【天守閣見学再開】熊本城公園のおすすめスポットを紹介します

九州

九州を代表する都市として有名な熊本県熊本市。

その中心にある熊本城と熊本城公園は、熊本市の象徴として市民に愛され続けています。

しかし、2016年4月の熊本地震によって熊本城天守閣とその周辺の建造物は大変な被害にあってしまいました。

あれから数年経過した今でも修復工事は行われていて、完全な復旧への道のりはまだ遠いというのが現実です。

熊本城って見学できるの?

どのあたりまで見学ができるんだろう?

 

今回はこういった疑問に答えていきます。

熊本城は、天守閣を取り囲むように2020年の6月から特別見学通路が完成し、だいぶ近いところから見学が可能になりました。

というわけで今回は、熊本城天守閣+熊本城公園のおすすめスポットについて紹介していきます。

熊本城はまだまだ復興の途上にありますが、十分満足できるように見学できるので、訪れる際の参考にしてください。

 

熊本城天守閣 その簡単な歴史

 

 

熊本城が完成したのは1607年。
肥後熊本藩初代藩主の加藤清正によって築城されました。

加藤清正は、肥後の荒れ果てた地に水田を開発して農業を活性化させたり、南蛮貿易を積極的に行ったりするなど、肥後の発展に大きく貢献した人物です。

 

しかしその後、加藤家はわずか2代で改易され、その後は細川忠利が城主となり、以降12代に渡って細川家は熊本の藩主として君臨しました。

しかし、1877年の西南戦争において大規模な篭城戦の舞台となりますが、天守閣は原因不明の火事で跡形も無く消失してしまいました。

残された堀や建造物の史跡は、戦後になって国宝として指定され、天守閣も1960年に鉄筋コンクリート造りで再建されました。

2006年の熊本地震で重大な被害に遭いましたが、2020年に地上6mの専用通路が完成。

その通路から天守閣を間近で見れるようになりました。

 

天守閣の見学は、行幸坂の所の南口と南大手門の所の北口の2つどちらからでも入場可能です。

ここからは、見学通路から見れる熊本城と、その周辺の現在の様子を紹介していきます。

熊本城天守閣と周辺の文化財の被害状況

 

見学通路から見た数寄屋丸二回尾広間です。
この櫓は熊本城築城から変わらず残っていたものでしたが、地震により石垣が半壊してしまっています。

石垣上部が激しい地割れを起こしていて、地震の大きさがよく分かります。

 

 

熊本城の見所の一つが、石垣の高さです。

熊本城の石垣は、武者返しと呼ばれていて、上に行けば行くほど上りづらい特殊な造りになっていて、忍者さえも登ることが出来なかったみたいです。

この写真は倒壊していますが、連続外枡形と呼ばれる熊本城独特の階段を写しています。

敵からの防御性を強くするために、6ヶ所折り曲がっているのがこの階段の特徴です。

天守閣周辺の階段は高い石垣に囲まれていて、そこを歩いて散策するのが定番でしたが、地震で多くの石垣が写真のように倒壊。

現在は立ち入り禁止となっています。

 

 

ちなみにこちらが、天守閣と武者返しの石垣です。

この写真を見ると、いかに石垣が高いのかがよく分かりますね。

 

西出丸にある戌亥櫓(いぬいやぐら)です。

櫓の下とその周辺の石垣がほぼ崩壊しているのに、何と櫓だけが奇跡的に倒壊せずに残っているというミラクルな光景を見れます。

いつ倒れてしまうかハラハラしてしまうような姿ですね。
天守閣の方は修復が進んでいますが、こちらの方はまだこれからという所です。

 

こちらは、宇土櫓です。
天守閣並の大きさを誇る建物で、熊本城築城当時からの姿を保っている唯一の多重櫓。

地震の前は内部が一般公開されていて、「熊本城の第3の天守」ともいわれています。

明治の火災で天守閣が燃えてしまう中、この宇土櫓は奇跡的に難を逃れました。
しかし熊本地震で半壊してしまい、これから復旧工事が行われます。

写真に写っている建物を解体して工事するので、見るなら今がチャンスです。

 

 

