静岡県の県庁所在地としておなじみの静岡市。
静岡市を初めて訪れた人は、他の政令指定都市と比べて知名度のある観光スポットが少なく、

静岡市へ行ったら、観光はどこに行ったら良いのだろう?
と悩む人は多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが、徳川家康の墓があり、国宝にも指定されている久能山東照宮です。
以前こちらのブログで紹介した日本平ロープウェイで簡単にアクセスでき、徳川家康にゆかりを持つこの久能山東照宮は、
- 日本史好き
- 駿河湾の美しい景色を見たい
- ロープウェイに乗りたい
こんな人には、特におすすめの記事です。
標高216mの久能山の上に位置するこの東照宮は、2010年に国宝に指定されて以降、多くの観光客で賑わっています。
宝物を展示している博物館や、駿河湾の絶景も見れるので、絶対に行って後悔はしません。
この記事では、静岡市出身で静岡市の観光地を熟知した私ひろたかが、久能山東照宮の見所を簡単に解説していきます。
是非参考にしてください!
目次
久能山東照宮へのアクセス 日本平ロープウェイ
久能山東照宮は山の中を切り開いた場所にあるので、
久能山東照宮へのアクセスは、日本平と久能山の間を約5分で結んでいる日本平ロープウェイが1番便利です。
50年以上の歴史を持つロープウェイで、久能山東照宮までのアクセス路線として、重要な存在として君臨しています。
静岡市随一の富士山景勝地、日本平にあるおすすめスポットを紹介します
ロープウェイ日本平駅の乗り場は、日本平パークセンター内にあります。
このパークセンターは以前は汚く、近寄りがたい場所でしたが、夢テラスの完成に合わせてリニューアル。
お土産や食事を楽しめる休憩スポットとして、以前より充実したお店になりました。
ロープウェイのチケットは、パークセンター内で買うことができます。
こちらがロープウェイのチケット価格の一覧です。
ロープウェイ往復+東照宮+博物館 大人 1,950円 中学生 1,470円 小学生 880円
日本平ロープウェイは、基本10分間隔で運転しているので、長時間待つことはありません。
混雑時には入場制限がかかり、直前になって乗れなくなることもありますが焦らず乗り場で待ちましょう。
こちらがロープウェイの車両です。
徳川家の家紋をモチーフにしたラッピングが施されていますね。
基本は立って乗車しますが、前方と後方には座席があるので、高齢者等にはありがたい設備です。
景色を楽しみたいなら、前方の位置を確保するのをおすすめします。
基本的に女性の案内係が車掌として一人乗車して、扉の開け閉めやお客の誘導を行います。
運行中は、日本平や久能山の歴史や景色の紹介をするアナウンスが流れるので、聞き逃すことのないようにしてください。
出発後、目の前には一面の森と駿河湾の絶景を見渡すことができます。
この谷底、かなりの高さで足がすくみます。
なんでも一番深いところで90mあるとのこと。
高いところが嫌いな人は、無理して下を見ないようにしてくださいね。
中間あたりに来ると、久能山から来る対向のロープウェイとすれ違います。
アナウンスで、
手を振りましょう〜
と指示されるので、すれ違うと同時に手を振ってみましょう。
反対のロープウェイのお客さんも手を振ってくれるので、車内が明るい雰囲気になります。

