長野県第2の規模を持つ都市として知られる松本市。
松本市は、観光スポットや温泉に恵まれていて、かつそれらのスポットは市内中心部にまとまっているのでとても観光しやすい街として評価も高いです。
正直な話、徒歩でも十分に周ることのできる街なのですが、歩くだけでは体力を消耗するので満足な観光ができなくなってしまいます。
特に冬はマイナスの気温になる厳しい気候。
なので公共交通機関を利用して効率よく回りたいですよね?
松本市には、タウンスニーカーと呼ばれる観光に便利な周遊バスが運行して、松本市の主要な観光地に簡単にアクセスが可能です。
正直、このバスだけ乗っていれば、松本市の観光は問題ありません!
という訳でこの記事では、周遊バスのタウンスニーカーで行ける松本市のおすすめ観光スポットを3ヶ所紹介します。
タウンスニーカーを有効に使って、松本観光を楽しみましょう!
松本市中心部を走る周遊バス タウンスニーカー
JR松本駅前を起点に、市内を東西南北アクセスできる周遊バスで、松本市の足であるアルピコ交通が運行しています。
主に20分〜30分間隔で運行されていて、観光だけで無く市民の足としても利用されているタウンスニーカー。
こちらがタウンスニーカーの路線図です。
タウンスニーカーの路線は全部で4つ。
- JR松本駅のお城口のロータリーから、本町を走った後松本城の外壕を走って、旧開智学校で折り返し同じ道を通って松本駅に戻ってくる北コース。
- JR松本駅お城口を起点とし、時計回りに四注神社から城下町の雰囲気が漂う中町通りを走り、イオンモールを通ってあがたの森公園からあがたの森通りを真っ直ぐ進んで、松本駅に戻る東コース。
- JR松本駅お城口から市内南側のゆめひろば庄内の方を時計回りに一周して松本駅に戻る南コース。
- JR松本駅アルプス口から浮世絵博物館歴史の里で折り返して松本駅に戻る西コース
の4路線があります。
料金は後払い方式で大人200円、子供100円。南コースの途中乗車、西コースの初乗りは大人150円、子供80円です。
バスを終日利用したい方には、1日乗車券もあります。
こちらは、バス車内または松本バスターミナルで購入可能。
料金は大人500円、子供250円です。

1日乗車券は、タウンスニーカーのバスだけでなく
1日乗車券を今回取り上げる観光施設で見せれば、入場料が割引になるので松本の街をくまなく周りたい方は必ず購入することをおすすめします。
割引施設一覧
- 松本城
- 松本市立博物館
- 旧開智学校
- 日本浮世絵博物館
- 松本市歴史の里
- 松本市時計博物館
- 松本市はかり博物館
- 松本市美術館
- 旧制高等学校記念館
- 松本民芸館
タウンスニーカーで行ける松本の観光地① 旧開智学校
旧開智学校は、1876年に開校した小学校の旧校舎で、日本で最古の小学校として知られています。
和と洋が混ざり合った擬洋風の建築様式は、当時の人々の度肝を抜いたデザインだったそう。
松本市は、明治時代の頃に就学率が全国1位になるほど、教育が盛んな土地でもありました。
この校舎は、元々この場所にあった訳ではありません。
1961年に重要文化財に指定された後まで、市街地を流れる女鳥羽川のほとりにこの校舎はありました。
その後開智学校は現在の場所に移転。
そして新しく移転した校舎の隣に、ほぼ新築された時と同じように復元されたのです。
1961年には、国の重要文化財に指定。
1965年には、現在のように博物館になり、2019年になって、近代学校建築では初めての国宝に指定されました。
開智学校へのアクセスは簡単です。
JR松本駅からタウンスニーカー北コースに乗車。
旧開智学校バス停で下車してすぐの所です。

旧開智学校前のバス停は、バスの折り返し地点になっています。
なので、そのまま終点まで乗っていましょう。
旧開智学校の入場料は
大人(高校生以上)400円
子供(中学生以下)200円
となっています。
なお、タウンスニーカーの1日乗車券を見せれば、100円割引の300円で入場することができます。
開館時間は、午前9時〜午後5時です。(最終入場は4時30分まで)
校舎内には開校していた頃に実際に使われていた教室が一般公開されていて、そこには当時使用していた教科書など、貴重な資料が展示されています。
卒業生が開智学校の思い出を綴っている回想文も展示されていて、当時の面影を強く感じることができる雰囲気でした。
校舎内は、ほぼ当時のままの形で再現されています。
床や柱の木目を見ると、歴史の長さを感じますね。
この展示室では、手前に教室にあったストーブ、奥には生徒達が当時使用していた教科書が展示されています。
ガラスケースの上にかかっている表は、掛け算の九九を表にしたものです。
明治時代の教科書を読みながら、今の教科書を比較してみるのも楽しいですね。

