット売り場でチケットを購入し、スタッフの指示があるまでホームの下で待ちましょう。
六甲ケーブル 車両の紹介
ここからは、六甲ケーブルで使用されている車両を紹介しましょう。
こちらが赤と紫が貴重になった車両で、クラシックタイプの1号車と呼ばれています。
他に、レトロタイプの2号車と呼ばれる緑を貴重とした車両もありました。
六甲ケーブルでは、山の上の駅から1本のロープで車両をつなぎ、一方の車両を引き上げるともう1つの車両が下りてくるつるべ式での運行です。(比叡山坂本ケーブルと同じ)
少し見づらいですが、中間地点に車両同士がすれ違う地点があり、1号車は右、2号車は左を通ります。
そんなケーブルカーは2両編成で、1両はガラス張り、もう1両は六甲山の自然を満喫してもらうために吹きさらしで天井がガラス張りの車両になっていました。
そんなケーブルカーの車内をここからは紹介していきましょう。
六甲ケーブル 室内車両
まずはこちら。
ガラス張りの車両です。
シートは昔の国鉄車両のクロスシートを思わせる造りでした。
外気が当たらないので、気候に関係なくケーブルカーを満喫できる車両になっています。
六甲ケーブル 屋外車両
下り側の車両は、ご覧のように吹きさらしの車両になっています。
シート、床それぞれ木製になっていました。
昼間に六甲山の自然を美しい自然を堪能してもらうために、天井はガラス張りになっていました。
夏場だったらまだ涼しく感じますが、秋から冬の冷え込む時期に夜景を見に行く時は要注意。
吹きさらしの車両なので、冷たい風が常に入り込んでくるため、乗車するなら寒さに耐えなければなりません。
なので寒い日や雨の日には、室内車両に乗ることをおすすめします。
六甲ケーブル 六甲山上駅
六甲ケーブル下駅を出発して約10分。
ケーブルカーは終点である六甲山上駅に到着します。
駅の標高は737.5m。
少し暗くなって見づらいですが、4F建てのアールデコ調の駅舎で、そのたたずまいは1932年の開業当時からずっと変わっていません。
そうしたことから、2000年には「近畿の駅100選」、2007年には「近代産業遺産」に指定されるほど関西では由緒ある駅の1つなのです。
駅舎内も凄く良い雰囲気でした。
壁には昔の駅やケーブルカーの姿を写した写真や、六甲山の発展に関する写真も展示されています。
この他に駅舎の中には、六甲山の発展に大きく貢献したイギリス出身の貿易商アーサ・ヘスケス・グルームの上半身のブロンズ像がありました。
彼はあの長崎のグラバー商会で派遣社員として働いた後、神戸に移住。
神戸を拠点に貿易商として働き始めました。
彼自身、登山が好きだったことから六甲山の美しい自然をいたく気に入り、私財を使って山を整備。
レジャー施設の開発や自然保護に勤めたことから、「六甲山の開祖」と呼ばれるようになります。
他にもアーサー氏は、1903年には日本で最初のゴルフコースを建設したり、外国人用の別荘を六甲山に建設したりと、神戸のレジャーの発展にも大きく貢献した偉大なる人物なのです。
神戸に来て、長崎のグラバーの名前が出てきたのには、僕も正直驚きました!
