日本を代表する古都として有名な京都市の南側にある伏見地区には、綺麗な水に恵まれた場所であることから日本酒作りが盛んで、数多くの酒蔵があります。
安土桃山時代から古い歴史を持つ伏見地区は、現在でも古い街並みが残っていたり街中を運河が流れるなど、京都の中でも特に情緒あふれる地区です。
今回の記事では、そんな京都伏見地区を散歩しながらおすすめスポットを紹介します。
この記事を読めば、伏見で抑えておくべきスポットをすぐに把握できますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
京都伏見までのアクセス紹介
今回紹介する「伏見地区」とは、上の地図にあるように京阪電鉄中書島(ちゅうしょじま)駅から半径約2キロ以内のところです。
伏見へ行くのに一番便利なアクセスは、京阪電車です。
京都市中心部の三条駅や祇園四条駅から京阪特急に乗って約10分、大阪市から行く場合は淀屋橋駅から特急で約35分で中書島駅に到着します。
中書島は京阪宇治線の乗り換え駅でもあり、平等院鳳凰堂のある宇治観光にも便利な駅です。
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京都伏見 街並みの特徴
伏見には、このような古い建物がたくさん保存されています。
街中にはこのような運河が流れていて、地元の人が散歩コースとして愛されてます。
街はこのような感じです。
伏見は昔から美味しい井戸水に恵まれていた環境のおかげで、日本酒を作る酒蔵がたくさんあります。
果たしてどのようなところなのでしょうか?
早速、日本酒関連の施設から見ていきましょう。
京都伏見 日本酒の酒蔵
日本酒の酒蔵が数多くある伏見には、誰もが知る大手メーカーの酒蔵もあります。
その中で最も有名なのが、
- 月桂冠
- 黄桜酒造
です。
今回は、その大手日本酒メーカー2社が所有する施設を紹介します。
美味しい日本酒を試飲できたり、日本酒について学ぶことができますので、日本酒好きの方には必見です。
月桂冠大倉記念館
最初に紹介するのは、こちらの月桂冠大倉博物館です。
日本を代表する大手酒造メーカー、月桂冠の創業から現在に至るまでの歴史や、日本酒はどうやって作られるのかを実際の道具と一緒に紹介しています。
入口で入場券(600円)を支払うと、このようなお土産のお猪口とコイン3枚が渡されます。
3枚のコインとお猪口は、博物館の見学終了後に日本酒の試飲のために使用するので、出口まで大切に保管しましょう。

お猪口は箱に入ったまま渡されるので、お土産や記念品として最適です!
館内には、月桂冠にまつわる貴重な資料が数多く展示されていました。
こちらでは、月桂冠で昔使われていた酒造りの道具が紹介されてました。
酒造りの方法は、昔も今もそこまで大きく変わってはいませんが、昔はどのようにして日本酒を造っていたのかを実際の道具と一緒に学べるので、とても勉強になります。
米を置く場所や酒樽など当時の酒蔵の様子を細かく再現しています。
こちらでは、月桂冠の創業から現在に至るまでの歴史や、過去に販売された日本酒の瓶が紹介されています。
1637年に大蔵治右衛門によって伏見で創業された月桂冠は、現在は米国にも会社を持つなど日本の最大手の酒造メーカーとして発展しました。
大手メーカーになるまでの過程や、日本酒の海外進出に関するエピソードなど、月桂冠のチャレンジに関しても知ることができます。