旧開智学校は、明治時代の教育関係の資料の保存数が、日本でもトップクラスの数と言われています。
旧教室内には、校舎の建築に関する資料も展示してあり、建築の際の様子がはっきりとわかります。
一通り展示物を見終わったら、再び外に出て校舎の外観を見直してみましょう。
開智学校の正面には、2人のエンジェルが「校学智開」と書かれた学校の看板を持って佇んでいました。
このエンジェル、開智学校を長年見守ってきた象徴として今日まで愛されています。
エンジェルなのに仏頂面というのが、逆に愛嬌があっていい感じですね。
龍の彫刻も立派で、完成度の高さが伺えます。
旧開智学校の隣には、松本カトリック教会の宣教師達の住宅として使用されていた松本市旧司祭館があります。
明治時代初期に建てられた、松本市で最も古い宣教師館です。2005年には、長野県宝に指定されています。
開館時間 午前9時〜午後5時で、旧開智学校と同じ。 入場料は無料です。
開智学校、旧司祭館共に3月から11月の第3月曜、12月から2月までの月曜、年末年始は休館ですので、年末年始の旅行の際には注意が必要です。
2021年6月から、旧開智学校は耐震工事のため、3年間休業します。
工事中の3年間は、上記で紹介した旧司祭館で展示品を展示しているので、そちらを訪れてください。
タウンスニーカーで行ける松本の観光地② 国宝松本城
松本市の象徴であり、日本に5つしかない国宝に指定された城の一つです。
5重6階の大天守に、乾小天守、辰巳附櫓、月見櫓を連結した複合連結式天守を採用しています。
戦国時代の永正年代に造られた深志城がその始まりで、以後整備が繰り返され、明治時代には倒壊の危機にさらされながら、地元の有志たちによって保存が行われ、今日まで至ります。

松本城天守は5重構造。
日本に現存する最古の五重天守の建造物です。
松本に観光に来るなら、必ず選択肢に入れなければならない場所です。
城ももちろん美しいですが、城の周りのお堀にも注目してみてください。
ここのお堀の水は、はっきり言って他の日本のお堀と比較しても、かなり水が透き通っています。
その水の中を、大きくて健康的な錦鯉が元気に泳ぎ回っていました。
白鳥も時々飛来します。

松本市は市内至る所から飲んでも美味しい井戸水が湧き出ています。
お堀の水が綺麗なのも、その影響でしょうか?
松本城は、どの角度から写しても絵になる写真が撮れます。
いろんな角度から写真を撮っちゃいましょう。
アクセスと入場料、開館時間
JR松本駅からタウンスニーカー北コースに乗って、「大名町」または「丸の内」バス停で下車。
大名町バス停には通常の路線バスも停車するので、松本駅バスターミナルから路線バスに乗ってアクセスするのもOKです。
なお、旧開智学校から松本城へ向かうなら、バスできたルートを歩いて10分ほどで到着します。
そこまで遠くないので、バスが来なかったらそちらの方が早いです。
入場料 大人610円 小中学生300円。
1日乗車券の割引だと大人550円 小中学生270円になります。
開館時間は午前8時30分〜午後17時までです。
入場券で、天守閣、本丸御殿跡の庭、松本市立博物館に入場出来ます。
松本城の見所① 天守閣内の景色
こちらが、天守閣周辺の庭です。
管理事務所、売店、トイレ、コインロッカーがありますので、休憩するにはベストの所です。
写真の正面奥に、江戸時代風の格好をした人がいます。(見辛くてすいません)
彼らは、「おもてなし隊」です。お願いすれば、白をバックに彼らと一緒に記念撮影が可能です。
さすがは国宝。芝生も綺麗に整備されています。
ここでは、春に行われる「松本藩古流砲術演舞」や、夏の「太鼓祭り」、秋の「信州そばまつり」「合同茶会」「なぎなた大会」、そして冬の「新春祝賀式」など数々のイベントが行われます。
松本城は、松本市のイベントのメッカでもあるのです。
春になると、周辺の木は桜が満開になり、訪れた人々を楽しませてくれます。
そしてすいません。天守閣に入って撮影しようと思ったのですが、行列が長かったので時間が取れず、内部の撮影が出来ませんでした。
天守閣に入場したいのであれば、最大で5時間以上の時間を作って、松本城に行くことをおすすめします。
天守閣に入場するには、長くて90分〜120分の待ち時間がかかります。外で並び続けなければならないのです。
さらに天守閣の見学で、平均40分〜50分近くかかるとのこと。
博物館の見学時間も合わせれば、やっぱり5時間以上は費やしてしまいます。
これは、松本城内の安全確保のために入場制限をしているからです。
城内の階段は、傾斜が61度ありかなりハードとのこと。
高齢者の方は、途中で断念してしまうこともあるみたいです。
なので、週末や長期休暇に行くなら、覚悟はしておきましょう。
天守閣に行くのを断念しても、入場料は返ってきませんので、あしからずです。
尚、8月の時期は、和服姿で行くと庭園は無料で入場出来ます。(天守閣は有料)
松本城の見所② 松本市立博物館
松本城の歴史や、松本市の歴史を時系列で紹介しています。その時代の日常生活で使われていた貴重な品が展示されています。
松本市の名産品や祭りも紹介しているので、松本市を知りたければここへ行きましょう。
博物館単体の入場料は、大人200円に子供100円です。

