韓国第5の都市として知られる太田(テジョン)市は、仁川や水原、大邱などの都市と比べると地味な存在ですが、魅力的な観光地がたくさんある街として知られています。
韓国中部の中心にあって、ソウルと釜山を結ぶ京釜高速線という鉄道路線の沿線にあるので、ソウルや釜山からのアクセスも良い街です。
ただ大田に行きたいと思っても、大田にはどんな見どころがあるんだろう?と思っている方は多いのではないでしょうか?
今回の記事では、そんな大田市の見どころと行き方を詳しく解説します。
おすすめ料理も紹介するので、旅行で訪れる時の参考にしてください。
目次
大田までのアクセス情報
太田市へ行くための交通手段には、以下の方法があります。
- KTX
- SRT
- セマウル・ムグンファ
- バス
ここからは、これらの交通手段の詳細と、各地から太田までの所要時間も解説します。
KTX
太田方面へアクセスするには、韓国の新幹線として知られるKTXを利用するのが早くて便利です。
ソウルからの所要時間は約1時間、釜山方面からは約1時間半で大田に到着します。
KTXには、特別席と一般席の2種類があります。
料金は普通席でソウルからは約23,700ウォン(約2,370円)、釜山までは約36,200ウォン(約3,620円)です。
特別車に乗る場合は、ソウルまでが約33,200ウォン(約3,320円)、釜山までが約50,700ウォン(約5,070円)になります。
チケットは事前に駅の窓口やKrailの公式サイトから購入できる他、Trip .comのサイトからでも購入可能です。
切符は全席指定で、前売りの段階で早めに売り切れてしまいます。
乗車1ヶ月前からチケットを事前購入できますので、乗車日が決まったらできる限り早めに購入しましょう。
SRT
太田まではKTXだけでなく、SRTという高速列車でのアクセスも可能です。
2016年に開通したこちらの高速鉄道は、ソウル江南にある水西駅を起点とし、太田や大邱を経由して釜山まで運行しています。
料金はKTXより若干安く、水西駅からは普通席19,800ウォン(約1,980円)、特別席は約28,800ウォン(約2,880円)です。
釜山から乗る場合は、普通席は32,500ウォン(約3,250円)、特別席は47,400ウォン(約4,740円)となります。
所要時間は釜山からは1時間半、水西は1時間とKTXと同じです。
KTXより価格が安いことから人気がありますので、公式HPで早めに予約しましょう。
セマウル
KTXやSRTより安い運賃の電車で大田まで移動しようと思ったら、特急電車のセマウル号を利用しましょう。
セマウル号に乗ればKTXより時間はかかりますが、安い価格で快適に移動できます。
ソウルまたは釜山から大田までの料金と所要時間は、以下の通りです。
料金 | 所要時間 | |
ソウル | 16,000ウォン(約1,600円) | 約1時間45分 |
釜山 | 26,500ウォン(約2,650円) | 約3時間 |
セマウル号の座席は、KTXやSRTに負けないくらい座り心地は抜群です。
快適でコスパの良い電車ですので、少しでも安い価格で移動したいと思ったらぜひ利用してみてください。
ムグンファ号
セマウル号よりもう少し安い価格で電車を利用したいと思ったら、ムグンファ号を利用しましょう。
電車は所々塗装が剥がれてボロボロですが、車内はそれなりに快適でした。
ソウルまたは釜山から行く場合の料金と所要時間は、以下の通りになります。
料金 | 所要時間 | |
ソウル | 10,800ウォン(約1,080円) | 約2時間10分 |
釜山 | 17,800ウォン(約1,780円) | 約3時間40分 |
時間に余裕があって、安い料金で快適に移動したいなら、おすすめの移動手段です。
高速バス
多少時間はかかりますが、大田までは高速バスでもアクセス可能です。
ソウルから行く場合は、江南にあるソウル高速バスターミナルか、地下鉄2号線江辺駅前にある東ソウル総合バスターミナルからバスに乗ります。
※ソウル高速バスターミナル
本数は20分〜40分に1本で、所要時間は約2時間です。
料金は11,200ウォン(約1,120円)〜19,600ウォン(約1,960円)と、電車と比べると安く行けます。