美しい夜景を見れる展望台は、駅を出て右側に歩いてすぐのところにあります。
六甲ケーブル 六甲山展望台から見る美しい夜景
六甲山上駅の近くにある展望台からは、このような美しい夜景を眺めることができます。
昼に行っても素晴らしい景色は見れますが、せっかく神戸に行くのですから夜景を見ないで帰るのは、実にもったいないです。
神戸の夜景は、
「1,000万ドルの夜景」
と呼ばれるほどの高い評価を得ていて、
- 函館の函館山
- 長崎の稲佐山
と共に、「日本3大夜景」の1つにも選ばれました。
六甲山展望台は、摩耶山の展望台のようにロープウェイとケーブルカーを乗り継ぐ必要も無く、ビーナスブリッジのように最寄りのバス停から徒歩20分近く歩く必要もないので、気軽にアクセスできます。
限られた時間で夜景を見たい人にとっては、特におすすめです。
ここからは、六甲山展望台から見える夜景について紹介していきましょう。
六甲山展望台からの夜景 大阪方面
これは大阪府の方を写した写真です。
ビッシリと光が地面を覆い尽くしていて、1,000万ドルと言われるだけのことはありますね。
これには思わず時間を忘れて見入ってしまいました。
尼崎、西宮の工業地帯から海沿いを辿っていくと、大阪港がはっきり見えます。
大阪港の埋立地である舞洲や、USJのある桜島も綺麗に見えました。
昼間になると、この方向から伊丹空港も見えて、飛行機の離着陸も見えるそうです。
六甲山展望台からの夜景 ポートアイランドと神戸空港
こちらは、ポートアイランドの方角を写した写真です。
写真右側に見えている島がポートアイランドで、その奥には神戸空港も見えました。
この日は残念ながら見ることはできませんでしたが、神戸空港から離発着する飛行機を展望台から見ることもできます。
神戸空港の向こう側の海のところに、陸地から離れて光っている島があるのがわかるでしょうか。
これは、大阪の空の玄関口の1つである関西国際空港の姿です。
関空、神戸、伊丹の関西の3大空港を全てこの展望台から見ることができるので、飛行機好きには必見です。
六甲山展望台からの夜景 六甲アイランド方面
こちらは、神戸の魚崎、深江の工場が立ち並ぶ埋立地と、ポートアイランドと並ぶもう1つの巨大人工島、六甲アイランドを見た夜景です。
写真の左側に、美しいアーチを描いた阪神高速湾岸線の東神戸大橋が見えました。
神戸側の夜景ももちろん美しいですが、海の対岸に見える大阪府堺市や高石市のコンビナートの光もはっきりと見えています。
六甲山展望台から見える夜景 三ノ宮方面
神戸市の中心街である三ノ宮の方角を写した写真です。
神戸港にあるポートタワーや、ハーバーランドの景色も見ることができます。
中心街だけあって、光の強さが他に比べて一段と眩しく見えました。
昼間に天気が良かったら、淡路島もはっきりと見えます。
ちなみに展望台には、TENRAN Cafeというカフェがあり、絶景を見ながら食事を楽しむことができます。
営業時間は19時まで(2021年11月現在)なので、昼間に行くのが最適です。
六甲ケーブル 六甲山上バス
六甲山上バスとは、六甲山上の駅前から六甲山の観光名所を周遊するバスです。
六甲山上駅を起点に、ROKKO森の根ミュージアムや植物園、アスレチックパークや六甲ガーデンテラスといった六甲山にある観光名所を結びます。
他に、六甲山と有馬温泉を結ぶ六甲有馬ロープウェイの駅「六甲山頂駅」にもアクセスできるようになっているので、景色を見たついでに温泉でのんびりするという贅沢な予定も立てることができてしまうのです。
このバスの他にも昼間限定ではありますが、摩耶ロープウェイの駅までアクセスするバスも運行しているので、時間の合う場合は訪れる価値はあります。
六甲ケーブル 運賃とお得な乗車券
最後に六甲ケーブルの運賃とお得な乗車券を紹介しましょう。
六甲ケーブルの利用運賃はこちら。
片道 | 往復 | |
大人 | 600円 | 1,100円 |
子供 | 300円 | 550円 |
展望台で景色を見た後、そのまま神戸市内へ戻るなら、往復券を購入しましょう。
片道券を購入してしまうと、山の上から神戸市内へ直接戻るアクセスはありません。
六甲山上バスの初乗りは170円で、起点から終点までは260円。
お得な周遊券として、
- バス1日乗車券(大人 450円 子供 230円)
- バス1日乗車券+ケーブルカー(大人 1,370円 子供 690円)
- ケーブルカー+バス+六甲有馬ロープウェイ(大人1,780円、子供 890円)
の3種類があります。
それぞれの目的に合わせて、購入しましょう。
まとめ
今回は、1,000万ドルの夜景と言われ、世界的にも有名な神戸の夜景を楽しめるスポット、六甲山展望台と展望台へ行ける交通手段、六甲ケーブルについて紹介してきました。
昼間に六甲山の自然を満喫しながら景色を見るのもいいですが、夜に夜景を見に行くのも最高の場所です。
700m近い標高のところにある展望台からは、遠く大阪市の夜景も綺麗に見えるので、神戸旅行の忘れられない思い出となります。
一生に一度は必ず見ておくべき美しい夜景、ぜひ六甲ケーブルに乗って展望台から酔いしれてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。