タウンスニーカーで行ける松本の観光地③ あがたの森公園
松本市の東側に位置する自然豊かな公園です。
アクセスは、タウンスニーカー東コースに乗って、「旧松本高校」で下車。
そこから歩いてすぐの所に公園はあります。
現在は、上の写真のように公園として整備されていますが、かってこの場所は旧制松本高校の校舎があった場所として知られているところです。

旧制松本高校とは、今でいう信州大学のことです。
敷地内には、このような旧制松本高校で使用されていた校舎がそのまま保存されていました。
これらの公園内の建物は、重要文化財にも指定されています。
1919年にこの地に開校した旧松本高等学校は、1950年に学制改革によって廃止されるまで、数多くの優秀な卒業生を輩出してきました。
その松本高校及び、旧制高校の歴史を知るための博物館が、公園内にあります。
それがこちらのレンガ造りの建物、旧制高等学校記念館です。
入場料は大人300円、子供無料と安い価格で見学できるので、公園を訪れたらぜひ訪れてみましょう。
この資料館は元々、旧松本高校の本館の建物を使用したあがたの森文化会館の中に1981年から開設された博物館でした。
1984年にそれまで公園内にあった松本高校の寮が取り壊され、資料が散逸されるのではという心配がされるようになっていきました。
その後、旧制高等学校の歴史を未来に伝えたい、という全国の卒業生の思いによって数々の資料が集められました。
こうして1993年に、写真にある旧制高等学校記念館がオープンしたのです。
館内には、松本高校に関する当時の写真や資料が所狭しとあります。
松本高校の個性的な先生の紹介や、当時の教科書、学校行事、寮生活など、ありとあらゆる方向から旧制高等学校の様子を紹介しています。
中でも寮生活に関する展示は面白く、生徒がタバコを吸いながら麻雀してる写真や、街に出て女ホステスと遊んでる写真、寮の窓から小便をしている写真など、ちょっとぶっ飛んだ様子の写真もあります。
旧松本高校は、数々の卒業生を政財界や作家を排出しました。
中でも有名なのが、作家の北杜夫です。
彼の有名な随筆が、「どくとるマンボウ青春期」
この作品は、作者本人が松本高校で出会った個性的な先生や同級生との生活を書いた作品です。
松本高校の当時の雰囲気がよくわかる内容なので、一読をおすすめします。
あがたの森文化会館

建物内には、市立図書館も入っていて、観光客でも自由に入ることが出来ます。
大正時代に竣工した旧松本高校の校舎です。そのままの状態で保存されていて、現在は市民のための公民館としての役割を果たしています。

どうですか、なんか大正時代にタイムスリップした感じですよね。
かっての教室(現在は事務所等に使用)が自由に見学できるので、上の写真は入り口のところにある階段です。
映画とかドラマに出てきそうな雰囲気ですね。
まとめ
今回は、タウンスニーカーのバスでアクセスできる松本市の観光スポットを紹介しました。
自然に囲まれて、水も美味しく、信州そばなど食べ物も美味しい松本市。
是非一度、訪れてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。