【生き物が沢山】静岡市の麻機遊水池は見所あふれるオアシスでした

静岡ガイド

静岡県の県庁所在地である静岡市。
市街地は大きなビルが立ち並び、いわゆる「都会」の雰囲気です。

が、郊外に足を運ぶと、大きな山に囲まれた緑溢れる自然が広がっています。

そんな訳で今回紹介するのは、麻機(あさはた)遊水池です。

静岡市の北部に位置し、

  • 季節の花
  • トンボ
  • 野鳥
  • 昆虫
などの生き物や植物の宝庫として、大切に守られている自然公園です。
今回の記事では、この麻機遊水池の見所を、
・静岡市生まれ
・静岡市に住んで35年近く

になる、私松井ひろたかが紹介します。

 

・普通の観光地とは違う場所に行きたい
・植物観察やバードウォッチングをしたい

このような方には特におすすめです。

1度訪れたら、その魅力に引かれること間違いなしなので、早速紹介していきましょう!

 

 

麻機遊水池 アクセスの紹介

麻機遊水池は、静岡市の中心部からかなり離れています。
JR静岡駅からしずてつジャストライン16番のりば(静岡駅ビルから地下道を歩き道路の反対側にあるバス停)に行き、そこから大浜麻機線の72系統麻機、または73系統の麻機北行きに乗車。
そこから約25分行った「草場」バス停で下車してください。
バス停前の小道を3分ほど歩いたら、トイレと駐車場が見えてきます。
そこが遊水池の入口です。
草場バス停の1つ前の「矢久保」というバス停からも行けますが、草場バス停のほうが遊水池にすぐアクセスできます。
車で訪れる場合は、静清バイパスの千代田上土ICで降りて約7分
または県立総合病院のところの唐瀬ICで降りて約5分で駐車場に到着します。
駐車場は合計6台くらいしか駐車できない狭い駐車場でした。
週末には家族連れの人が多く訪れる可能性があり、駐車スペースが埋まってしまうかもしれないので、そのつもりでいましょう。
駐車場のところにはトイレもあります。
ただ、丸見え状態ですが(笑)

麻機遊水池  その簡単な歴史

 

これが麻機遊水池です。
実際に見てみるとかなりのスケールで、写真にある池だけでなく、遊歩道を挟んでもう1つ分同じ規模の池があるくらいスケールの大きい遊水池でした。
麻機の遊水池の歴史は、縄文時代まで遡ります。
当時の麻機地区は、現在の清水区の辺りまで続く海の入江だったそうです。
それが弥生時代になってから海水面ができて、だんだんと低地になっていきました。
この頃、静岡市最大の一級河川である安倍川の本流の水も、この辺りから清水まで流れ込んでいたそうです。
それから時は流れて江戸時代、江戸幕府初代将軍徳川家康が駿府城を静岡に建築すると同時に、城下を洪水から守るために安倍川に土手を建設することを命じました。
これによって、安倍川から麻機に流れてくる水は極端に少なくなってしまったのです。
その結果水が土砂の堆積によってせき止められたことによって、浅畑沼、現在の麻機遊水池ができたと言われています。
さらに第二次大戦後、麻機地区は極端に水捌けが悪くなり、稲作に不利な土地になってしまいました。
これではいかんと国は、60年代から70年代にかけて、戦後の食料増産の意味も兼ねて土地改良事業を行うことに。
そうした努力の結果、麻機地区は静岡市でも良好な水田地帯になりました。
ひろたか
ひろたか

現在、麻機遊水池の近くの静清バイパス沿いには、無数の水田が広がっていて、静岡市でも有数の水田地帯として有名です。

麻機遊水池にはもう1つ、静岡市民の生活を守る重要な役割があります。
実はこの遊水池、静岡市から旧清水市を流れる巴川流域の洪水を防ぐ役目を果たしているんです。
この治水対策が行われるきっかけとなったのは、1974年の7月7日に発生した通称「七夕豪雨」でした。
静岡市や旧清水市で大雨による大規模な浸水被害が起きて、多くの犠牲者を出す大惨事になって、今でも市民の間で語り草になっています。
静岡市ではこれをきっかけに、巴川の水が増水した際、遊水池に一時的に水を貯めてゆっくり流していくという治水対策が整備されるようになりました。
この対策のおかげで、巴川流域の大規模な浸水の被害はこれまで最小限に食い止めています。
さらに遊水池では、周辺の緑地化整備も進められるようになり、植物の宝庫として行政や地域住民が中心になり保護活動が行われるようになったのです。
市民の地道な活動のおかげで自然が増え、野鳥やトンボ、蝶なども多く住み着くようになりました。
こうして麻機遊水池は、静岡市でも有数の生き物の楽園として現在まで市民に愛されるようになったのです。
現在では広大な池を持つ4区と、その向かい側にあって緑地公園としても整備されている3区が中心になっています。
今回この記事では、広大な池と自然に囲まれた遊歩道を持つ4区を紹介していきましょう。