博物館には、中庭があります。
中庭の一角には、伏見地区が有名な酒所になったきっかけとなった美味しい井戸水が沸いています。先程入口でもらったお猪口を使用して飲んでみましょう。
まろやかな味で、何杯も飲んでしまいました。
この美味しい水が、酒造りの基礎となっているんですね。
中庭はかなり広い設計でした。
味のある煙突があって、記念写真に最適な場所です。
水を持ち帰りたい場合は、入口でもらったコインを一枚売店で提示すれば、こちらのペットボトルと交換ができます。
ラベルにも書いてありましたが、関西大学とコラボして開発された水のようです。
見学が終わったら、待望の日本酒の試飲コーナーです。
毎回約10種類ほどの日本酒を試飲できて、入口でもらったコイン1枚で1杯の試飲ができます。
最初に番号を確認して、自分が飲みたいお酒をチョイスし、コインを入れてお猪口をお目当てのお酒のノズルの下に置いてボタンを押せばお酒が出てきます。
コインは基本1人3枚ですが、追加でコインが欲しい場合は1枚100円で受付で販売しています。
僕は2杯飲みましたが、とてもまろやかで飲みやすくて日本酒をほとんど飲まない僕でも安心して飲めました。
味のバリエーションは豊富なので、思い思いに日本酒を満喫してみましょう。
月桂冠大倉記念館の場所はこちらです。
京阪中書島駅から徒歩5分、伏見桃山駅から徒歩10分で到着します。
月桂冠旧本社とアクセス
博物館を見学し終わったら、近くにあるこちらのお店へ足を運びましょう。
現在の月桂冠の本社は大倉記念館の向かい側にありますが、実はこの建物は元月桂冠の本社であり酒造でした。
木造造りのこの建物、とても風情があって素晴らしい建物です。
保存状態も抜群で、伏見の町にしっかりとハマってますね。
現在ではカフェとお土産売り場となっていて、日本酒を使ったスイーツなどを販売しています。

黄桜記念館・キザクラカッパカントリー
続いては、同じく大手日本酒メーカーの黄桜が運営する、黄桜の歴史とカッパをフィーチャーした資料館です。
こちらの施設は、黄桜の歴史や日本酒造りの工程の他に、黄桜のCMに使用されている河童の起源や歴史も紹介しています。
月桂冠の博物館とは違い、入場無料で見学することができます。
先程の月桂冠と比較すると展示室は広めで、日本酒の造り方の基本はしっかり学べます。
こちらは、河童資料館です。
河童の種類や河童にまつわるエピソード、どこかから集めた河童グッズや絵画の展示など、ありとあらゆる河童を見ることができる博物館でした。
実は黄桜と河童は切っても切れない縁で、黄桜にとって河童は長年CMで使用されているイメージキャラクターとして1950年代後半から流れている黄桜の象徴です。
博物館にはCMライブラリーがあり、過去の黄桜のCMを鑑賞できます。
ギャラリー内にはイラストレーターの清水崑、小島功両氏によって描かれたCMで使用された河童の絵も飾ってありました。
40代以上の世代にはお馴染み、乳房が堂々とポロリした女ガッパと全裸の男性ガッパと子供河童によるCM。
「カッパッパー、カッパッパー」
という楠トシエさんの独特な歌は、強い印象に残っている方も多いかもしれません。
河童のCM以外にも、歌手の美川憲一さんと瀬川瑛子さんが歌でコラボしたCMも流れ、思わず

うわ見たことある!懐かしい!