対向のロープウェイに無視されたり、車掌だけ手を降ってお客は全くそれにのらないという滑った光景に出くわすこともあります(笑)
車掌さんも頑張っているのでなるべく手は振りましょう!!
5分間の短い乗車ですが、景色もいいので充実した空の旅を楽しんでください。
尚、季節によって運行時間が違いますのであらかじめHPで確認することをおすすめします。
国宝久能山東照宮の見所を紹介
久能山東照宮は、江戸時代の1616年に2代目将軍徳川秀忠によって創建されました。
先代の将軍である徳川家康にとって、久能山は駿府城(現在の駿府城公園)と同じくらいの重要拠点に選ぶほどこの地を気に入って、遺言でも久能山に埋葬されることを望むくらい彼にとって理想の地であったと言われているほどです。
海の浸食によってできたこの土地は、推古天皇の時代に久能忠久によって建立された久能寺がルーツとされています。
その後、武田信玄によって現在の鉄舟寺(今の清水区村松にあるお寺)に久能寺を移すのと同時に、久能城を築き上げました。
しかしその後、武田氏は滅亡。
変わって徳川氏が駿河を支配することになり、久能城は徳川家が保有することになり、東照宮が建設されたのです。
家康の死後、彼は東照大権現の称号を与えられ、家康を神としてまつる東照宮が各地に建てられるようになりました。
今では、栃木の総本宮の日光東照宮と東京の上野東照宮と芝東照宮と共に、日本4代東照宮としてその名を全国に知られています。
2006年には大規模な社殿の塗り替え工事が行われ、現在のような美しい朱色に生まれ変わりました。
2010年には、本殿、石の間、拝殿が国宝に指定。
それ以降、観光客を呼ぶ為の宣伝や整備が行われるようになり、東照宮を訪れる観光客は増えるようになったのです。
そんな注目度が増した東照宮。
実際どんなところなのか、早速ここから見て行きましょう。
久能山東照宮の見所 楼門
入場口でチケットを購入し、しばらく歩くと真っ赤な色をした楼門が姿を現します。
久能山東照宮にある重要文化財の一つで、美しい朱色に塗られた東照宮の入り口とも言うべき門です。

入場口の外からも、その姿を見ることはできます。
軒下にある額には、第108代御水尾天皇が書かれた「東照大権現」という文字が印されています。
中央には獏の彫刻があり、左には随身、右側には狛犬の彫刻が門の2階部分に据えられていました。
久能山東照宮の見所 御社殿
楼門を潜ってしばらく歩いたところにある、同じく重要文化財の唐門を潜ると見えてくるのは、東照宮のメインの建造物で、国宝に指定されている御社殿です。
この御社殿は、徳川家康を祀る本殿と、写真に写っている参拝客が参拝をするための拝殿の2つに分かれていました。
この2つが連結した造りの建物のことを、権現造(ごんげんづくり)といいます。
権現造はその後、日本にある東照宮神社の造りの原型となりました。
久能山東照宮が国宝に選ばれたのも、日本で最初に造られた権現造の建物というのが認められたからだと言われています。
この日は晴天だったので、建物の朱色が本当に美しく輝いていましたね。
建物を見たら、早速お参りをしていきましょう。
東照宮の参拝方法は、2拝2拍手1拝です。
東照宮での御祈祷と結婚式は、この御社殿で取り行われます。
週末運が良ければ、結婚式を行う姿が見れるかもしれません。
久能山東照宮とプラモデルとの繋がり
お茶会が開催される重要文化財の一つ、神楽殿の横にはプラモデルの展示があります。
一見東照宮とは関係なさそうなプラモデル。

どうしてここにプラモデルが置いてあるの?
話は江戸時代の、久能山東照宮を建築した頃に遡ります。
江戸時代に久能山東照宮を建てる際に、徳川家は立派な東照宮を建設するために、日本各地から優秀な職人を次々と集めました。
彼らの匠な技術のおかげで、東照宮は見事な姿で完成。
東照宮が完成した後、職人達は温暖な気候の静岡をいたく気に入り、そのまま故郷に帰らず静岡に定住するようになったのです。
彼らは静岡に工房を構え、木材を使用し漆器や家具、仏壇や雛人形などの工芸品を作り、やがてそれは静岡を支える一大産業になりました。

駿河竹千筋細工や雛人形、家具などは全国的に高い評価を受けています。
この技術は後の世代に受け継がれ、昭和の初期には静岡のあちらこちらで木製の模型の製造が始まり、やがて戦後にはプラスチックの模型へと転換されていきました。