麻機遊水池  第4工区展望通路

 

「草場」バス停から歩くこと徒歩3分歩くと、遊水池の入口に当たる駐車場のが見えてきます。
ここから、池全体を見渡すことのできる木製の遊歩道を歩いてみました。

この遊水池を歩いていると、色鮮やかなトンボや蝶々をたくさん見ることができます。

 

遊歩道から見た、美しい草が生えた湿地帯です。

遊歩道の上では、釣りをする人や散歩する人などがいて、皆思い思いに自然を満喫していました。
週末には家族連れで訪れる人も多く、網などを使い生き物を採して遊んでいる微笑ましい光景が見れます。

麻機遊水池  池周辺の景色

 

 

こちらの写真は、池と池を分けている遊歩道です。

高い草木に覆われ、まるでジャングルの中の道を歩いている気分になれます。

 

 

池の周辺には、所々にこうやって池を見渡せるスペースがあります。
このスペースに陣取って、釣りをしている人を見かけました。

 

 

今度は、池の水面を見ていきましょう。
池の中には、魚も住んでいるというのを聞いたのですが、
ひろたか
ひろたか

本当に魚なんているの?

と思いながら水面を注意深く観察していました。

しかし水がかなり濁っている影響で、底はもちろん生き物が泳いでいる姿を肉眼で確認することはできず。

 

場所を移動してみました。
写真に写っている木に覆われた島は、「野鳥の島」と言われていて、この池に集まる野鳥が羽を休めるための場所になっています。

この水面をしばらく見ていたら、写真の真ん中辺りにある岩の上に3匹の亀を発見しました。

近づいて写真を撮ろうと思いましたが、残念なことに僕の姿を見たとたん素早く水中に逃亡。

その後亀たちは、水面から顔を出しながら泳いでいました。

 

他にも時々、どこからか大きなサギが飛来してきました。
撮影場所から離れたところに着地し、あっという間に飛んでいってしまったので、写真に収めることはできませんでした。
このように麻機遊水池では、運さえよければ数多くの生き物に出会えます。
ちなみに駐車場のところには、麻機遊水池に生息する生き物や、植物のリストが季節ごとに分かれて記されている看板がありました。
季節ごとに見れる生き物が異なり、また池の周辺の様子も季節によって変化するので、1年中色々な風景を見て楽しむことができます。
遊水池には、春はヒバリやキジ、冬には鴨やミミズクやカカウが飛来するとのこと。
ひろたか
ひろたか

ちなみに僕は以前、キジを見たことがあります。

昆虫も冬以外でしたら季節の蝶やトンボを沢山見れます。

他にも湿地帯には、数多くの貴重な植物が生えているので、歩きながら見つけて見るのも面白いですよ。

麻機遊水池 遊水池グラウンドと池を見下ろせる丘

麻機遊水池の近くには、池だけでなく土のサッカーグラウンドが完備されていて、広く市民に開放されています。
普通に河川敷にあるようなグラウンドで、ちゃんとゴールも2つ置かれてました。
誰も使用してなければ、自由に使用していいのでしょうか?
シュート練習とかやるには最適の場所ですね。
以前週末に訪れた時は、少年サッカーの試合をやっていました。
実際に走ったりしましたが、整備されていて使いやすいグランドではないでしょうか。
サッカーグラウンドの隣には、このように立派な設備を持つ野球グラウンドもありました。
高さのあるバックネットと屋根付きベンチがあって、草野球をするには最高のグランドなのではないでしょうか?
外野の芝生もそこそこ綺麗に生えていて、外野の方角に見える自然と市街地のビル群の景色がいい味出してます。
野球グランドの隣には小高い山があって、そこを登って行くと写真のような広場に着きます。
登りの階段のところにはかなり長めの草が生い茂っているので、あまり来る人もいないんでしょうか、広場には人影がありませんでした。
屋根付きのベンチなんかもあって、歩き疲れたら座ってくつろぎましょう。
広場のところからは、広大な池を眺めることができます。
池の大きさを改めて実感できる場所でした。
ちなみに、池の真ん中あたりに見える木々の群れは「野鳥の島」
この第4区の池には、野鳥の島は2つ存在します。
このような島を含めた環境に恵まれているおかげで、多くの鳥を見ることができるんですね。

