
LCCってシートが狭いから疲れるんだよね。
格安航空会社のLCCに対して、このようなネガティブなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
実は今、2020年に就航を開始した「ZIP AIR」のエコノミークラスにあたるスタンダードシートが、LCCとは思えない快適さを備えていると注目を集めています。
本記事では、スタンダードシートの乗り心地や座席の広さ、機内設備を詳しく紹介します。
海外旅行でZIPAIRの利用をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ZIP AIRとはどんな航空会社か?
ZIP AIRは、日本航空(JAL)が中長距離線向けLCCとして開設された航空会社です。
成田空港を拠点とする航空会社で、就航する便は全て成田空港からの発着となります。
2019年3月にブランドが立ち上がり、当初は2020年から運行開始の予定でした。しかし新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、就航は延期となります。
入国規制があった際は貨物線として運航されていましたが、2020年10月に成田〜ソウル線で旅客便として運航開始後、2020年には成田〜ホノルル線を運航し始めました。
現在は日本を代表するLCC航空会社として、幅広い年代に親しまれています。
ZIP AIRの運行ルート
2025年現在、ZIPAIRが就航している都市は以下の10都市です。
- ソウル
- バンコク
- シンガポール
- マニラ
- ホノルル
- バンクーバー
- ロサンゼルス
- サンフランシスコ
- サンノゼ
- ヒューストン
アジア北米の主要都市を中心に運行していて、安い価格で行けることからZIPAIRは年々運航路線を拡大しています。
特に北米路線は急速な拡大を続け、パンデミックが終わった2023年にはサンフランシスコ、2024年にはカナダバンクーバー、そして2025年にはテキサス州のヒューストンへの就航を開始しました。
将来的にはさらなる運行路線の拡大が計画されていて、今後の発展が期待されています。
ZIP AIR 機材紹介
ZIPAIRで使用している機材は、長距離フライトに使用できるボーイング787-8を使用しています。
運行効率が良く、低騒音で運行できる環境に優しい航空機です。
湿度設定や気圧設定もしっかりしていて、10時間近いフライトでも快適に過ごせる工夫がされています。
ZIP AIR スタンダードシート
ZIP AIRの座席は、エコノミークラスにあたるスタンダードシートと、ビジネスクラスにあたるフルフラットシートの2種類があります。
今回の記事では、スタンダードシートを解説します。
実際に座ってみると、乗り心地は大手航空会社とほぼ変わらないくらい素晴らしい座席でした。
ここからは、スタンダードシートが一体どんな座席なのかを詳しく解説します。
シート
こちらが、ZIPAIRのスタンダードシートです。
合計272席が完備されていて、シートピッチは約107cm、座席幅は約51cmと大手航空会社同様の座席サイズになっています。
座席は3✖︎3✖︎3ですが、肘掛けは固定されているので横の座席が空いていても横になることはできません。
前との座席間隔はこのような感じでした。
拳1個半ぐらいの広さで、足はギリギリ伸ばせる広さです。
意外に広めで、北米までの10時間フライトでも何とか耐えられるのでは?と思いました。
ちなみに頭の部分は上下に移動可能で、体格に合わせて調整できます。
座席設備
座席の前方にはテーブルと小物入れがあって、モニターはついていません。
安全のしおりが入っている物入れは、文庫本1冊とペットボトル1本なら問題なく入る大きさでした。
物入れの外側には、小さい小物入れが左右にあります。
ただし小さいので、あまり大きな物は入れられません。
テーブルはこのように折りたたみ式で、かつ安定感があるので快適にパソコン作業ができます。
ZIPAIRは、テーブルの上に上記のようなタブレットホルダーが設置されていました。
ドリンクホルダーとして使用できるだけでなく、スマートフォンを置けるので快適に動画視聴ができます。
ZIP AIRはスマートフォンを使う機会の多いので、このような設備はありがたいです。