それらはプラモデルやラジコンカー、ミニ四駆と進化して、世界的にも高い評価を受けるようになったのです。
こうして静岡市は、タミヤ模型やバンダイを中心に「模型の街」としてその名を全国に知らしめていきました。
今や世界中に知れ渡っている静岡の模型産業。
そのようになったきっかけは、久能山東照宮を建設するために呼び寄せられた職人たちだったのですね。
ここには、静岡で生産されたガンダムのフィギュアや、FDAの飛行機、静岡鉄道の模型が展示されています。
ガンダム好きな方は、特に必見です。
久能山東照宮の見所 神廟(徳川家康の墓)
御社殿の左側には通路があり、そこを真っ直ぐ登っていくと見えてくるのが、江戸幕府初代将軍徳川家康の墓です。
実は家康の墓は日光東照宮にもあり、遺体はどちらに眠っているのかというのが、様々な憶測となって語られていますが、有力なのはこちらの久能山の墓と言われているとのこと。(あくまでも真実は不明)
高さ5.5m、外回り8mある石造宝塔。
最初の頃は木造の桧皮葺(ひわたぶき)のお墓でしたが、3代将軍徳川家光によって現在の石造の墓に建て替えられました。
このお墓は家康の命により西の方向を向いていて、その先には家康の生まれた岡崎の岡崎城があると言われています。
自然に囲まれた静かな場所にあり、ベンチに座りながらリラックスしながら見学しましょう。
こちらは、金のなる木と呼ばれている木です。
家康の墓を正面から見て右側にあります。
金のなる木は、家康の逸話として有名です。記事の最後に東照宮のHPのリンクを貼りますのでそちらを参考にしてください。
この逸話にあやかった木の御朱印は、久能山の名物として人気があります。
久能山東照宮 博物館
久能山東照宮に奉納されている宝物を展示している博物館です。
家康が日常で使っていた道具や、武器、鎧兜等、徳川家にまつわるもの約2000点が展示されています。
久能山に関することや、徳川家の歴史を学ぶには必見の博物館です。
また季節ごとに、様々な企画展が行われています。
久能山東照宮の見所 美しい駿河湾の眺め
久能山東照宮を訪れるには、先程紹介したロープウェイと、国道150号線沿いの久能山下から石段を登って行くという2つの方法しかありません。
久能山下に車を駐車し、山の麓から長々と続く石段を登っていった先には、このような美しい駿河湾の景色が現れます。
天気の良い時には、伊豆半島も見える最高の景色です。

ロープウェイが開通する前は、久能山東照宮へは石段を登って行くしか道はありませんでした。
山を切り裂いて造った場所にあるので、車でアクセスすることが不可能だからです。
石段を登ってきた場合は、登り切った達成感もあってか普通に見るより何倍も美しく見える気になります。
この階段は全部で1,159段あり、昔の人は段の数から「いちいちご苦労さん(1159)」と洒落を言いながら登ったものでした。
昔から僕も何回か登ったことがありますが、マジできついです。
- 楽して東照宮にアクセスしたい人
- 体力に自信がない人
こういった方々は、決して無理をしないで、ロープウェイを使いましょう。
それでも登ってみたいのであれば、登ってみてください。
石段は段差が深いところがあるので、ゆっくり歩いていてもかなり体力を消耗するので、決して急がず自分のペースでゆっくり登った方が楽です。
ぜひ登り切って、美しい駿河湾の大海原をこの目に焼き付けましょう!
先程と反対側の方向の景色を見てみましょう。
訪れた日は天候も良かったので、遠く御前崎まではっきりと見ることができました。
この久能海岸周辺は、石垣イチゴの栽培が盛んです。
山の丘陵地帯にはたくさんのビニールハウスがあって、ここで美味しくて甘いイチゴを栽培しています。
毎年1月〜3月にかけてイチゴ狩りが楽しめて、美味しいイチゴをたらふく食べることができます。
石段の登り口までは、静岡駅南口か清水駅からバスでアクセスすることもできますが、本数が少ないのが難点。
なので車で行く方が便利です。
駐車場はそれほど多くないので注意。
場所は静岡駅、清水駅から車で約20分。
海沿いの国道150号線上にあります。
静岡駅、清水駅と共にバスでもアクセスはできますが、本数が少なくて静岡駅から行く場合は途中の「東大谷」バス停で乗り換えなければならないため少し不便かもしれません。
時刻表は、こちらのリンクを参考にしてください。
久能山東照宮、博物館の拝観料
東照宮拝観のみの拝観料はこちら。
東照宮博物館のみの料金はこちらになります。
そしてこちらが、久能山東照宮+東照宮博物館の共通入場券です。
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