こちらは、大手楼門。

熊本城に3つある大手門の中で、最大の大きさを誇ってます。

大きさだけで比較したらこの南大手楼門が1番ですが、最も格式が高いのは南大手楼門の近くにある西大手楼門です。

どちらも格式高い門で熊本城の名物として君臨してましたが、地震により門とその周辺の石垣は倒壊してしまいました。

 

現在工事中なので、このように遠目からしか見ることが出来ません。

 

南大手楼門の後ろ側には、行幸坂という緩い坂があり、1902年の明治天皇行幸に合わせて坂下にある行幸橋と合わせて造られました。
行幸坂は、熊本市を代表する桜の名所として知られています。

 

 

熊本城天守閣を正面から見た光景です。

この写真を撮影したのは、2020年の12月。
当時はまだ、城のギリギリまで近寄れるくらいでした。

そして2021年4月、震災から5年かかってようやく天守閣内部の見学が再開されることに。

天守閣内では、

  1. 模型を使って熊本城や城下の形成を解説
  2. 細川家時代の熊本城紹介
  3. 明治の大地震や昭和の天守再建など、近代史の紹介
  4. 熊本地震からの復興までの歩み

をについて解説していて、熊本城の歴史について詳しくなれます。

そして、これに合わせ天守閣にも入場できるようになりました。

普通の観覧券で入場可能ではありますが、週末や長期休みはかなりの混雑が予想されます。
スムーズに入場したい場合は、事前に日時指定のチケットを購入していきましょう。

チケット予約サイトはこちら。

三重の外観を持つ熊本城は、別名「銀杏城」と呼ばれています。

城の東側の天守閣広場には大きなイチョウの木があり、秋の紅葉シーズンには城とイチョウの美しい組み合わせが美しく必見です。

 

熊本城は、多くの関係者の努力で綺麗な城に戻りましたが、その他の石垣や建造物は以前倒壊したままだったり、復旧作業中だったりと完全な復旧には至っていません。

現在も立ち入り禁止の場所が多く、元に戻るには相当な年月がかかりそうです。

それでも、熊本市民の誇りである熊本城。じっくりその姿を焼き付けましょう。

熊本城天守閣周辺 桜の馬場城彩苑

 

 

行幸坂の所にある、地元の名産を食したりお土産を購入したり出来るショッピングモールです。

馬刺し、辛子蓮根といった熊本名物を食べたり、お土産を買って楽しめます。

歩き疲れたら、カフェもあるのでそこで休憩するのもいいです。

食べ歩きも出来るので、ゆっくり散策してみましょう。

熊本城天守閣周辺 熊本城ミュージアムわくわく座

 

熊本の歴史や文化を学べる博物館で、映像を見て楽しみながら学べる体験型エンターテイメント施設です。

映像を使った舞台では、熊本の歴史を芝居形式で楽しめます。

このミュージアムで一番のおすすめは、熊本城石垣積みを体験出来るコーナーです。

レゴを組み立てる感覚で、正しい石垣を組み立てていき、石垣がどのように造られているのかを体験できます。入場料は、熊本城と熊本博物館との共通券としても購入可能です

大人(高校生以上) 子供(小中学生)
わくわく座入場料 300円 100円
わくわく座、熊本城共通 600円 200円
わくわく座、熊本城、熊本博物館共通 900円 300円

 

熊本城公園で必ず行くべき見所

 

 

熊本城の周辺は、熊本城公園という広大な公園になっていて、園内には色々な見所があります。

自然あふれる公園なので、散歩にも適した居心地の良い公園です。
ここからは、そんな熊本城公園の見所を紹介していきます。

思っている以上に見所が多いので、1日中楽しむことができますよ!

熊本城公園の見所① 加藤神社

 

 

天守閣の横にひっそりとたたずむ神社です。

一見すると普通の神社ですが、ここは名前の通り熊本城初代城主加藤清正を祀る神社で、初詣の季節には多くの参拝客が訪れています。

加藤清正は、今日の熊本の発展を築いた功績から「セイショコさん(清正公から名付けられた)」と呼ばれ親しまれています。
境内には、清正公が植えた樹木や、当時使用していた水鉢等、加藤清正にゆかりのある物も多数あります。
また、神社から見える熊本城は大変美しく、写真撮影のベストスポットとして有名です。
毎年7月の第4日曜日は、「清正公(せいしょこ)祭」が開催され、多数の露店や神幸行列で賑わい、熊本の夏の始まりを知らせる祭りとして親しまれています。