一方釜山から行く場合は、釜山北部にある釜山総合バスターミナルからバスに乗ります。
料金は24,000ウォン(約2,400円)〜40,000ウォン(約4,000円)で、所要時間は4時間です。
バスは安くて便利ですが、到着地となる大田総合バスターミナルは、中心街からちょっと離れた場所にあります。
地下鉄でアクセスはできませんので、利用する際は注意しましょう。
太田での交通手段
太田で利用できる主な交通手段は、以下の2つです。
- 地下鉄
- バス
ここからは、これらの交通手段を解説します。
交通手段を上手く活用して、太田観光を楽しみましょう。
地下鉄
太田には1路線ですが、地下鉄が運行されています。
2016年に開通した地下鉄は板岩駅から盤石駅までの約22kmを運行していて、太田駅や大田市内にある繁華街、儒城温泉にアクセス可能です。
料金は初乗り1700ウォン(約170円)で、最大1,800ウォン(約180円)と安く利用できます。
乗車にはT-moneyカードなど交通系ICも利用できますが、自動販売機で切符も購入可能です。
買い方は日本の自販機と同じで、切符は紙ではなくプラスチックのトークンです。
こちらの自販機ではT-moneyカードのチャージはできませんので、チャージをしたい時は駅近くにあるコンビニに行ってチャージしましょう。
改札ではトークン、またはカードをかざせば通過できます。
こちらが地下鉄のホームです。
全駅ホームドアで、ソウルや釜山と比較してもそれほど人は多くいません。
地下鉄の時刻表がこちらです。
朝夕の本数は多めですが、日中は10分間隔のため、一度電車を逃すとかなり待ちますので注意しましょう。
バス
路線が複雑ですが、バスも太田市内を周遊するのに有効な乗り物です。
ただし路線図に英語表記はなく、全て韓国語なので観光客には少し難しい乗り物かもしれません。
バスの色は水色と緑色で、ソウルと全く同じです。
運賃は均一料金で、T-moneyなどを使用する場合は1,500ウォン(約150円)、現金の場合は1,700ウォン(約1,700円)です。
乗車の際は、運転席の横やドアの横にある端末機にカードをかざせば、料金が支払われます。
現金で乗車する場合は、運転手に1,700ウォンを支払いましょう。
ただしお釣りは出ないので、きっきり1,700ウォンを用意するようにしてください。
太田で必ず行くべきおすすめ観光地6選
太田を訪れたら必ず訪れておくべき観光地は、以下の6つです。
- 太田中央市場
- 太田スカイロード
- ハンバッ樹木園
- 儒城温泉
- 太田近現代史展示館
- 太田ハンファ生命ボールパーク
大田を旅行するなら、ぜひこちらを参考にしてください。
① 大田中央市場
大田中央市場は、Krailの大田駅近くにある大規模な市場です。
1900年に開設されたこちらの市場は、駅前という立地を活かして人や物資が集まったことで発展し、現在でも大田市民の台所として地元客や観光客で賑わっています。
お店は広範囲に広がっていて、アーケードも設置されているので、天候を気にせず買い物ができるのが強みです。
食品のお店は充実していて、生鮮食品だけでなく屋台もあります。
服屋も充実していましたが、大半は年配の人向けのお店でした。
おもちゃ屋や電気屋、金物屋など色々なお店があって、歩いているだけでも楽しい市場です。
ありとあらゆるお店が立ち並んでいるので、色々散策してみましょう。
アクセス | Krail太田駅から徒歩約3分 |
営業時間 | 8:00〜20:00(店舗によって異なる) |
休業日 | 店舗により異なる |
② 大田スカイロード
大田スカイロードは、太田市最大の繁華街として知られるウヌンジョンイ通りを中心に構成された、若者向けの繁華街です。
大田スカイロードには長さ214m、幅13mに高さ20mの巨大アーケードがあります。
夜になるとアーケード全体がスクリーンになり、映像や光の演出を楽しめます。
上映は通常、夏期(4~9月)は19:00~23:00、冬期(10~3月)は18:00~22:00に行われます。
周辺にはNC百貨店などのデパートや飲食店があり、昼夜問わず若者の声で賑わうスポットです。