座席から見て左下にはコンセントがあって、スマートフォンやパソコンの充電ができます。
差し込み口は、すべての種類に対応できるように作られていました。
トイレ
ZIP AIRのトイレは、フルフラットシート用が3ヶ所、スタンダードシート用4ヶ所と計7つ設置されています。
スタンダードシート客向けのトイレは、別の航空会社と同様のスタイルですが、B787-8の機材なのでかなり広めで快適でした。
ちなみにフルフラットシート客用トイレは、LCCでは世界初と言われているウォシュレット付きのトイレと洗面所が別れている「コネクティングラバトリー」というトイレを採用しています。
機内Wi-Fi
ZIPAIRには機内Wi-Fiが設置されていて、無料で使用できます。
シート前方にWi-Fiの接続方法が書かれた紙があるので、Wi-Fiを利用したい場合はこちらを見てWi-Fiを繋げてみましょう。
無料Wi-Fiでは、以下のことが利用可能です。
- インターネット接続
- 機内エンターテイメント
- 機内販売
- フライトマップ
機内Wi-Fiに接続する際は、まず右上のQRコードをカメラで映して接続しましょう。
QRコードで接続したら、設定をタップして機内モードとWi-Fiをオンにします。
それからワイヤレスネットワークのSSID「ZIPAIR_Passenger」をクリックして、プラウザを開きましょう。
インターネットに接続する際は、まずプラウザを開いてポータルサイトのトップ画面に接続しましょう。
利用規約に同意して、「インターネットに接続する」をクリックすればWi-Fiが繋がって、地上と同じようにインターネットが利用可能です。
ただし、飛行状況やアクセスが集中すると接続が悪くなります。
YouTubeなどの動画サイトはかなり遅いので、注意が必要です。
機内販売を購入したいなら、ポータルサイト画面から「INFLIGHT SHOPPING(機内販売)」をタップしましょう。
商品が写真付きで表示されるので、欲しい商品をクリックすればCAさんが席まで届けて支払いに応じてくれます。
機内エンタメやフライトマップを見たいなら、「INFLIGHT ENTERTAIMENT(機内エンタメ)」ボタンをタップしましょう。
フライトナンバーが書かれたところをクリックすれば、飛行機が今どこを飛んでいるかのフライトマップや、到着までの時間がわかります。
機内エンタメは、人気映画と子供向けアニメが4本ずつと、ZIPAIRオリジナル番組が見られます。
大手航空会社と比較すると作品の本数は少ないので、利用する際はそのつもりでいましょう。
ZIP AIR 機内食
ZIPAIRでは、有料の機内食がついてきます。
ZIPAIRの料金パッケージは3種類あって、スタンダードシートを選択した場合、「Value」と「Premium」を選択すれば機内食がついてきます。
機内食はバラエティに飛んでいますが、注文可能メニューは路線によって異なりますので、公式HPの機内食メニューを必ず予約前にチェックしましょう。
今回搭乗した飛行機はマニラ発成田行きでしたが、今回僕はこちらの牛丼を注文しました。
価格は1,500円で、注文すると小さいペットボトルの水が一緒についてきます。
柔らかいお肉の牛丼は、ほとんどの路線で注文可能です。
味はコンビニ弁当みたいで、お腹を満たすのには丁度良い味と量でした。
事前注文していない方で軽食やドリンクを注文したい場合は、機内Wi-Fiの「INFLIGHT SHOPPING(機内販売)」のところをタップすれば注文できます。
機内でお腹を満たしたいと思ったら、ぜひ注文してみましょう。
ZIP AIRはLCCであることを忘れるくらい快適な航空会社
今回は、成田空港を拠点にアジアや北米への国際線を手がけるLCC、「ZIPAIR(ジップエア)」を紹介しました。
ZIPAIRはJAL(日本航空)の子会社でありながら、低価格と快適な空の旅を両立させているのが魅力です。
機材にはボーイング787-8を採用し、LCCであることを意識させない快適なフライトを提供しています。
スマートフォンを通じて、無料の機内エンターテインメントやWi-Fiが利用できるほか、お好みの機内食を注文可能です。
また、座席スペースもゆったりと設計されており、北米までを結ぶ長距離フライトでも快適に過ごせます。
アジアや北米へ少しでもお得に旅行したいとお考えの方は、ぜひ一度ZIPAIRを利用してみてはいかがでしょうか。