麻機遊水池 麻機湿原 展望通路①

 

池の隣には、蓮やヤナギなどが生い茂る湿原になっていました。
湿原には木でできた遊歩道が整備され、自由に歩いて見学することができます。
遊歩道を歩きながら、湿原に生える花や草木を探してみましょう。
今回僕が訪れたのは6月。
草木は僕の肩の辺りまで伸びていました。
多くのトンボや蝶が飛んでいる中、湿地の中の方にも何か生き物が住んでいないかなーと必死になって探しましたが、結局この日は確認できず。
実は以前この場所で、カミツキガメが生息しているという噂が流れ、
ひろたか
ひろたか

えっ、まさかいるんじゃね?

と思って探してみたんですが、やっぱり噂レベルの話だったということなんでしょうか、姿を見かけることはありませんでした(笑)。

いると思って、多少期待はしていたのですが。
湿地帯の地面はこうなっています。
木々がたくましく根付いていますね。
写真を撮っていると、どこからかウグイスの鳴く声がしました。
物音1つ聴こえないくらい静かな環境なので、鳴き声が良く響きます。
ひろたか
ひろたか

夏場はかなり蒸し暑くなるので、水分の用意を忘れずにしましょう。

麻機遊水池 麻機湿原 展望通路②

麻機の湿原には、もう1つ別の展望通路があります。
こちらは最初に紹介したところと比べて水量が多く、しかも小川の水が綺麗でした。
池の水と比べてみても、だいぶ水の透明度が違いますね。
水面を見て見ると、小さい魚やカモを見かけました。
小魚はじっくり探して見ると、かなりの数を確認できます。
遊水池には釣り客も多くいますが、釣れているところを見たことがないので、
ひろたか
ひろたか

本当に釣れているの?

と疑問に思ってましたが、魚の群を目撃したことで、一応釣れるんだと改めて実感。

小さい魚だけではありません。
遊歩道を歩いていたら、たまたまですが大きめの鯉を見かけました。
遊水池ということから、どこからか流れついてたのか、それとも人間の手で放流されてここに住み着いたのでしょうか?
ここに来て、ようやくトンボの撮影に成功。
写真に写っているのは、青色のトンボでした。
ここではごく当たり前の光景として、トンボを見ることができます。
後から色々調べて見ましたが、おそらくこちらのトンボは、シオカラトンボという種類みたいです。
こちらの遊歩道は、最初に紹介したところと比べると短いですが、逆に風を感じることができて涼しく歩きやすかったです。
草木の緑が美しいですね。
こちらが遊歩道の終点になります。
ちょっとした広場のような造りになっていて、バードウォッチングのような目的でも使用可能です。
涼しげな木陰の下にはベンチがあって、のんびりと座ってくつろぐことができます。
麻機遊水池はこのように貴重な植物や鳥、昆虫の宝庫で、自然の魅力を感じるには最高の場所です。
長年この地では、麻機遊水池の自然を保護するために、地元の保全活動推進委員会によって
  • 自然再生事業
  • 自然活動の調査
  • 麻機遊水池の宣伝活動
  • ゴミ拾いや植物観察会の主催

といった活動を定期的に開催しています。

 

こうした影の努力によって、この美しい自然は守られているのですね。

 

 

まとめ

 


今回は、静岡市葵区麻機地区にある麻機遊水池の見どころを紹介していきました。
広大な池の周りには、市民の手で守られた美しい湿地帯が広がっていて、
  • トンボや蝶といった昆虫類
  • カモやサギなどの野鳥
  • 湿地帯に生える貴重な植物

で溢れています。

緑に囲まれた場所ということで、心を癒しに散歩したり、生き物を採取、観察して遊んだりするには最適の場所です。

 

バスの本数も多く、車でも簡単にアクセスできる便利な場所にあります。
静岡観光の時に訪れるにも最適なので、是非一度訪れて見てください。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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