③ ハンバッ樹木園
ハンバッ樹木園は、韓国中部で最大規模を誇る都心の人工樹木園です。
単なる樹木園ではなく、植物の遺伝子を保全して自然学習の場を提供するという重要な役割も担っています。
1993年に開催された「大田国際博覧会(EXPO ’93)」の跡地を整備して作られた広大な公園で、博覧会後に都市の緑地空間を確保し、段階的に建設が進められました。
総面積は約387,000平方メートルに及び、東園と西園、熱帯植物園の3つのエリアに分かれています。
こちらは、2011年にオープンした無料で入場できる熱帯植物園です。
冬場は暖かくで居心地の良い場所ですが、夏場はサウナのような暑さなので、夏に訪れるのはおすすめできません。
エキスポ橋という橋を渡った向こう側には、博覧会のシンボルであったハンビッ塔やエキスポ科学公園があって、この一帯は文化と自然が融合した複合的なエリアです。
ここには広々した芝生広場が広がっていて、ピクニックやレジャーを楽しんだり、1年を通じて色々な花を見たりできます。
敷地内には市立美術館や李応魯美術館もあって、アート作品を楽しめます。
樹木園の入場料は無料ですので、気軽に訪れてみましょう。
アクセス | 地下鉄政府庁舎駅 から徒歩で約20分。またはバスも利用可能。 |
営業時間 | 東園・西園
熱帯植物園
|
休園日 | 東園・熱帯植物園: 毎週月曜日
西園: 毎週火曜日 ※休園日が祝日と重なる場合は開園します。 |
④ 儒城温泉
大田市には、儒城温泉という温泉街があります。
この温泉には、7世紀の百済時代に戦争で負傷した息子を持つ母親が、温泉で傷ついた鶴が癒されたのを見て温泉に浸からせたら傷が完治したという伝説が残っています。
その後日本統治時代に観光開発が本格化し、1988年に開催されたソウルオリンピックの選手村が開発されたことをきっかけにホテルが整備されたことで、韓国を代表する温泉街となりました。
泉質は弱アルカリ性単純ラジウム泉で、無色透明で肌に優しく「美肌の湯」として有名です。
儒城温泉には無料の足湯があって、気軽に温泉を楽しめます。
公園内にある足湯は大人数が利用できる大規模なもので、温度は39°C〜42°Cと適温です。
足湯には屋根もついているので、雨の日でも利用できます。
足湯を利用する前には、こちらで足を洗ってから利用するのがマナーです。
蛇口から出る水道で足を洗ったら、こちらのエアガンを使用して足についた水気を吹き飛ばしましょう。
足湯には管理人がいますが、日本のようにタオルの販売はありませんので、タオルは事前に用意しておきましょう。
足湯は全部で3種類あって、温度はそれぞれ異なります。
疲れを癒すには最高の場所なので、大田を訪れたら必ず足を運んでみてください。
アクセス | 地下鉄「儒城温泉駅」7番出口から徒歩約5分 |
営業時間 | 夏季7:00〜22:00 冬季7:00〜21:00 |
休業日 | 年中無休 |
⑤ 大田近現代史展示館
大田近現代史展示館は、大田の歴史に関する資料を展示している展示館です。
1932年に旧忠清南道庁舎の本館として建てられたこちらの建物は、韓国の代表的な近代建築物の一つとして国の登録文化財第18号に指定されています。
当時の最先端の建築技術が駆使され、重厚な雰囲気を持つことから、近代史をテーマにした多くの韓国ドラマや映画のロケ地として利用されたこともありました。
無料で入場できる展示館もあって、大田が鉄道都市として発展してから韓国中部の中心都市となるまでの近現代史をテーマに、様々な資料が展示されています。
日本統治時代の地図や朝鮮戦争などを経て、現在の姿になるまでの大田の変遷が写真や資料で分かりやすく解説されていました。
2階には旧知事執務室などもそのまま残されており、当時の雰囲気を体験できます。
アクセス情報 | 地下鉄中区庁駅 4番出口から徒歩約4分 |
営業時間 | 夏期(3月~10月): 10:00~19:00(最終入場 18:30)
冬期(11月~2月): 10:00~18:00(最終入場 17:30) |
休館日 | 毎週月曜日、1月1日、旧正月と秋夕(チュソク)の当日 |
⑥ 大田ハンファ生命ボールパーク