熊本城公園見所② 熊本市美術館、熊本博物館

 

熊本城公園には、大きな博物館と美術館があります。
最初に紹介するのが、熊本県立美術館です。
写真の建物が県立美術館で、築45年経つ古い建物ではありますが、地元の細川家にまつわる芸術品やヨーロッパの絵画など、幅広い展示物を見ることができます。

入場料は、全館共通で

大人 430円 大学生 260円  高校生以下は無料です。
別棟の展示室だけを見たいなら、大人 210円 大学生 130円
本館2階の展示室のみを見たいなら 大人 280円 大学生 170円
となっています。
そして熊本博物館の方は、すいません! 訪れた日が年末だったので閉館していて、中を見ることが出来ませんでした。
なのでここでは簡単な説明だけまとめます。
熊本県立美術館の隣にあり、館内には熊本の歴史にまつわる豊富な展示品があり、熊本の歴史を時系列で学べちゃう博物館です。
熊本の地形や阿蘇山など、熊本の自然に関する展示もあります。
屋外には、SLが展示されていたり、プラネタリウムも鑑賞出来るなど、1日満喫できる博物館です。
入場料
大人 400円  大学高校生 300円  小中学生 200円
熊本県立美術館と熊本博物館、いずれも熊本市電1日乗車券やバス乗り放題のわくわくdayパスを見せると入場料金が2割引になります。

熊本城公園見所③ リプワーク藤崎台球場

熊本城公園西側、護国神社の隣にある野球場です。
熊本県民の野球の聖地で、夏の高校野球の決勝は毎年ここで開催されています。
プロ野球の公式戦も年に数試合行われていて、2018年にはオールスターゲームも開催されました。
球場自体は、正直いって老朽化が激しく、スタンドも小さく石垣を積み重ねて造られた古い球場です。
椅子は背もたれが無く、外野は芝生、トイレも少なく観戦環境がいいとは言えません。
しかしこの球場には、他の球場にはない大きな特徴があります。
それは、外野スタンドを覆うように存在しているクスノキです。
外野スタンド後方から見たクスノキは、このようになっています。
大小合わせて7本のクスノキが植えられていて、圧巻の迫力ですね。
この立派なクスノキ群は、樹齢約400年〜1000年ともいわれていて、国の天然記念物に指定されています。
実は元々この場所には、熊本市の観光地の一つである藤崎八幡宮がありました。
が、1877年の西南戦争によって焼けてしまい、現在の場所に移転したという経緯があるのです。
クスノキ群の裏の方に、西南戦争の激戦地を示す碑があります。
結局藤崎八幡宮の御神木だったクスノキだけがそのまま残り、野球場になってからもこのままの状態で今日に至っています。
設備は古い球場ですが、このクスノキのおかげで唯一無二の個性を持つ球場として愛され続けているのです。
ちなみに、野球の試合で打球がクスノキに当たってしまったら、ホームランになるという特別ルールがあります。
時間があったら、ぜひこのクスノキ群を見に行って見てください。
これを見るだけでも、熊本に行く価値があると僕は断言します!!

熊本城公園 アクセス

桜町バスセンターから徒歩4分。
熊本市電熊本城・市役所前または花畑町で下車。
こちらからは徒歩5分で到着です。
藤崎台野球場と熊本県立美術館、熊本博物館へは、市電B系統蔚山町で下車。
徒歩7分で到着。ただし、道中の坂が少しきついです。
熊本城までもっと簡単にアクセスしたい方は、熊本駅を起点として桜町バスターミナルや桜の馬場城彩園などを周回するしろめぐりんという路線バスが、160円均一で運行しています。
20分から30分に1本運行しているので、楽に熊本城に行きたいならこのバスに乗るのが便利です。
詳しくはこちらのHPを見てください。

まとめ

今回は、熊本城の天守閣周辺の現状と熊本城公園の見所を紹介しました。
震災から5年近く経ちますが、実際に見てみるとまだまだ復興への道は遠いなと実感しました。
しかし、2021年4月の天守閣内公開によって、確実に良い流れが熊本に来ているなとも感じています。
熊本城の美しさと力強さは、ぜひ現地に行って堪能してみてください。
一生に一度はみておくべき城です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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