と思うこと確実です。
時系列でCMが流れるので、年配の人には懐かしく若い人には新鮮に映るかもしれません。

京都伏見 龍馬通り商店街
日本酒を学んだ後は、伏見の古い街並みを歩いてみましょう。
伏見には、このような古い街並みの商店街があります。
ちなみに「龍馬」というのは、幕末の偉人としてお馴染み坂本龍馬のことです。
実は伏見は坂本龍馬に関する史跡もあり、幕末の歴史好きには必見のスポットとなっています。
ここでは、坂本龍馬に関する史跡を2つ紹介していきましょう。
龍馬スポットその1 龍馬とお龍愛の旅路像
龍馬とその妻のお龍の銅像です。
寺田屋で襲撃された龍馬は、その傷を癒すために伏見からお龍と共に船に乗って、2人はそのまま九州の鹿児島へ向かいました。
これが日本で一番最初の新婚旅行とされています。
龍馬スポットその2 史跡寺田屋
こちらは、1862年に9名の薩摩藩士が殺害された「寺田屋事件」の舞台として知られる寺田屋です。
寺田屋という建物ではありますが、実は実物の建物は鳥羽伏見の戦いで焼失していて、この建物は再建されたものとされています。
中は博物館となっていて、大人400円、中高大生300円、小学生200円で見学可能です。
京都伏見 伏見大手筋商店街
今度は、大きなアーケードが特徴的な伏見大手筋商店街を歩いてみましょう。
豊臣秀吉が築城したことでも知られている伏見桃山城の大手門に続く道にできた商店街で、明治から大正にかけて酒蔵が増えたのと京阪電車の開通によって整備された伏見大手筋商店街。
1971年に現在のアーケードが京阪電車の伏見桃山駅から風呂屋町通りまで完成し、現在の姿になりました。
1997年には、日本で初めて太陽光発電パネルを設置したソーラーアーケードを日本で初めて導入した商店街として知られるようになります。
京都の生活臭漂う街並みを味わいたい方にはおすすめの商店街です。
京都伏見 伏見十石舟
伏見の周辺には運河が流れていて、そこには十石舟と呼ばれる伏見観光協会が運営する遊覧船があります。
船着場は、月桂冠大倉記念館の近くです。
乗船する際は、乗船する15分前に船着場に着くようにしましょう。
乗船料は大人1,200円、子供600円です(月曜休業)
写真奥にある窓口で乗船料を支払って、出港時間まで奥のベンチで待ちましょう。
出港の時間になったら、舟に乗船します。
十石舟遊覧の所要時間は約50分。
舟はそのうち20分くらい運河の上を進んでいきます。
橋の上から見た運河です。
周りには遊歩道が整備されて緑の木々が美しい景色は、まるでオランダを彷彿とさせます。
鳥のさえずりが響き、散歩にはぴったりの環境でした。
舟は運河をゆっくり走りながら、宇治川沿いの伏見みなと公園に到着。
ここで一旦舟を降りて、30分ほど公園と写真の三栖閘門(みすこうもん)を見学できる自由時間がもらえます。
伏見みなと公園では、三栖閘門の歴史や仕組みを学べる無料の博物館があり、散策していれば30分はあっという間に過ぎますので、じっくり楽しんでいきましょう。
三栖閘門
「三栖閘門(みすこうもん)」
ちょっと難しい読み方をするこちらの水門は、伏見を流れる濠川と宇治川の水位が4.5mほどの水位の差があったので、これを調節するために1929年に建設された水門です。
当時は、宇治川から伏見に入る客船や蒸気船など、年間2万隻が三栖閘門を通っていました。
しかし60年台に入ってから、貨物船の数は減少。
やがて1964年には宇治川上流に天ヶ瀬ダムができたことで水量が調節可能となり、三栖閘門はその役目を終えました。
現在ではその歴史と水門の仕組みを伝える博物館があり、無料で見学できます。
模型によって、水門がどのようにして動いていたのかを学べるようになっていた他、水門が動いていた頃の貴重な写真も見ることができました。
港として発展していた頃の伏見港の写真や、伏見の城下町がどのようにして誕生したのかが解説されています。
こちらが、江戸時代の伏見港と伏見の城下町です。
江戸時代の始めは、日本最大の城下町として発展し伏見港は物資や旅人を乗せた船で大いに賑わっていたとのこと。
今では想像できませんが、船の数を見てみるとかなりの規模だったことが伺えますね。
水門は間近で見ることができます。
ここから見ると、中々の迫力ですね。
水門の周辺は公園として整備されています。
手前にあるのが、十石舟の船着場です。
水門から見た宇治川です。
流域面積が広く、水運として大事な川だった面影を感じます。
公園から見た濠川の景色です。
ここから京阪電車を眺めることができます。
見学を終了したら、再び船に戻って元の船着場へ移動し、十石舟の船乗りは終了です。
料金は少し高めですが、三栖閘門の見学時間も十分に設けられていて、おまけに船から眺める景色も最高なので、1,200円を払って乗る価値は十分にあります。
伏見に来たら、ぜひ優雅な船の旅を満喫してみてください。
まとめ
- 歴史が好きな方
- 日本酒が大好きな方
はぜひ観光の予定に組んで見てはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。