太田ハンファ生命ボールパークは2025年4月に完成した新しい野球場で、韓国プロ野球KBOのハンファ・イーグルスの本拠地として使用されています。
2024年まではこちらの旧球場を使用していましたが、老朽化が進んだことで新球場建設の計画が進み、この球場の隣に新球場を完成させました。
そして球場周辺もきれいに整備され、アメリカのボールパークを彷彿させる美しい球場に整備されたのです。
こちらが、太田ハンファ生命ボールパークです。
MLBの球場をモチーフにした新球場は、その快適な観戦環境が評判を呼び、オープン初年度から多くの観客を集めています。
グラウンドまでの距離も近く、選手と観客との一体感が強い球場でした。
天然芝のグラウンドとゆったりとした座席は、まるでアメリカの野球場にいるような気分になります。
こちらは、ライト外野席から見た景色です。
ライト外野にはブルペンがあって、上からピッチャーが投げているのを見られます。
レフト外野席は芝生とバルコニー席になっていて、寝そべりながらゆっくり試合を観戦したい人におすすめです。
さらに3塁側の上段席にはプールがあって、プールで泳ぎながら試合を楽しめます。
しかしこちらのプール、サービス開始当初はアクリルが割れたり水しぶきが下の席に飛んできたりと、ありえない問題もいくつか発生しました。
大田駅からは多少距離がありますが、野球の試合を見るならかなり快適な環境ですので、機会があったらぜひ観戦してみましょう。
アクセス:大田駅から802バスに乗車、または徒歩約20分
大田 おすすめグルメ2選
大田には、訪れたら必ず味わっておくべきおすすめグルメがあります。
今回おすすめするグルメは、以下の2つです。
- 聖心堂のパン
- カルグクス
大田でおいしい食べ物を味わいたいと思ったら、ぜひ参考にしてください。
聖心堂
聖心堂は、1956年に創業した大田市発祥のベーカリーショップです。
本店舗は大田スカイロードの近くにあり、平日週末に関わらず常に大行列ができています。
店舗の2階は、コーヒーなどドリンクをパンと一緒に味わえるカフェになっていました。
店内に入ると、我先にとパンを求める大勢のお客さんで賑わっています。
パンの種類は豊富で、かつお手頃な値段なことから、多い人で一度に20個以上のパンを購入する人もいました。
焼き立てのパンは常にラックの上に置かれていて、無くなったらすぐに補充できるようになっています。
価格は安いもので1,500ウォン〜なので、小腹が空いた時に食べるのにおすすめです。
最も人気のあるのは、こちらのソボロパンです。
ソボロという名前ですが、惣菜パンではなく表面がサクサクなシュトロイゼルを使用した菓子パンで、メロンパンのような食感でした。
ちなみに店舗は、本店と太田駅にある支店のみで、ソウルなど他の都市では一切購入できません。
大田に行かないと味わえないパンなので、大田を訪れたら必ず足を運んでみてください。
カルグクス
大田市は、おいしいカルグクスのお店が多いことでも有名です。
カルグクスとは手切り麺と呼ばれる麺料理の1つで、日本のうどんに近い料理として知られています。
ただしうどんとは異なり、麺をスープに直接入れてスープに入れて茹でるので、とろみがつくのが特徴です。
カルグクスのお店は大田駅近くに多くあり、中でもおすすめなのがこちらのお店です。
こちらのお店では、いりこの魚粉をかけた薄味のカルグクスを提供しています。
普通盛りと大盛りが注文できますが、スタッフは英語が通じませんので翻訳アプリを使って注文しましょう。
またキムチはおかわり自由ですので、遠慮なく食べましょう。
こちらのお店は、大田駅から徒歩約7分行ったこちらにあります。
営業時間は10:00〜20:00までですので、ランチやディナーにおすすめです。
大田はソウルや釜山からアクセスもよく、見どころも豊富!
今回の記事では、韓国第5の都市として知られる大田の見どころやおすすめグルメ、アクセス方法を解説しました。
ソウルや釜山、仁川などと比べて地味な印象がある大田ですが、自然に恵まれて温泉など見どころが満載の都市です。
またソウルや釜山からもアクセスがしやすいので、これらの都市から気軽に日帰り旅行もできます。
韓国を訪れたら、ぜひ大田に訪れてみてください。